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十六話 ギルドの中にある施設言いまくるゲーム!

「で、どこ行くの?」


 唐突にそんなことを訊く。

 どこ行くか聞いてないし、知りたいし。


「知らないわよ」


 しかし、どうやらそれについてはエルミルも知らなかったらしい?

 あれ? 誘ったのになんで知らないんだ?


「決めてたんじゃないの?」


「決めてないわよ、これから決めにいくって感じね」


 そうか、それならまぁいっか。


 でさ、と言って。


「このコインって結局何に使うんだろうな」


 俺はポケットに合ったコインを取り出し、太陽にかざす。


「それよね、貰ったはいいけど使い方がわからないとねぇ」


 このコインとは昨日王様からのプレゼントと言うことでエクレアからもらったあれである。

 金一色のそのコインは縁がざらざらとしていて表と裏のどちらにもこの国の王印が彫られている。


 少し中二的な心を持つ俺はこういうちょっとしたアイテムに惚れ惚れとしてしまったりする。

 だって、なんかかっこいいじゃん?


「誰かに聞くとか?」


「まぁ、それが普通よね。じゃあギルドにでも行きましょうか」


「そうだな」


 てくてくてくと、暫くあるくと俺とエルミルはギルドに辿り着いた。


「どこに行けばいいのかしら」


 それは思った。ギルドって完全にこの国の全てを纏めてるから施設がくっつきすぎてもうどこになにがあるのか掲示板を見てもわからない。

 あと広すぎる。


 でも、一つだけわかることがある。


「下級クエストカウンターではないよな」


「さてはメグ、そこしか知らないんじゃないの?」


「なっ、ななんだと! そんなことはない!?」


 なんて失礼な! 俺だって一年はSランクパーティーにいた人間だぞ! 何回も使ってるんだから幾らか場所は知ってる……はずだ!


「最後、ハテナ付いちゃってるじゃない。でもいいわ、他の施設を言ってみなさい」


 突然始まったギルドの中にある施設言いまくるバトル(一方的)。

 もちろん参加してやる!


 ここは無難に……。

 下級があるなら上級もあるはず!


「上級クエストカウンター!」


「確かに、あるわね。次!」


 良かった、使ったことないからないかと思った……。ない訳ないけど。

 で、この流れで上級の次はSランク。

 ここは前のパーティーでよく使ってたからな。


「Sランククエストカウンター!」


「なかなかやるわね。次!」


 ふっ、この程度でなかなかとは、随分となめられたものだな。


 実はここ、以外と広くてがっつり休めるところとかもあるんだよなぁ。

 よく寝てて怒られた覚えがある。置いていったのはあっちのくせに。


「特別休憩所!」


「むむむ、メグがそんなマニアックな所を知ってるとは思わなかったわ……でも、そろそろきついんじゃない?」


 くっ、なんてしてやったり顔なんだ!

 どうにかその顔をぶっ飛ばしたい! しかもいってることが否定できないのが更に悔しい!


 でも、もう俺には何にも思いつかない。どうしよう……神様、助けて!


 俺は心の中で叫んだ。


 すると、声が聞こえた。神様の声だ!

 そして俺は、その聞こえた言葉をそのまんまエルミルに言ってやる事にした。


「エルミル……悪いけど、俺の勝ちだよ」


「へぇ、そこまで言うのならさっさとその勝てると言う答えを言ってみなさい!」


 考えてみたらなんで思いつかなかったのか不思議なぐらい簡単なものだ、誰でも一回はいったことがある場所で、毎日行かないと流石にかの有名なパーティーの人間でも死んでしまうような可能性のある、人類きっての大発明!


 それは──。


「トイレだぁぁぁあ!!!」


 人差し指をエルミルに向け、大声で言ってやった! 

 何故か俺の周りだけ気温が百度ぐらい下がった気がした事は気にしないでおこう。


「じゃ、とりあえずSランククエストカウンターにいくわよ。あそこなら知ってる人いそうだし」


「って! 無視かよ!」


 酷いじゃんか! せっかく言ったのに。


「いきなり、大声でトイレだ! なんていう人とパーティー組んでるなんて思われたくないもん」


 むむっ、正論だな。

 知ったことか! これは勝負の世界だからな、正論もくそもないのだ。


 そうこうしているうちにクエストカウンターの一番左奥にある、Sランククエストカウンターにたどり着いた。


 なんかクエストカウンタークエストカウンター言ってるとクエストカウンターのゲシュタルト崩壊が起きてくる。


「あのぅ、すみません。これって何かわかりますか?」


 エルミルがポケットから出したあの金色のみコインを受付嬢に手渡す。

 すると直ぐに受付嬢は答えた。


「ええ、これは世界通行許可証ですね」


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