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05「ユウジロウオーディション」

 ショパンとラフマニノフはユウジロウのオーディションに来ていた。


 三千人近い応募者の中にショパンとラフマニノフはい

た。


ラフマニノフ「ユウジロウや。俺達は地球でも超有名な音楽家だった。だから、オーディションなんかしなくても合格にしてくれるだろう??」


ユウジロウ「ちゃんとオーディションに参加して正式に受

からないと駄目だよ。あんちゃん」


ショパン「そうですよね。僕達だけを特別扱いしたら、格下の参加者が可哀想ですよね」


ユウジロウ「格下ってなんだよ。君たちより偉大な人たちが

来ているぞ」


ベートーベン「ワシたちのことかな??」


ラフマニノフ「ベートーベンとモーツァルトも来ていたのか。こりゃ大物だ!!」


モーツァルト「ショパンはピアノー傾倒。ラフマニノフは私

のまさに格下。相手にならないね」


ショパン「決めつけるなよ!!」


ユウジロウ「君たちクラシック映画音楽専用のポストを用意している。しかし、2人までだ。ぜひ、合格してくれ!」


ラフマニノフ「クラシック映画音楽専用ならショパンは受か

らないかもな。よりオーケストラの使い方が重要になるから

な」


ショパン「審査基準はどんな感じなんですか??」


ユウジロウ「ピアノオンリーでも大丈夫だ。映画を彷彿とさせる音楽が何より重要だ」


 こうしてオーディションは開幕した。


 映画「男たちの魂」という戦争に行った男の生き様を曲にする。


 結果、ラフマニノフとベートーベンが採用された。クラシック専用の作曲家たちは他にも30人ほどいたが、この二人は別格だった。ラフマニノフは特にトップ合格した。ラフマニノフの超絶技巧とベートーベンの力強い旋律がピッタリ映画のイメージに合ったようだ。


ショパン「なんで僕のピアノ協奏曲は採用されなかったんで

すか?? 悔しいです。今までたくさん作曲して腕を磨いてきたのに!!」


ユウジロウ「ショパンの場合、怒りを感じる旋律が全くなかった。あと、オーケストラが目立たないところは変わっていなかったな」


ラフマニノフ「残念だったな。ショパン!!」


ショパン「きーーー悔しい」


ユウジロウ「モーツァルトはこの4人の中では最下位だった

な。2位ベートーベンで3位ショバン。4位がモーツァルト

だったからな」


 モーツァルトは鼻水を垂らし、呆然としていた。


モーツァルト「なんでだ?? でも、ラフマニノフベートーベンショパン私のワンツースリーフォーフィニッシュは凄いよ。本当に。こんな偶然あるのかな??」


ユウジロウ「しっかり審査し、、評価した結果だからな。。特に俺と交流のある君たちだけを特別扱いしたわけじゃない。モーツァルトは4位だ。明るすぎる曲想じゃ、この映画のイメージに合わないんだよ。戦争は明るいだけじゃだめだ。君には暗い陰鬱な怒りの作品もあるが、、それをもう少し表現していれば、、1位も夢じゃなかったよ」


モーツァルト「最初は明るい曲想から、徐々に暗い哀しみの深い雰囲気にしていったじゃないか!! 最初は幸せだった人が戦争により不幸になっていく上がり下がりを出したんだが……」


ユウジロウ「光と影のバランスが未熟だった。最後の暗いメロディーから、、また、戦争から解放された喜びを明るいメロディーで表現できていればな。君は曲の多さよりも少なくてもいいから曲の質を高めよう。ショパンとモーツァルトがくっつくとどうなるかな……」


ショパン「モーツァルトとくっつくのは嫌だよ?? 僕はラフマが……」


ラフマニノフ「これからも一緒だから安心しろ。ここまで愛されちゃ照れるな……」


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