89話 協力者
ショールット王国滞在二日目、俺とノクリスは昨日のレジスタンスたちの拠点に向かった。もちろん、服装は質素なものにし、人目につかないようにした。ノクリスの耳はどうしようもないから、王城の部屋に剣を出現させて、目が見える状態になってもらった。これで少しは目立たなくなるはず。ほかの三人+副第一師団長+第二師団のメンツは、王族たちに隙を作らせるための準備をしている。まさか、国家転覆を図ることになるとは。俺は昨日の路地裏の前で止まった。「ショウさん。」ノクリスが言った。あぁ、分かってる。見られている。おそらく王城を出るときから。ここまでしっかり監視してくるのか。、なら、。「ノクリス、巻いて捕える。」「はい。」俺たちは路地裏に入り、曲がり角を曲がったところで止まった。体制を低くする。しばらくして俺は曲がってきたやつの足を払った。そいつは受け身を取り切れずに転がった。ノクリスがすぐに腕を魔法で作った鞭で縛った。「さて、なんのつもりでしょう?」そいつに対してノクリスは言った。、、返事がない。「誰の命令だ?」、、俺の言葉も無視された。「隣国の重役に対して監視及び尾行を行い、個人の領域に立ち入ったこと、どのような問題に発展する可能性があるのかを正しくご理解されていますか?と、ヘリオートス王国王都近衛騎士団第二師団長、マーキュレン・ノクリスがそういったと、あなたの主、ショールット・スレード王へ伝えなさい。もちろん、この国の法律で裁いた後ですが。」ノクリスの言葉を聞いた刺客は、一瞬顔を上げた。自分の雇い主を言い当てられたからだろう。でも、多分今のノクリスの言葉はカマだな。「やはり、そうですか。」ノクリスは納得したように頷いた。「さて、この国では暗殺、及び暗殺未遂についての法律は、被害者の独断で決められるようですね。では、」ノクリスは大剣を1本出現させた。剣を見た瞬間、刺客は騒ぎだした。「待ってくれ!殺さないでくれ!命令されただけなんだ!たのむ!」「失礼します。」ノクリスが大剣を片手で持ち、振り上げた。そしてすぐに振り下ろした、が、その剣は途中で止まった。刺客の周りを、結界が囲んでいた。「どうかその者を許してはもらえないでしょうか。」背後から聞こえてきた声と足音に俺の注意は向けられた。細い路地の向こうから、誰か近づいてくる。暗いけれどその人の金色に光る魔法陣だけははっきり見えた。「なんのつもりでしょう?」ノクリスが言った。「皆この国の王に怯え、王の命令をそのまま聞くしかないのです。逆らえばその者の家族は皆串刺しにされ、晒し者とされます。もちろん、ただで許せとは申しません。あなた方レジスタンスの存在を王に黙っておくということをお約束いたします。」フードをかぶっていた。たいてい、フードをかぶっている奴は怪しい。「フードを取れ。」俺が言うとそいつはフードに手をかけ、後ろに引いた。「この国の軍の司令部のまとめ役をしています。シーグレッド・サーレン、と申します。サーレン、とお呼びください。」俺はピンときた。シュリードの言っていた数少ないまともな幹部の名前だ。ノクリスもピンときているようで、頷いた。すると刺客の周りの結界が消え、そいつはすたこらさっさと逃げていった。それを見届けたノクリスは振り向くと、「あなたはいつからレジスタンスの存在を?」と返した。「だいぶ前からです。」即答された。「なぜ隠しているのですか?」ノクリスの問いを聞きながら、サーレンは抜きかけていた剣をしまった。「あなたがたもご存じの通り、先代王からこの国の政治は終末に向かい始めました。国民は高すぎる税に苦しめられ、給料は安く、ろくな生活も営むことができない。しかし王族は次々に無理な法律を作っていく。いつしか我々王族の側近のような者たちも王族から離れていきました。そして今もなお、その無理な法律の作成は終わっていません。何か少しでも王へ反抗心を見せればその場で虐殺、その家族も同じく虐殺。恐怖政治でしかありません。ある時まで毎日のように広場では処刑が行われていました。処刑官は罪もない人を殺すことに計り知れないほどのストレスを感じ、今は宿の一部屋にこもり切っています。彼はとても優秀な人でした。あの王族は、人々の豊かな生活を踏みにじり、壊しただけです。私にはそれが許せない。国のトップであるはずの者が、支えてくれる者たちをただの金づるとしか思っていない。そんな王に私は忠誠を誓ってはいません。黄金期を作り上げたあのオルフェン王が帰ってきてくれることを信じて、革命の火種を消すつもりはありません。」オルフェン?どっかで、、。「そうですか。、、近いうちに騒ぎを起こします。国民の信頼のある王族なら対応できるでしょうが、この国の国王では難しいでしょう。」ノクリスは無表情で言った。「革命の日はもうそこまで来ていたのですね。」サーレンは剣を抜き、胸の前に掲げた。「そのときは、最大限協力いたします。」そのあと軽く挨拶して、サーレンとは別れた。
俺たちはレジスタンスの拠点に向かう。
あ、お久しぶりです。ちょっといろいろあってですね。だいぶ間が開いたんですけど、なんとか復活しました。まぁ、まだまだ不定期投稿になるとは思いますが、、待っていてもらえると嬉しいです!では次の話で!




