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会議後の雑談からの

(やっぱりおかしいだろ)

 昼休み、湧哉の頭の中は奥崎と阿良田のことでいっぱいだった。

 あの後、阿良田の言葉を最後に誰も口を開かなかった。阿良田が去り、西谷に教室に帰ろうと声を掛けられ湧哉もそのまま購買を出た。俯いて押し黙った奥崎を一人残して……。

 湧哉には奥崎と阿良田のやり取りがどうにも腑に落ちなかった。阿良田が指摘した奥崎の行動。そのやり方がおかしいことは湧哉が身を以て知っている。だからこそ、自分と奥崎以外の人物に知られていることが不思議でならなかった。もちろん湧哉は誰にもこのことは話していない。となれば阿良田に話したのは奥崎か。

(それにあの態度はただの先生と生徒って感じじゃなかったよな)

「畑原君」

(いくら奥崎先生が部活の顧問でもああいう風にはならないだろうし)

「畑原君?」

(そう言えば仲悪いんだったっけ。でも自分でルールの中でーとか言ってたくせにあの態度は矛盾してないか……?)

「畑原君! 聞いてる!?」

「え?」

 頭の中に浮かんでくる疑問に気を取られ過ぎて澤に話しかけられているのにさっぱり気が付かなかったのだ。

「な、なんだけ?」

「会議中もなんかぼーっとしてたし、調子悪いのかなと思って。具合悪いなら保健室行く?」

「いや、ちょっと考え事してただけなんだ。気にしないでくれ」

「そう? ならいいんだけど」

 今は昼休み。文化祭会議の帰りだ。二人は中央広場の階段を下りている。

 内容は各クラスでの意見合わせだった。揚げ物をやろうというクラスは他にはなかったため早めに抜けることができたのだ。まだ十五分ほど昼休みは残っている。

「この後は何かやることあるのか?」

「私は井ノ瀬先生に報告してこないと。帰りのホームルームでクラスにも報告しないといけないから。畑原君は先に戻ってっていいよ」

「お、マジか。それじゃあ先に戻ってる」

「うん」

 その後、二階に降りてくると澤は職員室へ、湧哉は教室へ戻った。


 湧哉が教室に戻ってくると、彼の席には悠が座っていた。

 悠は教室に湧哉が入ってきたのに気が付くと席を立って机の横に立った。

「早かったね」

「あー、なんか被らなかったから先に抜けてきたんだ」

「フーン。他のクラスは何するって? 面白そうなのあった?」

「いや、これといってはなかったと……思う」

「……。話聞いてなかったんでしょ」

「そ、そんなことはないぞ!」

 ズバリ言い当てられた湧哉はごまかそうとするが全く効果がない。悠はやれやれと言った風にため息をついた。

「仮に何かあったとしてもお前忙しいだろ」

「年に一度の文化祭だよ? 楽しむところは楽しむよ。先に話が聞けたら予定組めるかなと思ったけど……。澤さんが帰ってきたら聞くよ」

「あ、そう……」

 てっきり討論会へ向けてみっちり予定が詰まっているのかと思いきや、悠は文化祭としての行事も満喫するつもりのようだ。ということは自分にも文化祭を楽しむ時間ができるかもしれないと湧哉は少し期待したが、逆に言えば文化祭までにすべての用意を整えなければならないということなのだが、それには気付いていなかった。

 食事も済ましてあるのでいつも通り奥崎の課題に取り掛かろうと机にプリントを広げたのだが……。

「ねえ、畑原君」

 クラスの女子に名前を呼ばれた。普段は話しもしないというのに。

 平和に終わるかと思われた昼休みだったがそうもいかないようだった。

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