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赤の時期についてメアリーさんに追加でいろいろ聞いてみた。領主関係者は赤の部屋には行かないらしいけど、赤の部屋で赤の時期が来ている人がその時期悶々としながら過ごしているのは知っているので、そこに気がまぎれるような娯楽。大き目のプロジェクターに映画のDVDでも流していいかと聞いてみたところ、まず、メアリーさん、クロエさん、ユリアーナさん、リリスさんの4人が確認してからならいいという結果になったので、空き部屋に通販サイトで購入したお高いプロジェクターをセットして、椅子やテーブルも持ってきてもらって、壁に映画を映しだして鑑賞会をしてみた。最近のプロジェクターは家庭用でも性能が良くて綺麗に映し出されて感心する。音も良い。
女性向けで文化面があまり違わないものをということで、古典のロミオとジュリエット、少し異世界風にローマで王女様が冒険するお話等をチョイス。ついでに夢の国系のプリンセス系もどうだ。
「え、絵が動いていますの?え、なんですの?これは!」
「声も聞こえてきます。これは動画と同じものでしょうか。」
「まぁ素敵!ドレスも衣装も歌も踊りも素敵だわ。ああ、なんて素敵な世界なんでしょう。」
「お母様、わたくしもガラスの靴が欲しいですわ。」
恋愛系はオールOKが出た。ユリアーナさんは何故か号泣。感動したらしい。リリスさんはシンデレラの王子様役の人にきゅんきゅんしたそうだ。可愛い。
OKの出た5作を日中エンドレスで流してみることに決まったので、持っていこうとしたけど、空き部屋のものはそのままメアリーさんたちが視聴したいということで引き続き置いておくことに。
こっちは某夢の国の映画も順次見ていきたいと主にリリスさんにおねだりされてDVDボックスをいくつも買ったところ、男性陣も時々一緒に鑑賞しているらしい。
パソコンやスマホから動画を見ることは出来るけど、やはり大きな画面で見る方が迫力があって良いという。スピーカーを設置しているので音がいいとブライトさんのお褒めの言葉もいただいている。
ソファーにご夫婦2人で並んで鑑賞することが多いらしい。仲がよろしいことで。
許可が出たので、プロジェクターのセッティングに初めて赤の部屋に案内された。館の使用人エリアの女性の使用人の寝室の近くにあった。普通領主の人たちはここまで来ないということだけど、今回は特別ということでジョアンナさんに連れていってもらった。
プロジェクター等の重たいものもあったけど、男性には赤の部屋には来てもらいたくないということで、がっちりした下女さんに運んでもらった。赤の部屋に行ってからパソコンで買ってもいいんだけど、パソコンでいろいろ物が買えることはまだ大っぴらにしていない(王宮に献上してから大っぴらにする予定)ので、これはわたしのスキルだけど、まだ秘密ということになっている。
赤の部屋は15畳ぐらいで、常に10人ぐらいが赤の時期らしい。50人ぐらい女性がいればそうなんだろうな。赤の時期にだいたい5日間籠っているみたいだけど、一気に時期が重なったりはしないんだろうか。そこまでは聞けなかった。適当にばらけている方が雇っているものはいいんだろうけど、赤の部屋に数人増えてもいいように余力があるんだろうね。さすが領主館。
そんなこと考えながら、その部屋の一角にプロジェクターを設置してみた。
最初は何事だとかなり驚かれた。画面から絵が動き、声が聞こえて音楽が流れてくるのだ。館で働く方は日本語が出来ることが第一条件らしいので、聞き取りができる。
「え?何?」
画面が明るくなり、映像が始まりかけたら、部屋にいた全員がプロジェクターに集中した。
「落ち人様のハナ様から、赤の辛い時期のために、娯楽を導入していただきました。これで少しでも、この辛い期間をましな時間になりますようにと。物語の交換は定期的に使い方を覚えたものが見回りにきます。」
ジョアンナさんがこの部屋にいる人に声掛けしてくれたので、驚きは感謝に変っていった。
「音楽が素敵。」
「まぁ観劇じゃないのに、人が動いているわ。」
「いったいどんな魔道具なんでしょう。」
椅子に座って刺繍していた人も、痛み止めを飲んでましにはなったけど、横になるのを止められなかった人も、映像が流れると意識がそっちに行くのか鈍痛を忘れられるみたいだと好評だった。
箱買いしたナプキンは赤の部屋の隅の机の上にどさっと置いてある。せっかく来たので5箱ぐらい複製しておいた。消耗品だもね、すぐなくなると思う。サニタリーショーツも籠に入れてSMLと置いてある。かぼちゃパンツに比べれば快適だと思う。痛み止めだけはたくさん飲むと危険なので、担当の侍女さんがひとりひとりに手渡ししていると聞く。半分優しさで出来ているのがわたしは好きだけど、人それぞれ個人差があるからいろいろ試して欲しい。
ボロ布を詰めなくて済むので楽だというが、詰めていないと物足りないという人もいたので、タンポンも用意してみた。もちろん、事前にスライムが消化できるか確認してからだ。
タンポンのみの人、併用する人とナプキンだけの人とそれぞれ自分にあった方法でこの期間を過ごせるようになって、夜も汚す不安が無くなって嬉しいと聞くとこっちも嬉しくなる。その中で、使い捨てするのが勿体ない恐縮するという人もいて、布ナプキンも取り揃えてみた。
これはわたしの異世界飛ばされた時用に準備していたものだ。使い捨てナプキンは良いけど、嵩張る。異世界に飛ばされたら毎月使うから、どれだけカバンに入れていても絶対に足りなくなるのは目に見えていたので、布ナプキンについても勉強したし、自分で作ってもみた。
コットンガーゼで最初は可愛らしい花柄で、そのうち合理性を重視して真っ赤な布地に黒の裏地といったゴシック調のものになった。汚れが目立たないからね。
今回はいろんな柄のものを用意してみた。こっちの世界には生活魔法の浄水・浄化があるから、後処理は思ったよりも楽かもしれない。




