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53話 ただいまー

 視界が戻って来た。見覚えのある門が見える。あぁ、帰って来たなぁ。でも、たぶんすぐに出ることになるだろう。「とりあえず今日はゆっくりしましょうか。」テイリアスが魔法陣を振り払いながら言った。「まぁ、そうですね。今日くらいならゴブリンを狩らなくても食事はできますし。とは言ってもゴブリン草原のど真ん中に来てしまっているのですでに周りを囲まれていますけど。」そうだ。視界が戻った時にはもう周りを囲まれていた。「まぁ、ゼニーが歩いてきてくれたと思えばいいじゃん。」ニルティアが短剣を腰から抜いた。「まぁ、そうだけどな。」そうだけど、それでもやっぱりめんどくさい。「さっさと終わらせましょうか。」アリスが魔方陣を展開した瞬間、背後からものすごい魔力を感じた。するとゴブリンたちが我先にと逃げていった。「最初からこうすれば良かったのね。」魔力を発していたのはテイリアスだった。いや、突然されるとビビるんですけど。グロメントが来たのかと思った。「ショウ?なんでそんな驚いたような顔しているの?」テイリアスが首をかしげる。あのなぁ、。俺はその質問には答えずに門に向かって歩き出した。「戦わない方が楽だもんねー。」ニルティアは短剣を腰に戻して先頭へ走っていった。

 「それじゃあ、私たちは先に宿に戻っておきますね。ラファエルさんに会うのは久しぶりですね。」アリスたちが先に戻ると言ったが、俺は冒険者協会に寄っておきたかったから別行動を申し出た。「じゃあ、私も行く。」とテイリアスがついてきた。「何でついてきたんだ?」俺は歩きながら横にいるエルフに聞いた。「うーん。特に理由はないけど、何か理由がないとダメだったかな?」テイリアスは俺の方を見た。「いや、ダメじゃないけど。」「けど?」さらに畳みかけてくる。う、これはまずい。「ほら、ついたぞ。」ナイスタイミングで冒険者協会に着いた、けど。「ショウ、。」テイリアスの声が少し低くなる。「あぁ、分かってる。」俺がドアの前に立った瞬間、「何だとお前!!」と中から怒号が聞こえた。

 スッとドアを開けて中に入ると、2人の男が取っ組み合っていた。「お前、俺のパーティーから引き抜こうとしただろ!!」「はぁ?ちょーっと話しかけただけじゃねぇかよ!」あーあ、まぁ、たまにあるやつだな。「ショウ、止めなくて大丈夫?」テイリアスに服の袖を引っ張られる。いや、なにその控えめな行動。なんかそっちの方に集中が行くんですけど。「まぁ、止めなくて大丈夫だよ。」「え?」テイリアスがそういった瞬間、2人の男の間に、1人の女性が立っていた。「もう、うるさいわよ。席に座って?」クリスだった。「あ、はい。」男たちは一瞬で現れた受付嬢に驚き、おとなしく椅子に座った。「何があったの?」クリスも同じテーブルの椅子に腰かける。俺は壁の方に寄った。「いや、こいつが俺のパーティーの魔法使いに声をかけていたから引き抜きかと思ったんだ。」「ふーん。それで、そっちは引き抜きしようとしてたわけ?」「あ?いや俺はそこの嬢ちゃんがヘアゴム落としたから拾ってやっただけだよ。」あ、いいやつだった。「そう。、、これで誤解は解けたかしら?まぁ、2人とも先走りすぎよ。あなたはまずなぜ話しかけたのかをちゃんと聞きなさい。」「はい。」なんか説教だな。「それであなたは取っ組み合う前に挑発みたいなことをせずに理由を言いなさい。」「はい。」2人の男はクリスの仲裁・説教によって大人しくなった。「あら、ショウじゃない。帰って来たのね。」クリスは椅子から立ち上がると俺と目が合った。「あぁ。さっき帰って来た。」「お久しぶりです。」俺とテイリアスは少し頭を下げる。「あ、そうだ。昨日テイリアスの冒険者登録が出来たの。うまく交渉できたのね。」クリスはカウンターに戻っていった。「やっぱり最初はウッドランクからなんですか?」テイリアスが聞いた。「あー。それなんだけど。テイリアスは明らかにメタルランク以上の実力があるからちょっと上と交渉してメタルランクからにしてもらったわ。それに、、」そこまで言ってクリスはテイリアスに近づいた。そして何か耳打ちしたように見えた。全く聞こえなかったけど、クリスが離れる直前、テイリアスの耳が赤くなっているのが分かった。何かあったのか?まぁ、いいや。クリスはカウンターの棚から一つのカードを取り出した。「はい、これ。テイリアスの冒険者カードね。パーティーはショウのパーティーで良かったのよね?」あ、先読みされていたのか。「はい。ありがとうございます。」テイリアスは礼を言ってクリスから受け取った。あの約束、1人で解決できるわけないし相談してみるか。「、クリス。1つ相談があるんだけど。」クリスは俺の顔を見るなり、カウンターから出てきた。「上で聞くわ。」クリスト上の個室に向かった。

 「それで、何かしら?」クリスは椅子に座ると紙とペンを取り出した。「いや、エルフの村で族長から王都で捕まっているエルフを全員解放してくれって頼まれたんだ。」「それはまた大変なことを受けたのね。まぁ、不可能ではないかもしれないわね。王都にも今奴隷を廃止しようって動きがあるらしいからちょうどいいわね。いつ王都へ行くの?」「できればすぐに。」「それじゃあ、私の知り合いと連絡を取っておくから現地でいろいろ教えてもらって。」「ありがとうございます。」「いいのよこれくらい。それに、奴隷なんてなくていいもの。」クリスはそういうと下の階に降りて行った。

さて、これは王都編が始まる予感!?まぁ、始まるんですけど。まぁでも次はさすがにウドルフ編かなぁ、と思っています。正直まだ未定です。では次の話で!

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