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ヴァンナード① Card・game・タロット
――――王にふさわしいと思う王子を選定すべく私はひとまずヴァンナードと話をしてみることにした。
「デッキ破壊のブルー!呪撃のパープル!」
ヴァンナードは遊戯室で、テーブル遊びをしている。
しばらく眺めていると、ようやく気がついたのか、驚いてカードをばらまいた。
「……もうしわけありません!」
「いえ、あまり待ってはいないので」
「私に何かお話ですか……?」
意外そうな顔をされるが、ちょっと嬉しそうに表情を和らげた。
「はい」
「と申されましても……私は本を読むくらいしか趣味のないような、つまらない男です」
―――面白かったけれど?