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49話 振り返り

 ティアがテイリアスたちを空間魔法で連れていき、俺だけ残った。「ショウも行く?」ティアは魔法陣を地面に展開しながら言った。「いや、俺は自分で戻るよ。」「そっか。じゃあまた後でね。」そう言うとティアは魔法陣の上で光の粒のようになって消えた。さて、残ったのはしたいことがあったからだ。「おい、いつまで寝ているつもりだ?」「バレてたのかよ。」首がないロイルの体が立ち上がった。「お前、ロイルじゃないな?」俺は剣を握りなおす。「ご名答。」まぁ、頭がないのに動ける人間は見たことがないからな。寄生虫といったところだろう。「私はこいつと契約をしていた悪魔だ。こいつが死んだときにこの体を支配できるという契約だった。」なるほどな。説明ご苦労。「まだ人を殺すつもりか?」「まさか。ここでは不利すぎるからな。それに、」体が上のほうを向いた。少し目を凝らすと、木の枝の上でルイとリンフィア、それに複数のエルフが弓を構えていた。「さてと、じゃあな。冒険者さん。」地面に魔法陣が出た。まぁ、俺も剣は構えたがさっきのように振る元気はない。終の番と終焉ノトキのせいで体力をほぼ持っていかれたからな。そいつは魔法陣の中に消えていった。それを見終わると、足が少しふらついた。「大丈夫ですか?」リンフィアたちが木から降りてくる。「気づいていたんだな。」俺が言うとリンフィアは弓を背中に戻した。「エルフは魔力に敏感なので、死んだはずの体に少しだけ魔力が残っていることに気づいたんです。」なるほどな、さすが魔法が得意とされる種族。俺は剣を鞘に戻した。やっと終わった。「ショウさんたちがあの男と交戦している間に奴隷商は捕らえました。」お、助かる。「ショウさんたちのようにいい人類がいることは理解していますが、ああいう人類がいると、やはり一定数は人類を嫌うでしょうね。」ルイは俺の方を向いていった。まぁ、そうだよな。「まぁ、仕方ないだろう。」「すみません。」「謝るようなことじゃないよ。」それだけのことを人類がしたのだから。「戻ろうか。」「そうですね。」俺は宿の方へ歩き出した。

 俺はマーレに部屋に来るように言われた。「失礼します。」俺が扉を開けると、マーレが椅子に座っていた。「あら、もう来たのね。座って。」マーレの言葉に従い、椅子に座る。「あなたに渡した石、砕けたようね。」マーレは開口一番にそう言った。「え?あぁ、はい。砕けました。」俺は紙で包んでいる砕けた石を机に広げた。「なるほど、それなりに強い呪いだったのね。」石を観察しながらマーレは言った。呪い。何で知ってるんだ?俺は何も言っていないはずだが。「、、なぜ知っているんですか?」マーレは俺が聞くと一度目を閉じて、言った。「魔法の分野に長けているエルフの副族長よ?そのくらいのことは予測できるわよ。」はい、失礼いたしました。「ちなみにいつから?」「あなたがここに来た時には違和感を覚えていたわ。剣の方を見たら明らかな妖刀だったから驚いたわよ。まぁ、念のために守護石を渡したのだけれど、役に立ったようでよかったわ。」役に立つも何も命救われてますが?「、この呪いってもう発動しないんですか?」「えぇ、そうね。もう発動しないわ。」よかったー。「でも、」なんすか?「あなた、怒りに体を支配されるタイプ?」あー、。完全否定はできないですね。「、、はい。」「怒りに身を任せると理性を失う。そうなれば仲間の命を危険にさらすことに直結する。」マーレの言葉が急に重みというか圧を含み始めた。「気を付けます。」「えぇ、そうして。」おそらく魔力によるものだったのだろう。「話はこれでおしまいよ。わざわざありがとう。」俺は急いで立ち上がる。「いえ、守護石、ありがとうございました。」「いいのよあれくらい。」マーレは微笑んだ。俺はマーレに見送られながら外へ出た。

 さて、帰るか。俺は少し寄り道をするために木の周りに作られた階段を降りた。村の中央にさっきまでいたマーレの部屋や、宿がある大きな木が見える。あの木に家があるのはそれなりに上の階級の人らしい。正直ティアもあそこに住めるが、ティア自身が嫌だと断ったそうだ。あー、初日に行った銭湯が見える。でも今日はアリスたちが準備してくれているだろうから行かなくてもいいかな。ある家の角を曲がったところで急にだれか飛び出してきた。「危ない!」俺は避けようとしたが、その子は俺の言葉を聞かずに突っ込んできた。ドス、と変な音がした。なんか、腹が痛いような。俺はバランスを崩してしりもちをついた。腹を抑えようとすると、何かにぶつかった。なんだろうと思って下を見ると、服に赤いしみがついていた。そして腹には何か突き立っていた。『この村には本当に少数ですが人類を嫌っている者がいます。』そんな言葉をルイかリンフィアが言っていた気がする。俺は少年を見る。「お前らのせいでお母さんが死んだ!」少年はそれだけ言って角の向こうに行ってしまった。おい、。呼び止めようとしたが声にならなかった。思ったより村の入口から離れたところに来てしまったようだ。だんだん視界が暗くなる。

書き終わりました!ちょっとパソコンの調子が悪かったので書く気力がわきませんでした。なんて言い訳はおいておきましょう。次の話も読んでくださるとうれしいです!次は少し工夫しますよ。

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