85話 十数年後の和解
「戻りましたー。」俺とニルティアはファニアと別れて獣人族の集落に戻ってきた。「どこ行ってたんだ?!」とギリスが出迎えてくれた。「竜人族がもちろん条件はつくけど仲直りするってよ。」ニルティアが先に言ってくれた。「なに!本当か?」俺は頷く。「なんと、皆に知らせねば。」ギリスがいそいで走って行った。「たぶん、大丈夫だよな。」と俺はニルティアに確認した。「大丈夫だと思うよ。」ニルティアは微笑んだ。その日は皆で騒いで宴会だった。
いざ、和解―。
俺は長机を挟んで座っている両者を見た。「では、皆様揃いましたので俺が仕切らせてもらおうと思います。」一応この場では丁寧語で喋ることにした。「まず、今回の提案を受けてくださり感謝いたします。」「良いのだよ!機嫌が良いからな!」「あぁ、こんなに願ったことは無い。」「まず人物の紹介から。獣人族長、マーキュレン・ギリス様、副族長、マーキュレン・ノクリア様。」俺は視線をずらす。「竜人族長、フェーレル・メト様、副族長、カルグール・アルグ様。そして、この和解交渉を進行いたします、ショウと申します。」「あぁ、よろしく頼む。」「任せたぞ。」[お願いしますね。]「良きように。」「まず、争いの火種になった事件はお二方ご存じの通りでございます。」俺は今日と昨日で両族長の認識にずれが無いこと、大切にしていることがほぼ同じであることを調査しておいた。つまり、この和解は99%成功する。「あぁ、本当に申し訳ない。」ギリスとノクリアが頭を下げた。「この通り、お詫びいたします。」[頭を上げてください。私はこの通り、元気に生活することが出来ております。]「娘もこう言っているしな、気にしておらん。」「ファニア様、フェーレル様、ありがとうございます。」ギリスはゆっくり頭を上げた。「では続いて、捕虜の交換についてですが、」「あぁ、昨日、ショウに言われたとおり連れてきている。」「こちらもだ。」そう。ここで言い合いになっては話が進まなくなると踏んで俺はこの場に同行させてくれと頼んでいた。そして、無事捕虜の交換が終わった。「最後に署名になります。両族長様、お手数ですがお手元のナイフでの血判誓にてお願いいたします。」血判誓とは、血で書いた文字に魔力を込め、互いに呪いのようなものをかけると言うものだ。破った場合、原因不明で即死する。まぁ、これは昨日ニルティアに教えてもらった。「フェーレル・メト、ここに誓おう。」フェーレルの文書が光った。「マーキュレン・ギリス、ここに誓う。」ギリスの文書も光った。「以上で和解交渉は終了になります。」俺は頭を下げた。
その日の夜、俺は両族の宴会に招待されていた。「おい!みんな!このショウこそが今回の和解を提案してくれた!」「みなショウへ拍手だ!」大きな拍手が起きた。「では、獣人族と」「竜人族の和解に、」
「「「「「「「「「「「「「「「「「乾杯!ー!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」
みんなで騒ぎまくった。ギリスとフェーレルはとても気が合ったようで、楽しそうにずっと話している。「なんだかんだで上手くいって良かった。」俺はニルティアに言った。「そうだねー。まぁ、これからどーするかなー。しばらくはまたゴブリン狩りの生活に戻る?」「どーするかなぁ、正直蓄えがすごいからなぁ、しばらくは戦闘無しでも良いんだけど、」「腕が鈍るよねー。」そういうこと。「だよなぁー。」[あの、]この声(?)は、「ファニア?どうかしたか?」白い髪に一筋の蒼い髪が混じっているファニアの髪は、1つに結われていた。[冒険、ってどういう感じなんですか?]「ファニア、興味あるの?」ニルティアが聞くと、ファニアは首を縦に振った。「なんか意外。」それは思った。[ずっとこの集落で生活してたけど、冒険者の人の話を聞く度に行ってみたいなって思ってたんだ。]待て、「ファニア、今何歳?」[18。]おいおいなんだその若さは。18で最強の『氷帝』?、いや、こわ。[それで、お願いがあるの。]ファニアの声が真剣になった。「なんだ?」[私をパーティーに入れて欲しいの。]周囲では騒ぎ合っている竜人族と獣人族がいる。
はい。楽しくなって来ちゃいましたね。まぁ、どうなることやら。楽しみにしててくださいね。では次の話で!




