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【詩集】射してくる夜明けの光

【詩】花のことば

作者: につき

きれいな花ですねと、

ほめる人がいた。


わたしはここですと、

黄色い花が

顔を向けている。


流し目でみながら

青い花が

凛としている。


ぽってりと微笑んで、

赤い花は

空を見ている。


ほんとうは、

ほんとうは、

そんな色ばかりでなくって、


黄色と青の花や、

青くて赤い花や、

黒い花や、白い花や、

もっと、もっと。


そうして

そこに雨がふったなら、

雫の珠は

宝石のように

花を飾り立てる。


雨上がりの

太陽が光を与え、

植物たちが

大きく深呼吸すれば、

さっきまでの蕾も

おとなの花になっていく。


花たちは

風に薫りをのせて、

沈黙で語り掛ける。


春はなんにも答えずに、

ぼうっと長けた横顔で、

川のみずに

花びらを浮かべて、

夕陽のほうへ

どんどんと流していく。


花びらは夜を流れて、

朝の国へでて、

また同じことを

語るけれど、

もう誰も

聞いてはくれなかった。


「きれいなだけの花って、

 どこにあるのですか。」

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― 新着の感想 ―
[一言] 雫の珠は 宝石のように 花を飾り立てる この部分がとても美しくて目が吸い寄せられました。 (ほ、宝石に目がくらんでいるわけでは……° ▽。) 花を綺麗だと言うのは何となくのイメージで、一…
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