第一話 出会い
慎也と愛華は同じ名前ですが、演劇団長とは関係ありません。
短い連載になりますがよろしくお願いします。
学校帰り外は雨が降っていた。朝はあんなに晴れていたのに水しぶきが見えるほど強い雨が降っていた。
「不味いな」
「慎也どうするよ」
「コンビニよるか、じゃあな誠」
悪友と別れた俺はコンビニまで走り傘を買い遠回りの帰宅をすることになった。
まったく、雨なんて嫌いだ。服は濡れるし洗濯物は乾かないからな。
帰り道の途中で愛媛みかんのダンボールを見つけた。
もしやと思ったが思ったとおりだった。中には新聞紙とびしょ濡れになった子猫が一匹入っていた。
箱の隅の方には給食に出るようなパンが置かれていた。
その横にあるメモを俺は広げた。雨に濡れ読みにくいが要点は分かった。
『この子達を可愛がってあげてください』だ。
この子達?と中を見るが一匹しかいない。新聞紙の下を見て見たがいない。どうやら他の猫は連れて行かれたようだ。つまりこいつは売れ残りみたいなものか。
「不運だったなお前」
撫でようとしたら噛み付かれた。子猫のくせに威嚇は強く感じさせた。拾われなかった理由が分かる。
「それじゃあな。いい人に拾われろよ」
傘を置いて走って帰った。あれだけ強気な猫ならなんとかなるかもと根拠の無いことを思っていた。
「ただいま」
家に帰るが誰もいない。親はそろって海外で働いている。
俺の世話は親戚の人に頼んであるそうだが一度も顔を見たことない。
生活費は大量に送られてくるので生きていくのには困らない。
よく『大変だね』とか言われるが慣れてしまえばたいしたことない。
唯一困ることは風邪をひいたときぐらいだ。咳をしてもなんとかを聞いて涙が出てきたほどだ。
一人で家事をこなすことはなれている。
てきぱきと夕食を作り始めた。が、メインのパスタが無かった。
下準備が済んでいてそれは不味い。渋々パスタを買いに外に出ることにした。
外は雨ではなく雪が降っていた。ここ数年見ていないので少し感動した。
近くの店で目的のものを購入した帰り分かれ道で立ち止まった。
真っ直ぐ行けば家なのだが曲がればさっきの猫のいる場所に行く。
たぶん、いや絶対いる。そんな確信があって見に行くことにした。
愛媛みかんのダンボールは薄っすらと雪が積もっていた。
置いていった傘がなくなっていた。
あれならどこかにいってしまったかもしれない。
だが、中には白く染まり始めた新聞紙に包まれた子猫がいた。
「まだいたのかよ」
俺はただ立ってそれを見ていた。
死んでしまったかのようにじっとしている。
小刻みに息をしているのがお腹の動きでわかるだけでそれだけが生きている証拠だった。
「どうして他の所にいかないんだ」
答えることなんて無いがしゃがんでその猫を見ていた。
他の兄弟は連れて行かれたのに自分だけ残されたこいつは何を考えているんだろう。
哀れみではない。まるで自分を見ているようだ。
「お前も一人なんだよな」
手を伸ばすとやはり噛み付かれた。
だけどさっきより弱弱しく噛み付くというよりしゃぶっているかのようだ。
今にも死んでしまいそうに弱い。
箱の中は白くなってゆきこいつの小さな天国となろうとしていた。
「たく、しょうがねえなあ」
愛媛みかんの家ごともって帰ることにした。
ジャンルは恋愛となっていますがとても柔らかくて淡い恋愛なので分かりにくいと思います。




