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フリーダム  作者: 清香
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34 二卵性双生児は魔力は普通。でも、聖属性でした。

 オルフェウスが王都の初等学校に入学して気付いたのですが、カーディナル様の教育のお陰で?座学はほぼ学ぶ事が残ってませんでした。オルフェウスはサムソン様が好きで、『サムソン兄様と同じ事を学びたい!』とカーディナル様におねだりして学んでいたせいです。3歳差があった筈なんですが、コレって笑って済ます処かしら?うーん、勉強以外で学ぶとしたら、同じ年頃の子たちと交友関係を学ぶ場?あ、運動関係は残ってましたね。剣技とかも相手が必要ですし。まぁ、図書室で楽しく雑学を学ぶ。でも良いかな?オルフェウスが健やかに過ごせるなら良いでしょう。


 オルフェウスはサムソン様の良い影響を受けているので、『誰にでも優しく接している。』と先生から褒められています。私は妊娠中の為、家にいる事が増えたので、タチアナの様子を見ながら、より良い一歩を踏み出すお手伝いを心がけてます。オルフェウスが学校に行っている間、カーディナル先生を独占出来るので、タチアナも魔法と座学は優秀です。オルフェウス程ではありませんが、タチアナも5歳上のサムソン様と『難しい会話』をしたいらしく、教えて攻撃が凄いです。(笑)

 

 実りの秋になりました。どう見ても、私のお腹は膨らみ過ぎです。夏頃、女神様に挨拶に行った時に、『二人だと思うわ。』と、サラッと言われてましたが、そうか、このサイズが二人分か。と納得出来る大きさです。ライラ母さんは、上の子の時はメリッサ義母様に配慮して産まれた後にお祝いに来てくれたのですが、今回は早くから来て寄り添ってくれています。


 流石に妊娠、出産で魔力を使う事が判ったので、我が家の薬草園に振り撒く余力が有りません。すると、カーディナル先生に監視?を頼んで、オルフェウスとタチアナが三日に一回ですが、魔力散布をしてくれました。それを見たライラ母さんが、『貴族って、こんな事まで出来るんだね!』と驚いています。否、我が家だけです。と言うより貴族の常識が無かった私のせいです。多分。二人が『リルル母様はもっと凄いもの!』と私の代わりに自慢してくれました。ホントにウチの子は可愛い‼︎


 私はオルフェウスの学校の学校祭を楽しみにしていたのですが、運悪く?陣痛が始まってしまったので、見に行けませんでした。嫌がる?クライド様をオルフェウスに付けて、学校祭の様子を見て来てもらいましたが、流石に1年生の発表は大人しく、オルフェウスも私の事が気になって、サラッと流していた。と聞かされた時には、ごめんなさい。と思いましたよ。


 タチアナをスザンヌに預けて、ライラ母さん達と出産に挑んだのですが、3回目と慣れた?せいか安産で短時間で二人を産みました。後産もありましたが、割りと体力も残り、初乳もキチンと二人に飲んでもらえてホッとして眠ってしまった様です。


 目覚めた時は家族全員に囲まれていて、双子は私を挟んで寝ていました。二卵性双生児の男女で、タチアナは『弟と妹がいっぺんに出来たわ。私がお姉様よ。よろしくね。』と大喜びしてますし、オルフェウスも『弟は初めてだね。僕もサムソン兄様の様に慕われる兄様を目指すね。』と三人を見つめています。妹はタチアナが居るから分かるけど、弟に対する態度は違うのでしょうね。


 次男はカルディロ、次女はセシリアと名付けられました。魔力量は一般の貴族並みでした。良かった。…ただ、聖属性持ちなんです。でも、『この世界は聖女様信仰は無いし、教会の力が強い訳でも無いので、心配は無いわ。』と女神様から聞いてます。『ちょっとしたオマケよ。』と笑う、女神様の茶目っ気だそうです。アリガタメイワクなんて言えませんけど。


 友人には一週間程様子を見てお知らせ致しました。マリアン様も妊娠中の為、代理と称したマチルダ様が真っ先に駆けつけて下さいました。『コレでお母様が弟をお産みになっても、マチルダに妹が出来たわ。』と、セシリアの手を握り、にっこりと微笑んでます。タチアナも一緒にカルディロの手を取って、『弟と妹が出来て、私も嬉しいのです。』とお姉様を競ってます。(笑)


 シュナイダー様もチャールズ様に連れられていらっしゃいましたが、詰まらなそうな顔ですね。話題のメインが双子なのも気に入らない様で、いきなり近づいたかと思うと、双子の頭を小突いて泣かせてしまいました。『わ、私が撫でてやったのに泣くなんて無礼な!』と言い訳してますが、叩いてましたよね。それに謝罪も有りません。チャールズ様も、『連れてくるのが早かった様だ。済まない。』とクライド様に告げて、シュナイダー様を引っ張って早々に帰られました。


 因みに、オルフェウスとマチルダ様は友好な関係を維持しているので、書面は交わしていないものの、双方とも婚約者モードです。タチアナを含めた三人、もしくは、サムソン様に付いて歩って四人で行動する事が多く、微笑ましい間柄です。シュナイダー様は、チャールズ様が教育し直ししてますが、ミランダ様の影響が強いらしく、タチアナに対する俺様な態度は変わらず、オルフェウスが居ない所ではタチアナは未だに避け続けています。


 ミランダ様がね、良い顔をなさらないのです。『たかが男爵家の子女の分際で。』と陰でタチアナを蔑むので、シュナイダー様も…。マリアン様情報では、学生時代から憧れていたチャールズ様に庇護?されていた私を『平民の癖に。』と心良く思っていない発言をされていたそうです。チャールズ様には『クライド様が居なければ、親類の貴族に養女に入って身分を整えてから嫁いで…』と言われた事がありましたね〜それが今に繋がっているのでしょうか。


 リチャード様もご両親も爵位で人を見下したりしない方々なのですが、ミランダ様だけ違う思想なのです。伝え聞くに、乳母を勤めていた子爵夫人がミランダ様に『公爵家は貴族のトップですから偉いのです。ミランダお嬢様も何をしても許される立場なのですよ。』と洗脳された期間が長かったのでしょう。子爵夫人の身分を棚に上げて、『私の勤め先は公爵家ですの。お嬢様から一番信頼されてますのよ。』と周囲に威張り散らしている事がバレて辞めてもらったのだそうですが、子爵夫人の思想を見抜けず、辞めてもらうのが遅過ぎたのでしょうね?


 公爵夫人がシュナイダー様の態度をご覧になって『リチャードの出来が良かったから、ミランダも大丈夫だろうと安心し過ぎていたのが良くなかったのかしら?』と、結婚後にチャールズ様に謝罪?されたとお聞きしました。チャールズ様のご家族の指導に頼るしか無さそうですが、難しそうです。


 マチルダ様を連れていらしたリチャード様は、『シュナイダーの態度を見るに、チャールズ様もミランダの教育に苦労している様だな。しかし、あれ程酷かったのか?』と首を傾げていらっしゃいました。そうですね〜学生時代に大人しかったのは、取り巻きの方に傅かれていたからだったのでは?今のミランダ様は公爵家の威光に従わない人も居ると知って、混乱している最中なのでしょうね。しかも嫁ぎ先で肩身の狭い環境になってしまって。甘やかされていた学生時代と違った現実に付いて行けないのかもしれません。でも、ご自分の責任だと思うのですが。


 一応、チャールズ様の顔を立てて、候補の取り下げはしていませんが、タチアナはサムソン様が好きみたいですし、サムソン様も妹の様に?可愛がってくれているんですよね。学生時代になれば今より交流が増えるでしょうし、成人の頃には、本人の意志で決まる事でしょう。


 双子のお祝いに見えたクライド様の同僚や先輩の方々は、早速、連れて来たお子様方を紹介して下さいましたが、婚約のお話しは遠慮させて頂きました。幸いにも、伯爵位迄の方々だったので、ワイマール義父様の御威光に救われました。クライド様のご学友に高位貴族の方が居なくて助かりましたよ。…公爵家と友好を結べる平民がおかしいと言われたら其れ迄ですが。


 驚いた事には、お祝いに来て下さったマーコック侯爵家から『セシリアを養女に貰いたい。』と言う話しが出て、一悶着が有ったりもしましたが、我が家に金銭的な問題がある訳でも無いので、ワイマール義父様がきっちり断って下さいましたよ。双子が聖属性を持っている事は秘密にしてますが、侯爵様が鑑定持ちなのでバレてしまったみたいです。『本人の意志で来てもらう分には反対しないよな?』と、諦めない態度で帰られました。


 サムソン様といらしたマディソン様は『父はタチアナを諦めてセシリアを狙ったのかもしれないが、サムソンの意志もあるからね。最も、年齢的には王家との縁組みを考えている可能性は有るかもしれないな?』と苦笑してました。サムソン様もタチアナの頭を撫でながら『お祖父様の考えは分からないけど、私の相手としては見ていないと思うよ。』とタチアナの隣りを離れません。タチアナに『本を読んであげようか?』と声を掛けると、オルフェウスを連れて本を探しに行きました。


 メリッサ義母様は『お父様の考えは分からないけど、セシリアの可愛さの虜になったのは確かだと思うわ。カルディロも居るし、セシリアならもらえるかも?なんて思ったのかしら?マディソン兄様も、サムソン一人で安心してる場合じゃ無いかもしれないわ。』と、マディソン様を弄ります。


 でもね、仮にタチアナがサムソン様に嫁いで、セシリアが養女に行くと、我が家が侯爵家を乗っ取ったみたいに非難されそうな気がしますけど? もしも⁉︎チャールズ様がきちんとシュナイダー様を教育し直して、タチアナがシュナイダー様に嫁ぐ様な事があったら?その時はセシリアの事を考えても良いかな?とは思いますが、多分、有り得ないと思うのですよね〜


 年が明けて、マリアン様の出産がありました。無事に男の子が産まれ、ジョーンズ様と名付けられたそうです。私の出産の話しを聞いていたリチャード様が、陣痛があったのでマジックポーションを飲ませた。と聞いて、何故?と思いましたが、ジョーンズ様の魔力は高いみたいで、マチルダ様の時より顔色が悪かったのだそうです。魔力が欠乏して命に関わる事も有るそうです!


 確かに、双子の出産の方が魔力を多く使いましたけど、私、ポーションなんて飲んでました?と思ったら、メリッサ義母様が飲ませてくれたのがそうだったみたいです。喉が渇いていたので、気付きませんでした。マリアン様はそんなに魔力が高い訳では無かった様で、『とても助かりました。』とクライド様にお礼を言ってました。せっかく嫡男が産まれたのに、マリアン様が儚くなっては喜べませんから、ホントに良かったです。

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