やっぱり君も
もうすぐこの章のクライマックスなので出来るだけ投稿していきます(*^^*)
読んでくださってありがとうございます(^^)
「へぇ、この距離でも防いじゃうんだ」
「っ…ローレン!!」
軽く剣を押し返しローレンが後ろに飛び退く。そのまま剣を構えることもせず脱力し、ただ静かに笑っている。
「何の、つもりだ…ローレン」
殿下が絞り出すようなかすれた声で言う。驚きに目を見開き、まだ事実を受け入れきれていないようなそんな顔だ。
「…お分かりでしょう?殿下。僕は裏切り者なんですよ…いや、はじめから味方じゃなかった。ただそれだけです」
「っ……!!」
取り繕うこともせずきっぱりと言い放つローレン。
動揺を隠しきれない様子の殿下に、逆に私は落ち着きを取り戻す。
(…私の役目は殿下を守ること…冷静になれ…)
私は小さく息を吐き、呼吸を落ち着かせる。
「ローレン…あなたが敵だということでいいですね?」
「そう言ってるじゃないか…情けなんてのはいらないよ。僕も、僕のために…容赦はしないから」
余裕のありそうなローレンの笑みは見慣れたものだ。それなのに得体のしれない悪寒に体が緊張している。
(…ローレンは本気だ)
「……」
私はゆっくりと剣を構え直す。それを見たローレンが軽く笑い言う。
「…そう、それでいいんだよ。…僕は君たちを殺すように言われてるんだ」
「……」
「…ユウエスはまだ殺しはしたことないって言ってたよね」
「…それでも覚悟は出来ています。…剣を持つものとしていつかは通るものですから」
「…そう」
なおもローレンは剣を構えない。いつもと変わらない…談笑する時のように自然体だ。
「……」
覚悟は出来ている…そうは言っても、自分から動くことは出来ずただ剣を握りしめる。
暫くの沈黙が続きローレンが大地を蹴った。瞬時に肉迫し剣が交差する。鍔迫り合いの末私がローレンの剣を押し返す。
その後はその押収の繰り返しだった。様々な角度から迫る剣を防ぎ、跳ね返す。
ただひたすら剣がぶつかり合う音が高く澄んで、夜の静寂に吸い込まれていく。
ふと急にローレンが力を抜き屈んだ。そのまま私の足を払うかのように横蹴りをする。
「っ…!!」
(しまった…)
そう思ったときにはもう剣が手から離れていた。後ろに飛び次の攻撃に備えた。
「…?」
だがしかしローレンは追撃してこなかった。
「…どういうつもり?」
「…いや、少し気になっていたことがあってね」
そう言うやいなやローレンが真横に腕を振る。それと同時に膨大な魔力の圧を感じた。
(ウィンド・ブレード…!?)
半透明な風の刃が四方八方から迫ってくる。
−キンッ
鋭い音を立て風の刃が消える。私の周りには薄く光を帯びた半球が私を守るように展開していた。
聖魔法の一つセイクリッド・スフィアだ。
「やっぱりね…君も魔法使いだった…びっくりだよ」
「…それはこちらのセリフです」
わざとらしく言い加えたローレンに私は静かにそう返した。




