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わたしがこっちに落ちてきて3か月ぐらい経った。落ちたのは春の終わり4月末だったので、だんだん暑さが感じられて夏になってきたんだなと思う。夏といっても、それほど湿気は多くなく梅雨もなくて過ごしやすい。


アーヴィンさんは酒造に着手された。新しいお酒もいいけど、とりあえず今あるワインの味を良くする方向で進めるらしい。地場産業が強くなければ新規産業も難しいものね。

もちろん、そのうえで、ワインを蒸留して今まで無かったブランデーを狙っているのだとか。足場を固めて上に行く。真面目で堅実なアーヴィンさんらしい。

ワインの種類は多い。いろんなワインを通販サイトで取り寄せ、好みの味の物に近づけられる努力をするそうだ。

赤も白もロゼも欲しいそうだけど、とりあえず赤の美味しいものから作っていこうとしているんだって。美味しいワイン飲んでいたら、あれこれ作りたくなるよね。我慢我慢。


こっちの世界には魔法もあるので、時短が出来る。葡萄もワインも魔法で成長や熟成を促すことができる。凄い。

アーヴィンさんは、ワイン農家の人を呼んで、通販サイトで購入したワインをご馳走している。

「こんな美味しいもの飲んだことがない!負けたくない!」と闘志が湧いてくるらしい。


葡萄の苗も取り寄せて、堆肥、腐葉土、家畜の糞や、クローバーや豆を育てて漉き込んだり石灰やカリウムなどを入れたり、石を排除したりと出来ることは全部試してみると張り切っている。

良い物が出来るといいな。


メアリーさんは女性の下着について、どんどん改良している。見本となる日本製の素敵な下着をアーヴィンさんに頼んで買ってもらっているそうだ。

通販サイトでの購入は、わたし以外は、アーヴィンさん、オリバーさん、ブライトさんのパソコンのみと決められているからね。

制限解除したら収拾が付かないけど、アーヴィンさんが女性の下着を買い続けるのは大変そうだね。ちょっと同情している。


わたしも女性陣に頼まれて買い物したりしていたけど、最近はアーヴィンさんに許可された土地に桜を植えに行っているので、日中わたしがいない間はアーヴィンさんがメアリーさんのお願いを聞いているらしい。

毎日レースやぴらぴらの下着の注文をするのは、アーヴィンさんには刺激が強いとか。


桜は順調に苗木を植えていっている。桜専門の苗業者があるんだけど、そこから通販サイトで買うと謎空間からちゃんと苗が届く。本当に不思議システムだ。

アーヴィンさんにお願いして、土魔法の使える人、生活魔法で成長促進が使える人、植物魔法の得意な人を集めてもらって、苗を植えている。


桜それも八重桜や枝垂桜は手間がかかるのだ。

雑草を取り覗き、南の森から冒険者に依頼して取り寄せた腐葉土を土に混ぜ、通販サイトで購入した堆肥を混ぜて改良してから、深く植えすぎないように注意する。

支柱も立てる。根元に乾燥注意するように藁で地面を覆う。土に埋まっている小石も排除していく。根を張ることができるように土も柔らかくしていく。

土魔法が使える人に穴を開けてもらって、植物魔法の使える人に根がつくように魔法を使ってもらう。

手間がかかる。それでも見たい。この地で見たい。ああ、この先日本から落ちてくる落ち人の人たちにも、日本の桜を見せてあげたいというのもある。死にかけたとはいえ日本に帰られない思いに寂しくなるかもしれない。帰りたいけど帰れない場所に少しでも寄り添うことができればいいなっと思う。

桜が満開になったら、屋台を出してもいいかも。


屋台は通販サイトで買えるのか?ああ謎空間は50cm四方の物しか通らないから屋台はこっちの技術で作ってもらわないといけない。

桜の季節はまだ先だし、苗もまだ小さいから、咲くかどうかもわからないのに、わたしの心は満開の桜とたくさんの屋台を求めている。いつかできるといいな。

何のためにこれほどたくさん植えようとしているのかアーヴィンさんにはわからないかもしれないけど、落ち人様のすることは基本阻止しないとなっているらしいので、自由にさせていただいている。本当ありがたい。


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