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61話 ちょっと揉め事

 なんか、下の階から声が聞こえてくる。まったく、まだ朝早いのに何をしてるんだ?ドタドタと急いで階段を上ってくる音がする。あ、足音が止まった。バン!と俺の部屋のドアが開いた。「ショウさん!早く降りてきて下さい!」あ、さっきの足音はアリスだったのか。「どうしたんだ?」俺がベッドから出ながら聞くとアリスは少し息を荒くしながら、「さっきシュリードさんが来て、テイリアスさんと何か話してたんですけど、気づいたら言い合いになってて、、。」マジかー、けんかの仲裁って結構めんどくさいんだけど。俺は剣を腰に差してアリスの後について階段を降りる。

 階段を降りると、頭を抱えている宿屋の主人―アーレンさんと、あくびをしているニルティア、「はぁ、」とため息をついているアイシャ、そして腕を組んでいるテイリアスとシュリードがいた。テイリアスは俺に気づくと一瞬表情を緩めたが、すぐに難しい顔になった。「撤回して。」テイリアスがシュリードを見ながら言った。「事実について言ったのになんで撤回しないといけないの?」シュリードが言い返した。テイリアスは俺の方を一瞬見た。「、、言っていいことと悪いことがある。」シュリードを睨み付けたテイリアスの目は、いつになく鋭い。「何がったんだ?」ちょっと我慢しきれずにテイリアスに向かって声をかけた。「後で話す。」テイリアスは俺の言葉をほぼ無視してシュリードを睨んでいる。「ショウ君、私が説明するよ。」アーレンさんがカウンターで手招きした。「何があったんですか?」俺が聞くとアーレンさんは少し苦笑いをした。「どうやら、シュリード様がテイリアスさんを近衛騎士団にスカウトしたみたいなんだけど、その誘い方が悪かったようだね。」なんだって?まさかの引き抜きだと?俺喧嘩売られてる?「なるほど。」俺はアーレンさんに4文字で返事を返した。「もう一回言うわ。」シュリードが腕を組んだ。「このパーティーにいるよりも私たちと一緒に近衛騎士団として活動した方が、結果的にはショウたちのためになる。」まぁ、否とは言えないな。「だからって私のパーティーのリーダーを侮辱していいわけがない。」テイリアスの声からは怒りが感じられた。「それは謝罪するわ。ショウのことを『全ステータス1の弱者』と言ったことは悪かったとは思っている。」なんだって?驚いたわ。つーか、なんでステータスのことは言ってないのにバレてんだ。まぁ、見れるのかもしれないな。にしても、言葉のセンスきつすぎるだろ。おかしいって。「それに、私は今のパーティーがいい。今のパーティーの居心地がいい。私にとって今のパーティーの人たちは、」テイリアスは一度言葉を斬った。「『家族』だから。」「、、。」シュリードは黙った。「だから誘いは断る。手伝ってほしいことがあるのなら私じゃなくて私のパーティーのリーダーに頼んで。」うわぁ、決め切った感を漂わせてるな。「ショウ、エリザを村に返しに行こう。ずっとドアの向こうで待ってるから。」テイリアスが言ったとたん、宿屋の扉が開いた。「ちょっと、入りずらかったので、、。」エリザは気まずそうに入って来た。なんか、うん。申し訳ないな。「家族、、か。」シュリードはそう呟いた。「たしかに、居心地いいかもしれないわ。あなたたち、いつも楽しそうだから。」シュリードは俺の方を向いた。「ショウ、また頼みごとがあったら聞いてほしい。」「あぁ、わかった。最弱の俺が、というより最強の仲間たちが手伝うよ。」正直俺は指揮だからな。「ありがとう。」シュリードはそう言って宿から出ていった。「それじゃあ、行くか。」「やったー!」ニルティアが飛び跳ねた。あれ、さっきまで寝てなかったっけ?

 「わぁ、。」空間魔法でエルフの村の前に一瞬で着いた時、エリザが感嘆の声を漏らした。「本当に一瞬なんですね。」「えぇ、でも、初めてならだいぶ気持ち悪くなると思うけど、大丈夫?」「あ、それは大丈夫。」「それならよかった。」エリザとテイリアスはやはり仲がいいようで、さっさと歩いて行ってしまう。まぁ、いいけどさ。「ショウさん、エリオット君はどこにいるんですか?」「あぁ、それならすぐにわかるよ。」俺が言った瞬間、木が揺れる音がし、空から誰か下りてきた。「あ、ショウさんたちでしたか。お久しぶりです。」ルイとリンフィアだった。「あぁ、久しぶりだな。」「族長が喜んでましたよ。『行方不明だったエルフがほぼ全員帰って来た』って。」お、それはよかった。まぁ、約束したからな。「なぁ、エリオットは今どこにいる?」「エリオット君はエルフ騎士団の私たちが保護してます。ショウさんの要望らしいですね。」あぁ、そうだ。俺はマーレとマリガルドにエリオットを処罰せずに騎士団のメンバーとして訓練させてやってほしいと頼んだ。「最近、リンフィアとずっと一緒に訓練してるんですよ。」ルイが俺に言った。「なんだか、私と似ているような気がしてつい担当じゃない日も手伝っちゃうんですよね。」リンフィアは頬を搔いた。「なるほどな。じゃ、騎士団まで行くよ。」リンフィアとルイは頷いて木の上にとんだ。「ようこそエルフの村に。」木の上にはほかのエルフもいた。みんな武装してるけど。

 「あ、ショウさんですね。エリオットなら今は剣術の練習をしてますよ。」門番にそういわれ、練習場に案内された。「あ、いますね。」アリスが指をさした先に、剣を構えた少年が立っていた。

お久しぶりです。いろいろあったので投稿できませんでしたが、やめたわけではないのでこれからもスローペースで投稿していきますよ。まぁ、今回は割とすぐに書いた方ですね。かかるものは2時間くらいかけるんですけどね。まぁ、次の話でエリオットがショウを刺した時からどれだけ成長したかを楽しみに待っていてくださいねー。では次の話で!!

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