表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/48

貴女を知る5

「ねぇ、そのおめめ、何か怒ってる感じがするのはどうして?私、何かいけないことをした?」

―いや、ちょっと嫉妬しただけだから。俺の触手が君に触れているのを。

ユイは、年齢のわりに人の奥底の感情を読み取るのが、異常に正確だ。ズバリと言われて焦ったぐらいだ。

「ねぇ。どうして、焼きもちを焼くの私に?」

―それは、ユイのことを好きだからに決まっているからじゃないか。

そして、自分に対して興味を持っないのか、はたまた、自己評価が低いのか、自分のことをよく言われてもよく分からないみたいで、純粋に誉めると、

「えへへ.....そんな風に言われたことが無かったから。それに好きな人に好きと言われて何だか嬉しいな。」

うつむきながらも顔を赤く染める貴女は、ものすごく可愛い。そして俺の中で永遠にいて欲しい。

「?ねぇ、怪物さん。おめめから手が出てきてるけど、これは、何?」

―大丈夫、君に危害を加えるものではない、君をこの目のなかに入れたくて出てきたものだ。

「おめめから手が出て来るなんて変だね。ふふっ。そのおめめのなかって、私は、溺れちゃうんじゃない?」

―確かに中は液体だが、君が溺れるわけがない。そもそも、俺がそんなことさせない。

俺のことに関して、何でもOKな貴女。普通なら、怖さを感じてもおかしくない筈なのに。あなたがしたのは、事実確認。俺は、貴女があっさり受け入れる理由を知りたい。

そんなことを思っているうちに、手は、貴女を包む。暗くなる視界も彼女は、寧ろ背中を預け、目を閉じる。

手は、どんどん短くなっていき、そして目に波紋が広がる。その波紋が、なくなると同時に、目は閉じていく、貴女を永遠に閉じ込める檻の扉のように

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ