喧嘩騒動
投稿しました。
是非最後までお読みください
ご感想お待ちしております。
広場に向かって大勢の人々が走って来た。
それを見て、兵隊たちも抑えに入る。
慌ただしく何十人もの人々が広場に入るのを見てテンゴたち5人は
戦闘態勢をとる。
帝国の輩の可能性もあるのでいついかなる時も気を休めてはならない。
帝国の輩でない可能性も否定できないが、物騒であることは間違いない。
いざ!と言うときは自分たちが対応したほうがいいのだ。
「助けて!」
「助けて」
「兵隊さん助けて!」
数人の女性が兵隊に助けを呼ぶ、一人の女性は声を荒げ、一人の女性は
兵隊さんの目の前に助けを乞う。
「やはり、ただ事ではないでござるな」
「あぁその様だな」
「ホセさんどうします?様子を見に行きすか?」
「・・・それは・・・」
ネルソンや卍暗殺者卍も考えていることが同じの様だ。
物騒の中、冷静にテンゴがホセに物騒の原因を探りに行くかを伺う。
「あの女よ!」
「違うわ」
「あっちが始めたのよ!」
カルメンに魅了されていた黒いスーツの男性も兵隊に交じって
女性たちの騒動を収める様に加勢する。しかし、女性たちが黒いスーツの
男性を両手で押すと、黒いスーツの男性が押され出されてしまった。
ネルソンも卍暗殺者卍も、桃姫もその騒動の抑制に入る。
もちろんテンゴもトーチも抑制に入るのだ。
「ねぇ、この騒動って本当に帝国のやつらの仕業なの?」
トーチは何処かしら帝国の輩の仕業ではない可能性もあると
考えているようだ。もしかすると喧嘩の可能性もあるのだが・・・。
「いや・・・分からない、とにかく原因が何であるか
突き止めてやる必要がありそうだぞ、千宙・・・」
白い格好の男性も騒動の抑制に参加するが数人の女性たちに押し問答の末
押し通される。一言でいうなら、てんやわんやである。
「ロバを買うと言うのマニュエリータに」
マニュエリータと言う女性がいるのだ。
「カルメンが言ったの「あんたは箒で十分よ」
マニュエリータは「貸してあげてもいいわよ、縄が気にならないなら」
って!」
兵隊が数人の女性たちの騒動を収めようと一生懸命になっているのだ。
だが、その抑制の手を女性たちが振りほどいたり、兵隊を押したりなど
している。
「それで喧嘩が始まったのよ!」
女性たちが兵隊たちにそう訴えた。
「うるさい!」
「ホセ!原因を調べてこい!」
ホセとは違う一人の上官クラスの男性がホセに対し支持を出す。
右手を突きだし支持を出すようデスチャーする
「ホセさん!行こう!魔女の正体も知りたいし」
「行くぞ千宙」
「うん」
テンゴがホセに再び促した。
ホセは魔女の事はカルメンの事であると思っているが、もし、カルメン
と会った時はどうすればいいのやら、しかし仕事であり命令である以上は
仕方ない、隣にいるミカエラの知り合いのテンゴも行く気満々であるのだ。
もし、戦闘になる可能性があるのであれば、前回のニコロ戦と同じく
テンゴが前線に立ち、攻撃を防ぐ必要があるのだ。
だからテンゴがまず真っ先に赴かねばならない。
そして、ドン・ホセと、テンゴ、トーチが煙草工場の中に消えて行った。
先ほどの上官クラスの人物が他の兵隊たちに向けて女性たちの騒動を
収めるために指示を出す。
「お前ら女どもを連れていけ!」
すると数人の女性たちがその上官クラスの男性に寄ってたかって行った。
また、押し問答が始まる。
「こっちの話を聞いて!」
他の兵隊たちも加勢に入る。長い棒を持って、抑制に入るのだ。
それを数人が押したり押されたりしている。
そのうちの人物の誰かが叫び出した。
「カルメンシータよ!」
とある女性は別の女性の名前を叫ぶ
「マニュエリータよ!」
先ほどから名前の挙がっている女性である。
どうやら喧嘩はこの二人が始めたようだ。
しかし、喧嘩だけでここまで大騒動になるのも珍しいかもしれない。
「しかし、喧嘩だけでここまで大きな騒動になるでござるか!?」
ネルソンも騒動の抑制に加わり、押し問答をしながらしゃべる。
「この街の連中は毎日が祭り騒ぎだな」
卍暗殺者卍も違う意味で毎日が祭りである事は一緒だ。
「と、とにかく・・・きついんだけど・・・」
桃姫の持っているアザラシクッションも、ふにゃふにゃになりそうだ。
「わたしは力仕事は出来ないので、それにこの本もペンも大切ですし
汚したくありませんから、お任せしますね・・・」
どうやらアマデウスは力仕事が苦手らしく、これでは戦闘員ではなさそうだ、そして戦闘員ではない事を考えると、帝国の輩ではなさそうな感じがする。前回のニコロ戦やスコッチ星の帝国を見ると武力や力業で事を成し遂げようとする事が見て取れた。アマデウスを見ると帝国の輩ではなさそうであると誰もが考えた。
「それが良いでござるよ」
「俺たちに任せて」
「・・・・・・」
すると煙草工場から兵隊たち2人がカルメンの肩を持ちながら
連行するような形で連れて歩いて来た。
その連行している目の前をドン・ホセが歩き、そのカルメンの後ろを
テンゴ、トーチが歩いている。
そして、先ほど命令を出した上官の所に連行して行く。
その上官の足元には被害を被ったであろう女性マニュエリータが
尻もちをつき足伸ばしていた、後ろにもう一人女性がいるが、どうやら
慰めるためにいるようだ。
「来たかホセ、結果は?」
「喧嘩ですよ、怪我人は彼女だけの様です」
「加害者は誰だ?」
そう上官が聞くと急にドン・ホセの態度が相手を攻撃する様な
態度に変わった。手を伸ばしカルメンを指で指す。
「彼女です!!」
その発言と共に周りの女性たちから罵声が聞こえる。
その罵声と共にカルメンは近くにいた女性の目つきが気に食わなかったのか
手で攻撃を始めた。
その女性も負けじとカルメンに手を出す。
女性の喧嘩はどこの惑星も怖いものだ。
この喧嘩騒動をテンゴ、トーチが見て二人で「やはり喧嘩だったか」
と考えて良そうだ、呆れた表情を浮かべる。
「やっぱり喧嘩だったわね」
「そうだな、俺の感も外れる事もあるさ」
上官クラスの人物がカルメンに近づいていった。
「静かにしろ!」
「この騒動の原因はお前か?何か言い分は無いか?」
左手を上げて周りの騒動を起こしている連中を宥める。
「・・・私を斬ろうが焼こうが何も言わないわ」
カルメンは腰に手を当て下を向く。そのしぐさを上官クラスの男性も見ている
早くこの騒動を鎮めねばならない、なんとか罰を下しておくべきなのだ。
しかし、この騒動を起こした張本人を見て、呆れた表情を浮かべる。
「火も剣も天さえも怖くないわ!」
「つまらない事を言ってないで早く答えろ!」
目を合わせようとしないカルメンは下を向きながら意味不明な事を回答する。
しかし、その上官の後ろに回り囁く様にしゃべった。
「私は口が堅いの」
「浮気してても秘密にしたまま死ぬわ」
「訳が分からない、どうでもいいが牢獄で歌うがいい!」
上官がデスチャーで促す、どうやら上官も一刻も早くカルメンに牢獄に
入って頂きたいようだ。
するとカルメンは急に走り出した。そも走り出した先は
下に伏せているマニュエリータらしい。それを見たか否や上官も抑えに
走り出した。テンゴもトーチも攻撃を加えるだろうと予想はついていた。
加勢するように止めに入る。
しかし、カルメンの方が早かったか、マニュエリータも交戦状態に入って
いたか、二人による取っ組み合いが始まった。
後ろの方で白い格好の男性が女性との取っ組み合いの間で、平手打ちを
食らっていた。
なんとかテンゴやトーチの協力があってか、取っ組み合いをしている
カルメン、マニュエリータを引き離した、すると上官の腕で止められている
カルメンは体を捻りながら上官の鼻に攻撃を加えた、もちろん拳で
鼻を押さえながらよろけている上官はなんとか体制を立て直す。
服は既にヨレヨレで、被っていた帽子はズレているのだ。
「手の早い魔女め!」
上官は自分の帽子を直しながらドン・ホセに近づいて行った。
「とても残念だ、これほど美しい女なのに・・・つないでおけ!」
カルメンを指さして命令をドン・ホセに出した。
すると、騒動による熱が冷めたのか、一人二人変な輩がいるものの
なんとか制止し女性たち、女工たちは煙草工場に戻って行った。
「なんとか収まりましたね・・・」
近くで見ていたアマデウスは他人事のように述べた。
騒動に参加していないのであるは分かったが、何処か他人事のように
喋ったようなことが伺えた。
「そうでござるな・・・」
「やれやれ、なんとか収まったか・・・」
カルメンはすぐそこの石階段に座る。騒動が収まったが
髪が乱れているのだ。
「私を牢獄に入れるの?」
カルメンは、ドン・ホセに聞いた。もちろん命令であるならば
牢獄に入るほかない。しかし、ここまでお転婆な女性が大人しく牢獄に
入るだろうか。
「仕方ないだろう」
ドン・ホセは少し強気で答える。
「仕方ない?」
「上官の命令だ」
カルメンは自分の腕を縄に巻き付けられるよう知っているのか
自分の腕を出した。
カルメンに縄を巻き付けようとしている最中にカルメンは
また、分からない事をしゃべり出した。
「あなたは命令に背くわ、あたしのために」
「??君の為??」
「ええ、そうよ」
「魔女の花はすぐに捨てなきゃいけないじゃないの・・・」
カルメンはドン・ホセが赤いバラの花を持っていると気づいていたのだ。
何故ドン・ホセが持っているのかカルメンは大体の予想は付いていた。
そして、ドン・ホセはカルメンの後ろに回り、カルメンの手首を後ろに回し縄を掛けようとする。
「その赤いバラを持っていると魔法にかかるのよ」
カルメンは笑いながら後ろにいるドン・ホセににそう言った。
何かの暗示だろうか、若しくは本当に魔法が込められているのか。
今はまだ分からない。
「黙れ!話しかけるな!」
強気でしゃべるドン・ホセはよろけながら笑うカルメンの腕を
固定しようとする。
「そう言うなら話しかけないわ」
カルメンはどこか陽気である。しかしホセもそのカルメンの
姿を気にせず縄に手を巻きつけるのだ。
テンゴたち5人は閑散と静かになった広場に少し休んでいる。
帝国の人間ではなさそうだがが、喧嘩を起こし人を惑わし、騒動を起こした
人間がいるのだ。気にせずにはいられない。
この惑星の人間関係は知らないが、少々荒っぽい現場に出くわして
しまうの少し残念ではあるが、色々と情報を得ただろう。
後は、今後の調査をどうするかを話し会うべきだ。
ミカエラともドン・ホセとも、そしてアマデウスとも知り合いになれた。
この惑星の情報を聞き出すにはいい雰囲気ではあるが・・・
そして先ほどの騒動に疲れたか皆は体力を使い切ったかのような表情である。
アマデウスだけ、上の空のよ様だが・・・体力を使っていない以上
しょうがないかもしれない。
「ねぇ、どうする?あの人、帝国の輩の様には見えないわよ」
「確かに、そうだな、単なる喧嘩だったからな・・・しかしまぁ
派手に起こしてくれたな・・・」
「あの魔女・・・いやカルメンか・・・尋問するか??」
「やめるでござるよ、可哀そうでござるよ」
「・・・・・・・・・一先ず休憩・・・」
5人は話し会いをしているのだ。これからどうするのか
ドン・ホセはこれからカルメンを牢獄に入れなくてはならない。
テンゴたちは惑星の情報を得なければならない。
そこに街の案内役が必要なのだが・・・隣にアマデウスがいる、そして
アマデウスは本を読んでいる。彼に聞けば何か聞き出せるかもしれないが
言葉を選ばなければならない。
「なぁ、この惑星ってどこ行ってもこんな喧嘩ばっかりなの?はぁ・・・」
「それは違うでしょ・・・多分・・・」
「ミカエラさんも何処か行っちまったし・・・」
「ところでこの惑星の住人は宇宙の事や惑星の事聞いても
答えてくれるのか?前回のルスランがいた、グリンガム星の人たちは
何も知らなかったように思えるが・・・」
白魔術師・フィン以外は宇宙の事や惑星の事を聞いても
何も知らなさそうだったが、この惑星の住人はどうなのか・・・
そして言葉を間違えれば迫害や攻撃を受ける可能性も考えられる。
FAOのゲームではそうであったのだ。
惑星の住人(NPC)が出すクエストにおいて言葉の選択肢を間違えたり
すると、そこで戦闘が起きたり、クエストアイテムを貰えなかったり
もちろん挽回のチャンスはあるし、もう一度やり直しなどが出来た。
しかしこの惑星、この世界においてはFAOとは少し違う箇所が何点もある。
そこを鑑みると、言葉を選ばなければならないのだ。
しかし、時は進むものであり、迷う時間はあって無いようなものだ。
「皆さん何かお困りの様ですね・・・」
アマデウスは先ほど本を開いて読んでいたものの、テンゴたち5人の困った
表情を見て声をかけてきたのだ。
「あぁ、この街に来たものの何をすればいいか、迷ってるんだ」
「うむ、この惑星の情報が欲しいんだよなぁ~」
テンゴの次に卍暗殺者卍がしゃべったのだ。何かしら自分たちの情報を
しゃべてしまったのかもしれないがそんな事は本人においてはどうでもいい。
「そうそう、この惑星の・・・」
テンゴはここでハッと気づいてしまった。宇宙のとある惑星から来てしまった
とか予想が出来てしまうような内容を卍暗殺者卍はしゃべてしまったのだ。
アマデウスが帝国の人物ではないことを祈りたい。
「あ・・・いや、その・・・この夜の街の情報を知りたいんだよ~、惑星って
ほら、夜に浮かぶ光る星を見るのがこいつ大好きでこの街から見える
星の位置が知りたいそうでさ、もう夜がワクワクでさぁ・・・」
「はははは・・・」
テンゴが急に卍暗殺者卍が口を滑らした事を誤魔化そうとする。
卍暗殺者卍の頭をわさわさと触りながらアマデウスに何とか説明をする。
これで、「別の惑星から来た」とか「宇宙を飛んでます」とか
思われなければいいが、アマデウスはどう思うだろうか・・・
「そうですか、夜の街の情報ですか・・・そうですね・・・この街の外れに
酒場があります、そこならいくつか情報を得られるん
じゃないでしょうか?そう、君たちが望む星の情報もね・・・」
「意外とロマンを持ってる人なんですね・・・ふふふ」
「はい、そうなんですよ~こいつは~~(違う意味でな・・・)」
何とかアマデウスを騙せたのか、逸らすことが出来たのか、ぽろっと
情報が得られそうな場所を教えてくれた。どうやらこの街の外れに酒場が
あるそうだ。確かに酒場なら色々な情報を持っている人が来るかもしれない。
この街の事を知りえるかもしれない。
「(町外れの酒場か・・・行ってみる価値はありそうだな・・・
しかし何か申し訳ないな・・・騙している様で・・・今度謝っておこう)」
今のやり取りを残りの三人はしっかりと聞いていたのだ。
各自町外れの酒場の事は聞いているだろう。
後は、そこに行くかどうかという所だ。
・・・
・・
・