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マジカル・トランス・ファンタジア~異世界で魔法少女爆誕しました~  作者: 黒船雷光


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第二話:ピュアピュア・ベジベジ・ラブリーコン! ~魔法と野菜と村と僕~

「ようこそウィロウホルム村へ」

 村長のあいさつに始まり、村人たちの歓迎ムードに少し驚く。


「転生者様のお名前は?」

「えっと…天野 悠真です」

「ユーマ様ですな」

 勝手に省略されたぞ…


「そこにソナタから離れぬ少女は、これまでこの村に出没する迷惑ゴブリンでしてな…我らとしても殺生は避けたかったものの、なにせ畑のモノを勝手に持ち去ったり、荒らすものですから困りましてな…」


「ゴブリナは、悪い子じゃないもん!おなかが空いていたから仕方ないもん!」

「そういう事情なのは我等とて分かっていても、勝手に荒らされては困る。しかも話はこれまで通じなかったので…」


「それで、僕が召喚されたのかな?」

「女神の教会にて祈禱いたしました…願いがかなうかどうかは賭けでしたが」

 照れくさそうに村長が言う。賭けって…召喚ガシャみたいな感じか?

 僕は抽選で当たったたわしみたいな扱いなんだろうか?

「そうなりますな…かような珍妙な格好をされている御仁が突如村の中心部に現れましたので、まず間違いないかと…」村長は立派な口ひげを撫でながら頷いているが…珍妙ってこのスーツのことか?


「それで、彼女…が美…少女になったら何が解決なんだろうか?」

「いやもう、美少女助けるのに村の男たちは理由など設けますまい…眼福ですからいくらでも」


 ええ…それって…何だろ…あまりいい聞こえ片しないなぁ…性的搾取とか考えてそうな…

「ああ、いやこの村には他にも年ごろの娘はいますから、そんな見てくれが良いとか、零れ落ちそうな胸や生足など」

 完璧にアウトじゃねーか!まあわかるけど。いまだにオレの腕にだっこちゃんみたいにしがみ付く美少女は怯えて半泣きだが、この世のものとは思えないタプふわな胸がオレの腕に当たっていておれも姿勢が悪くなる…じゃなくて…


「おい、ゴブリナ。おまえ、この村での悪さを反省しているなら身体以外で奉仕するなり労働で恩返しをすべきじゃないのか?」


「え…あ、はい…わかりました!マスターが言うなら!!」


 ようやく僕から離れた彼女は、集会所の横に放置されていた育ちの悪い間引かれたきゅうりやトマトをテーブルの上に運んできて、見えそうで見え無さそうなフリルスカートを可憐になびかせて謡う。


「ピュアピュア・ベジベジ・ラブリーコン!」


 何だか変に頭に残るフレーズの呪文を唱えると、人どころか家畜のえさにも躊躇しそうな萎びた野菜がポポンと弾けると、通常の野菜よりも一回り大きく瑞々しい姿に変化した。


 それを見ていた村民たちは驚きの声を上げる。

「おお、コレは凄い!!今年は特に収穫が厳しく、こんな育ちの悪いのが多かったのでな!これなら、彼女の存在価値はもう村の宝と言っていい!」村長興奮で大喜び。村人たちも変化した野菜を切ったり食べたりしてその味も含めた完成度に色めきだっている。


「いやぁ~良かった、ユーマ様のお陰と言えるでしょう!小麦粉3キロを捧げたことはある」

 安っす!僕の対価って立った小麦粉3キロとか…ええぇ…そんなんで呼ばれちゃうわけ…


「あ、あの、村長さん?」

「何でしょうユーマ様?」

「僕って自分の世界に帰れるんでしょうか?」

「え?…あ、いや…ははは…どうなんで…あーいや、帰れると思います…多分。女神さまの思し召しで」

 おいおい、目が泳ぎまくっているケド…


「どうですマスター!私役に立ちますよね?!」

「まあ、時期限定な感じはするけど、役に立っているから村から追い出されたりはしないんじゃないかな?」

「きゃっほーい!マスター大好き!うれしい!!」とまたオレの腕にその胸を押し付けて抱きつく。

「ちょ、やめてくれ…」

「えぇ…マスターゴブリナが抱きつくといつも前屈みになりますが…お嫌でしたか?」

「嫌とかそういうんじゃないけど…ほら、親しき中にも礼儀ありって奴だ」

「村に居場所を作れるように計らってくださったのはマスターですから、ゴブリナはどんなご奉仕だってしちゃいますよ!」

「いや、ちょっと待って、僕も一緒にずっといるような雰囲気出してくるけど、僕は家に帰りたい」

「ええぇ~ヤダ、ゴブリナグリーンはマスターと一緒でないとイヤです」


「まあ、ユーマ様、幸い週末には教会の司教様が巡回でいらっしゃいますから、その時に司教様からご帰還の方法をお尋ねされるといいのではないでしょうか?」

 あーこりゃ問題の先送りと責任転しているぞ…参ったな…食パン一人前程度の小麦粉で呼び出されたんだから、そのくらいで帰れるのだろうか…


「それはでは、ユーマ様、この集会場の二階は簡素ですが個室があります、そちらのご逗留いただければ、宿代も取りませんので今後のことを決められては如何でしょうか?ゴブリナさんは…」

「私もマスターと一緒に泊まります!」いや、ちょっとムリでしょ…


「ゴブリナちゃんはウチにおいで」

 騒ぎで集まって来た村人の中にちょっと立派な体格の女性が現れる。

「製粉所のマリーだよ、夫婦でもない健康な男女が一つ屋根の下なんてよくないからね」


「ええぇ…ゴブリナマスターになら純潔もささげられますぅ~」

 その魅力的な提案には、一瞬心動かされるが、この美少女変身前はゴブリンだったのだ…

 やんごとなき関係になった後に変身解けたりしたらヤバイ。


「マリーさん是非お願いします…」「ええ!マスター酷い!」

「大丈夫よ!そんなに遠くないから」「別に置いて逃げたりしないから…」

 逃げるったって行く宛なんか無いしな…しばらくこの世界から帰還する方法を探さねば。

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