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夜勤族の妄想物語2 -5.あの日の僕ら-  作者: 佐行 院


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33/66

55

全員が顔を赤くしながら走って来た。


-55 密かに見守っていた男-


 電話から30分後、桃と安正達は松龍の前で合流した。全力で走って来たが故に全員息切れしていて、香奈子に至っては酒が回り過ぎてフラフラであった。


挿絵(By みてみん)


香奈子「もう・・・、走れない・・・。」


 一刻も早く香奈子に水を与える為に学生達は急いで店へと入った。


王麗「あんた達、どうしたんだい。」

桃「皆、美麗が心配で来たの。女将さん、一先ずお水貰えない?」


 その心配をよそに美麗は老酒を片手にかなり出来上がっていた。最初は香奈子1人分の水を頼んでいたのだが走って来た学生達を気遣った王麗は全員分の水を用意した、美麗も同様に全員を気遣っていたらしいのだが・・・。


美麗「はい、お水。」


 こうやって美麗が渡したのは水ではなく老酒であった。


桃「何よこれ・・・。」


 思わず吹き出してしまう桃、それを見て王麗は笑っていた。


王麗「美麗、あんたもやる様になったね。」


 今はまじめな性格をしているが中国の実家にいた頃はかなりのおてんば娘だったらしい。

 酔っているせいか、それとも照れからか、美麗は顔を赤くした。


安正「もう心配はいらないな。」


 美麗の様子を見て一安心した安正。


桃「別の意味で心配だけどね。」

好美「え、どういう事?」

桃「あんた達、夕方から呑んでいるんでしょ。」


 桃は何度か美麗と呑んではいたが今日程深酒をしている所を見るのは初めてだったのだ。


好美「よく考えれば本当、ここがあの子の家で良かった。」


 そう言う好美もすぐ近くに住んでいるので好きなだけ呑んでいる。本人曰く、この後も1号棟1階のコンビニで何本か買って吞むつもりだそうだ。


守「好美、1度烏龍茶でも挟んだらどうだ?」


 ただ王麗がオーダーを間違えたのか、来たのは烏龍茶ではなく烏龍ハイ。好美にとっては丁度呑みたかった物なのでラッキーであった。


王麗「ごめんね・・・、ってあれ?呑み干しちゃったのかい?」

守「わざわざありがとう、本当ごめんね。」

王麗「良いのさ、元々こっちに非があるし。」


 そんな中、いつの間にか着替えた美麗が1人大量のバタピーをむさぼっていたのでその様子を見た王麗は開いた口が塞がらなかった。


挿絵(By みてみん)


王麗「あんたよく食べるのね。というかそれ私のだよ。」


 安正は2人の様子を見て心から安心した。


桃「いつもの美麗に戻ったからもう大丈夫じゃない?」


 すると楽しそうに談笑する2人に美麗が近づき絡み酒を始めた。


美麗「何、私の顔に何か付いてる?」

桃「美麗、あんたの事ずっと心配していたのよ。この人の事覚えて無い?」


 安正の顔をまじまじと見る美麗。


美麗「えっと・・・、誰だっけ?」

安正「柔道部の桐生安正、秀斗を迎えに来ていたのをよく見かけていたんだ。」


ずっと遠くで見守っていた美麗が目の前に。

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