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レベル1の最弱勇者 ー僕だけレベル1のまま、四人で魔王城の最奥へ挑む物語ー  作者: 直助
第四章 魔王城・決戦

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そこまで来ている

 魔王城から戻って、数日が過ぎていた。


 


 朝のギルド。


 人の出入りは、いつもと変わらない。


 依頼板の前には冒険者が集まり、受付の声も淡々としている。


 


 ただ。


 

 掲示板の一角が、更新されていた。




 ――討伐記録。


 視線が、自然とそこへ向く。


 


 魔王の間。


 全滅。


 


 短い記述。


 装飾も、言い訳もない。


 


「……また、か」


 誰かが、小さく呟いた。


 


 ヒナタたちは、何も言わない。


 名前を確認することもしなかった。


 

 ただ。


 

 確実に、一組減った。


 それだけが、残る。


 


 その日から。


 四人は、依頼をこなした。


 


 討伐。


 掃討。


 危険区域の確認。


 



 数日。



 数をこなす。


 強さを、積み重ねる。


 


 次の依頼は、町の外れ。


 ステラの小屋があった方向だった。


 


 道を進む。


 見覚えのある場所。


 


 だが。


 

「……」



 小屋は、もう形を保っていなかった。


 柱が折れ。


 屋根は落ち。


 壁だったものが、斜めに沈んでいる。


 


 周囲。


 獣。


 数体。


 


 いや。


 群れ。


 


「……この辺りも、もうだな」


 ヒナタが、低く言う。


 


 戦いになる。


 数は多い。


 動きも、重い。




 勝てる。



 だが。


 想定より、硬い。



 連携は崩れない。


 だが、削るのに時間がかかる。


 最後の一体が倒れる頃には、呼吸が少し乱れていた。


 


 ステラは、崩れた小屋を一度だけ見た。


「……本を、運んでおいて良かったです」


 声は、静かだった。


 感情は、乗せない。


 それで十分だった。


 


 森へ入る。


 奥へ。




 獣が、出る。


 また、出る。


 数が、明らかに増えている。


 質も、変わっている。



 勝てる。


 だが。



「……楽じゃねぇな」


 ヒナタが、短く言う。


 


 ギルドへ戻る。



 報告。


 

 受付の表情が、わずかに曇る。


「……やはり、ですか」




 周囲でも、声が上がっていた。


「境界が、前に来てる」

「森の浅い場所に出始めた」

「廃墟も、危ない」



 不安。


 だが、混乱はない。


 


 まだ。


 耐えている。


 


 

 ヒナタたちは、言葉を交わさない。


 

 ただ。



 時間が、減っている。


 

 それだけは、全員が理解していた。


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