空が青い雲がある
空が青い、雲がある。自分の血管が好きだ。
飛行機雲があれば、その途切れるまでの軌跡を追う。まるでいなくなったように鮮やかに姿を消すその白は、きっと真っ白になってしまったし、もしかしたら、見えないだけなのかもしれない。
馬鹿みたいに白い鳥は、田んぼで悠然と歩いていて、馬鹿みたいに自由でのんびりしている。
あいつらは、群れなくて馬鹿みたいに目立つ。
電柱の先の細い電線に無数に止まる鳥達が夕方頃、一斉に飛び立てば、其れは綺麗な紙飛行機のように優雅に旋回し、乱れなく飛んでいく。
カラスが地上に降り立てば、何かを啄み、訳知り顔で、馬鹿にされ、頭上にいれば高みから笑われる。
さっきまで思っていた事は、閃光のように脳裏の底で花火となって消えていく。
大きく綺麗な橋の欄干から、人々は夏の夜空に浮かぶ花火を見上げている。まるで知らない人達の群れの中で、あの人を探すように長く続くその光景を背景として通りすぎていく。