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2. めばちこ探偵と探偵

 私こと、──便宜上、めばちこ探偵と名乗る──めばちこ探偵はとても記憶力が良いので、昔の友人などと会おうものなら、誰それさんの今の話が出るたびに、小説の登場人物の結末を垣間見た様な感覚によく陥るものである。


 そうなってくると、ある傾向が見えてくる。あくまで傾向なので全てには当てはまらないが、人はなる様になっているという印象を受ける。

 めばちこ探偵の周りの低身長の可愛らしい末っ子の人は総じて気が強かったり、美人で目立つ系の人は総じて普通の家庭を築いてはいなかったり、美人ではない部類の人は子供を含む家庭を築いていたりとかそういう傾向がある程度、自分の中の統計として割り出されてくる。勿論、めばちこ探偵の交友関係など、涙の粒ほどの小ささ狭さではあるがその中でも重なる共通点というのが見えてくる。


 そうなると、当時のことをよく覚えている身としてはタイムマシンでその人の途中経過や結末を見たような気になったものである。


 私自身、今までの人生で探偵という職業に直接では無いにしても関わったと思われる事が2件だけある。


 1つは、浮気調査を依頼した配偶者が浮気相手の家に乗り込んだ際に運悪く居合わせた時。配偶者が言うには探偵に依頼したとの事だった。非常に間が悪く気まずい思いをしたものである。

 2つ目は、夜の仕事をしていた知人が引っ越したので荷物を届けた際にどうも探偵につけられていた様で、めばちこ探偵が荷物を届けて間も無く、その知人の家に依頼主が訪れたというものだった。

 善良な私としては、アンダーグラウンドな世界の闇を垣間見た忘れられない体験である。


 まあ、善良に生きていればあまり関わる事もない世界ではある。落とし物絡みで警察署を訪れた際に、常連の様な顔をした人物が慣れた様子で横で話を聞かれている様子を見て、ああ、私はこういった世界とはほぼ無縁に過ごしてきたのかと感慨深い思いをしたものである。


 ええ?あの悪ガキがホストに??のような意外な後日談もあれば、当時の同僚のトラブル後の更に後の話を聞いて、エンディングの後の外伝が始まった…!のような感覚にも陥るので、人生とはある年数を経ると面白くなってくるものだなと思う反面、このように記憶している人自体も減っていくのかと不思議な気持ちになる今日この頃であった。

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