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フリーダム  作者: 清香
11/38

11 王宮魔術士は思う タブロイド視点

 王妃様に献上されたキラキラとしたアクセサリーが気になって見に行った店に、巧妙に隠されたマジックバッグが売っているのを見つけた。極普通のバッグに紛れて売られていたバッグは、内側のポケットにのみインベントリ小が付与されていて、破格の安さで売られていた。店員に訊ねたら普通に仕入れたバッグの中に数点混ざっていて、工房に確認しても理由が判らなかったらしい。だが、魔法の波動を探ると意外な事に、店内に居た少女に辿り着いた。


 何回か店に行き、買い物をするフリをして耳をそば立ててると、店員と少女は兄妹で、少女は魔術学校を受験したようだ。早速、学校に問い合わせると学科試験はトップ合格で、実技は平民にしては筋が良いレベルと返答された。聞けば、シューマッハ様が後見していたらしいが、奥方が余計な真似をして、平民側から後見を切られたという。まぁ、よくよく聞くと、商業ギルドの後見に無理矢理捩じ込んで得た立場にも関わらず、自分の利益のみを押し付けていたというのだから、店を提供して迄後見しているギルマスのワイマール様が物言いを付け、後見を白紙に戻しても当然だったのだろう。


 因みに、私が気になったビーズのアクセサリーを製作したのもその少女だった。ワイマール様が如何に大切にしているかが良く分かるガードで、彼女の事は余り調べられなかったが、それでも逸材だという事ははっきりしている。


 インベントリが付与出来る。という事は、私と同じ空間魔法のスキルを持っている筈。その一点だけでも取り込むべき人材なのだから。


 私は王宮魔術院に書類を提出して、教師として学校に行き、彼女に接触したのだが、困った事に、彼女は無欲なのだ。皆が憧れる王宮魔術士に勧誘しても、平民を連発して辞退し、認識阻害を使って消えてしまう。流石に私には効かないものの、あの練度の高いスキルは、やはり、王宮に欲しい。


 彼女を説得してもらおうと、ザキュの街に向かい、彼女の両親を訪ねた迄は良かったのだが、私は何をしに行ったのか、思い出せなくなった。何の為に彼女を王宮魔術士に勧誘するのか?彼女の認識阻害のスキルは確かに素晴らしいが、魔術士にスパイ活動は関係無い。と悩んでいると、彼女が、『先生、ビーズアクセサリーやキルティングバッグは、ザキュの街がメインなので、新商品とか、お土産に如何ですか?』と声を掛けて来た。手ぶらで帰るのも…と思い直して、キルティングバッグ等を数点と、ブレスレットを数点購入し王都に帰った。


 ダンブルドア学長に表は革で、裏地に余り見かけない緻密な模様の布が使われたバッグと、深い蒼色の石がアクセントになったブレスレットを土産に渡し、彼女にこだわっていた理由が判らなくなった。と伝えると、学長は、『このバッグはマジックバッグだし、このブレスレットには回復が付与されている。君は、この付与した者を捜して、彼女に付いて行くのだと私に報告していたと思ったが。』と教えてくれた。


 私はザキュに飛んで帰り、彼女の両親に材料の入手先を聞くも、該当者は居なかった。


 疲れた私は王宮に戻り、自分の仕事に戻る事にした。半年溜めた書類の山に、既に疲れ切ってしまったのだが。

今回は短いです。 王宮の設定をまだ決めて無いのと、リルルの進みたい方向に王宮とかお貴族様が浮かばなくて…

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