11「ゲームセンター」
霊界で最も人気なゲームセンターに来ていた。
ショパン「ゲームなんてあまり興味ないんだけどなー」
ラフマニノフ「勝負の面白さにいい加減目覚めなさい」
ショパンはラフマニノフに誘われ、ポーカーゲームをやった。
ラフマニノフは開始5分でロイヤルストレートフラッシュを出した。
ショパンは開始20分でファイブカードを出した。
ラフマニノフ「ロイヤルストレートフラッシュは5種類のカ
ードからなる最高位のハンドだ。ファイブカードは1種類の
カードからなる最高位のハンド。ピアノー色に染まってい
て誰も追いつかないレベルのショパンにはうってつけだ
な。一種類のカードしか使わないのがピアノ曲しか作曲しな
いという共通点があり、ピアノ曲においては1位だし、ファ
イブカードはポーカーゲームの1位の手だからな」
ショパン「君の出したロイヤルストレートフラッシュと僕の
ファイブカードはどっちが上なの??」
ラフマニノフ「ファイブカードはロイヤルストレートフラッ
シュより強いとするルールが一般的だが、ワイルドカード、
つまりジョーカーを含まないロイヤルストレートフラッシュ
はファイブカードより強いというルールが用いられる場合が
ある。俺のはジョーカーを含んでないし、ここのゲームセン
ターのルールでは俺の手のほうが強いみたいだな」
ショパン「ファイブカードのほうが強いんでしょ?? じゃあ、僕の勝ちだよね」
ラフマニノフ「話聞いてたか?? その時のポーカーのルールにより若干、変わる。このゲームセンターではファイブカードよりジョーカーを含まないロイヤルストレートフラッシュのほうが強いという設定なんだ。だから俺の勝ちだ。それに、俺はショパンより15分早くこの手を出した。総合的に見て、俺の方が難易度が高いことしたから俺の勝利でいいな!!」
ショパン「キーーーー!! 悔しい」
2人は音楽ゲームコーナーへと移動した。
画面に出てくるピアノの鍵盤の指定された場所をどれだけ正確にミスなくタッチできるかを競うゲームがあった。
ショパン「これは僕たちが弾いたことがないものを選択し
て競おうよ。じゃないと、得意な曲だけ選んで、ノーミスで弾けても全然不公平だし自慢にならないしね」
ラフマニノフ「ゲンのアイデアって曲にしよう」
2人が聞いたことはあっても、弾いたことはないゲンのアイデアをどれだけ初見でノーミスで弾きとおせるかのゲームではラフマニノフに軍配だった。
ラフマニノフ「まだまだだな。精進しなさい」
次は絶対音感をピアノで競うゲームだった。
ラフマニノフは3つの和音くらいはどの音か聞き分けられたが、ショパンは8つの音を正確に聞き分けた。ショパンのほうが上手だった。
ショパン「これで2対1で君が優勢だね」
最後は30分の間に初めて見る楽譜をどれだけ覚えてピアノで正確に弾けるかを競うゲームを実行した。
これはショパンに軍配だった。
ショパン「やっとラフマと引き分けだー」
ラフマニノフ「お前忘れてないか?? この曲はお前が生前、作曲したポロネーズだろ??」
ショパン「えっ?? そんなわけないよ。曲名には雪国の悲哀って書かれているけど……」
ラフマニノフ「ハハハ。引っかかったな。俺が曲名を変えて、覚えているか試したんだよ。さすがに200年前の曲だから、自分の曲でも覚えてなかったようだな。まあ、今のはただの練習だ。これから本番だぞ。今度はしっかりと俺たちが知らない曲で行く」
ショパン「なんか、疲れた……ラフマ……なんでそこまでするんだろう。でも、君に勝ちたいから本気出すよ。ラフマも本気出せよな」
ラフマニノフ「もちろん」




