出会いと受諾
ここは、何処だろう?確か私はグツグツのお湯を保護者にかけられ、そして花瓶で頭を......
死んじゃうことを覚悟して目を閉じていたらどこか別の場所へ飛ばされたみたい。私は今、天国にいるのかな?
周りには、私の知らないお花や木があった。火傷や、あざが痛いけど、我慢して立ち上がる。
私は、葛城由依。8才。俗に言う虐待というのを保護者から受けていた。その二人、特に女は酷く私を苛めてきた。いくらお前を生んだと言われても、私はお前たちを親と言わない。それでもやっぱり、周りの暖かい家庭は羨ましかった。どうして私だけ.......。そんな思いで今まで生きてきた。でも、もう私を悩ませるあれらはいない。でも、どうやって生きていけばいいのだろう?私には、義務で通う学校があった。恐らく、ここには、無いだろう。私は、今まで、希望や夢を持たずに生きてきた。だから、一人で生きる生き方を知らない。悩んでいると、奥の木々から何か巨大な物が接近してくるそんな地響きが聞こえた。私は、近づいてくる何かに殺されるのかな?それでもいいや。でも、死ぬときは、痛くない方がいいな。段々と地響きは大きくなっていって、そしてそれは現れた。全身真っ黒で、歯は、草を食べるようなのと違う。目は三つある。二つは、その顔に似合う真っ黒な獣の目をしていて、その二つの真ん中の上にある目は深い綺麗な赤色で人の目を縦に開いた感じに見えた。その3つの目が私を捉えると、ゆっくりと近づいてくる。でも怖くなかった。そして怪物の鼻先がわたしにくっつくぐらい近づいた。
―君は、僕が追いかけていた子と違うね。
頭のなかに声が響く。
―ねぇ。君の名前を教えてよ。
「葛城由依。8才」
―そうなんだ。僕は、ブラッド。君と同い年だよ。宜しくね。
「よ、よろしく......」
思わぬ展開に戸惑う私、そんな時、風が吹く、先程の火傷が一瞬、痛んだ。
「っっっつ!!」
声になら無い痛みにひきつる私に、
―ユイ。怪我してるね。治してあげるよ。
そう言ってブラッドは、舌を伸ばしてわたしの身体中に巻き付けた。彼の舌はヒンヤリして気持ちよかった。
「有り難う。」
―気にすること無いよ。
そう言って、彼は私に巻き付けた舌をほどく。怪我や火傷をしたところを触ってみる。ホントに治っている。
改めて、お礼を言おうと、顔をあげると、目を見開き驚く彼がいた。
―ね、ねぇ!!
「な、何?」
余りの勢いにお礼をいい損ねた。
―僕のお嫁さんになって。僕が、君をずっと守るから。
¨僕が、君をずっと守るから。¨
その言葉に、私は、涙を流すほど、嬉しかった。だから私はこう答えを返す。
「うん。これから宜しくね。怪物さん。」
葛城由依。8才
将来有望な見た目のために、両親に嫉妬からの虐待を受ける。そのせいか大人の皮を被った子供になる。基本的に動物は何でも好き。そのため、ブラッドを見ても怖くなかった。因みにネーミングセンスは壊滅的。ブラッドの呼び名は怪物さん。
ブラッド
とある、ゲームでラスボス兼裏攻略対象者。本来なら、追いかけていた女の子を誤って殺した子とがきっかけでラスボスになる筈なのだが.......
善意でユイを治せば、ド直球の好みの姿になりすぐさま告白する。ゲームでは、別名¨狂愛の魔王¨