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はじめまして

最近忙しくて更新が止まってしまってました。

(´;ω;`)ブワッ

読んでくれてありがとうございます!



「ユウエス…こちらが第三皇子ランヴァルト・フォン・ユージェーン 様だ」

「お初にお目にかかります。ガレディアス家長男ユウエス・フォン・ガレディアスです」

父に催促されそう挨拶した。失礼にならない程度の親しげな笑顔を浮かべる。私としては弟の真似をしているつもりだ。

目の前にいる皇子はムスッとした表情のまま小さく頷く。噂通りの端正な顔をしているのにもったいない。私よりも長い白髪の髪は緩く結わえられ軍服より幾ばくか豪勢な装いは誰が一目見ても第三皇子であるとわかるだろう。

(パパが名前を言ってくれて助かった…)

もうちゃんと覚えた。いつもならそこまで気にしないが、今はユウエスとしてここに立っている。私のせいで弟の評判が下がるのはよろしくない。


第三皇子は極度の人見知りらしい。というよりも警戒心が強いというか、一線引かれている。

この国‐ブリュノール帝国の第三皇子であるが母親の身分が低いことと白髪であることからかなり立場は弱い。


味方が少ないのならもう少し愛想を良くしても良い気がする。


「ほらもう少し愛想をだせって」

突然降って湧いたような声に驚く。もしかしなくても今のは第三皇子に言った言葉だろうか。流石の私でも無礼だと思い心の内で留めることにしたのに。

ちらりと視線を向けると赤褐色の髪にオリーブ色の瞳の青年が立っていた。私の物言いたげな視線を感じたのか青年が自己紹介をする。

「カルダン・フォン・ヴィンター、第四騎士団団長だ。よろしくな」

「ユウエス・フォン・ガレディアスです。よろしくお願いします」

近衛騎士団は王の守護、第一は民の守護。確か第二が第一皇子、第三が第二皇子の担当だった。第三皇子の担当は決まっていなかったため代理であろう。

「それにしても小さいな。ランヴァルト皇子で小さいと思ったのに…」

「今年で11になったばかりですので…」

父がこちらをちらりと見て言う。なんだろうかその気遣わしげな視線は。

「これから成長期ですので」

にこりと笑って言う。そうだ私はまだ成長期が来ていないだけ。皇子と同じ14歳(数え年で)ではあるがそれはそれ。気にしないが勝ちだ。

「まあそうだな。頑張って伸ばせよ」

なんか上から目線な気がするのは単純に見下されているからだろうか。釈然としない…。

「あっ、今回総指揮は皇子だが辺境伯は独断で動いても良いそうだ」

「皇子のご命令ですか?」

「ああ、そうだ」

いつの間にか皇子が天幕に戻っていたので父がカルダンにきいた。

「俺は戦術を考えるより動くほうが得意だから、じゃんじゃん使ってくれ!」

意外でも何でもない言葉を残してカルダンも天幕に入っていった。

私たちも辺境伯用の天幕に戻る。ここに立ち入ることができるのは私と父、父の副官二人だけ。気負う相手もいないので少し楽な姿勢をとる。

「さっきのはユウエスのまねか?」

「そっくりでしょ?」

「…似てはいるんだか…何だろうな、やっぱりユウエスとは違う…あいつのはもっとこう、ふわっとした感じだな」

「………」

言いたいことは分かる。あの警戒心を抱かせない笑顔というのは弟の武器だと思う。本人に自覚は無いだろうが。

外側を似せても、本質(中身)が違うのだから仕方がない。


愛想の無さは生まれつきだ。今さらどうこうしようなんて思わない。

もしかしたら皇子もそうなのかもしれない。

多分違うだろうがぼんやりとそんな事を思った。

誤字報告ありがとうございます!!(*^^*)

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