表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/69

48話 決闘

 何が起きた?今の一瞬で何があった。ニルティアが倒れている。アイシャもテイリアスも。テイリアス!?「お前、こんな雑魚どもで勝てるとでも思っていたのか?」どこからか声がした。と思うと背中に強い衝撃が走った。俺は前のめりに倒れこむ。なんとか受け身を取って遠ざかりながら立ち上がる。「剣を抜かないからやる気がないのかと思っていたが、ただ雑魚いだけか。」そいつの顔を見て一瞬で”ある記憶”が蘇った。初めての遠征、、5人の仲間が殺された。「ロイル、、!!!」俺は無意識のうちに剣を抜く。「お、やっと気づいたか。へぇ、アイシャとか言ったけ?あいつ、それなりに育ってるじゃないか。」「、、エドワードの、、みんなの仇。」アイシャが立ち上がろうとしている。「おっと何してんだ?」ロイルがアイシャに向かって魔方陣を展開したのが見えた。俺はとっさに地面にあった石を投げつけた。チッと音を立ててロイルの頬をかすり、魔方陣が解けた。「なんだてめぇ。」ロイルににらまれる。魔力で威圧されているが、正直以前のような恐怖は感じない。ステータスは1のままだが、MPは増えてきている。「アイシャは今俺たちの仲間だ。それに手を出すというのなら、」俺は剣先をロイルに向ける。「即殺す。」ロイルは剣を抜いた。「前回のような油断はしないからさっさと死んじまうだろうなぁ。お前を殺した後俺はそこの娘たちと楽しくやらせてもらうとするか。」「誰だお前!」木の陰から奴隷商の仲間が出てきた。誰だって言ってるってことは、ロイルはこいつらの仲間じゃないのか。だが、今出てくることは死を意味する。「邪魔だ。」一瞬ロイルが消えた、と思うと、男の頭が宙を舞っていた。「邪魔な奴は処す。」「てめぇ、簡単に人の命を。」怒りがこみ上げてくる。「何か悪いか?殺される前に殺す。必要なことだろう?つーか、そこのやつ、魔力がやけに多いな。」ロイルはテイリアスの方を見る。「顔もいいし高く売れそうだな。しっかり遊んだあとに売り飛ばすか。」ロイルが唇を舐める。きしょいな。「お前みたいなゲスに渡すかよ。大事な家族だ。」「ただのパーティーd」「家族だ。」ロイルの言葉を遮る。「そこまで言うなら実力で示せよ。」ロイルが消えた。でも、予測はできる。俺は後ろに振り向きながら剣を振る。予測通りロイルの剣が当たった。「ついてきたか。」ついて行ったというより、予測した、が正しいな。ロイルは後ろに跳んだ。「なぁ、お前あの時のことを覚えているか?」なんだ、急に。「あいつらの死に様は伝えたっけ?命乞いやら最期まで反抗してきたりとか、」黙れ。「あの時はアリスを犯せなかったからな。リベンジと行こうか。他にもいい女がいるし。」黙れ。黙れ。お前にそんな権利はないしそんなことはさせない。剣を握る手に力が入る。「なぁ、何とか言ったらどうだ?仲間を守ることもできずただ死に急いでいる最弱。お前もリエットみたいに命乞いするか?あー、今思い出してもあの顔は最高だったと思うわー。エドワードの最期もよかったな。ゴブリンに迫られて死が近づいたときのあのキャラ崩壊、最高だった。」黙れ。黙れ。黙れ。黙れ。黙れ黙れ黙れだまれダマレ!!!「お、急に魔力が大きくなったな。」あの時の感覚。こいつを殺す。「凶刃の舞・酷・終の番。」勝手に口がスキルを唱える。体が軽くなる。「凶刃の舞・酷・終焉ノトキ。」スキルを唱えるのが先か体が動いたのが先か、分からない。「、!?」ロイルとの間合いを一気に詰める。「凶刃の舞・酷・無神突き。」「これか!」ロイルは前回のことを思い出したのか右に跳んで避ける。「逃げてばっかじゃねぇかよ。このクズ。」「はっ!お前も言うようになったな。だが、」ロイルがテイリアスの首に剣を突き付けながらこちらを見る。「こいつがどうなってもいいのか?」汚い。「いやだろ?嫌なら動くなよ?」ロイルは剣をテイリアスに突き付けたまま近づいてくる。テイリアスは気絶しているのか足も動いてない。気を抜いていたのか、反応できなかったのかわからないが、テイリアスがやられるのは予想外だった。ロイルはどんどん近づいてくる。諦めるか?いや、俺はあいつを殺す。「動くなよ。」ロイルがどんどん近づいてくる。、、、来た!一気に体が動いてロイルの方へ剣を振る。「ほらよ。」ロイルがテイリアスを俺に向かって突き飛ばした。くそ、このままだとテイリアスを斬る。「くっ。」なんとか地面に剣をさして止まり、テイリアスを受け止めた。「テイリアス。」反応がない。けど脈はあるな。俺はテイリアスをゆっくり寝かせる。ロイルをにらみつける。「殺す。」体が勝手に動き出した。「馬鹿の一つ覚えだな!」ロイルが剣を構える。「さよなら。」俺はロイルの振った剣をかわして背後に回る。「凶刃の舞・酷・漆黒の断罪。」スッと剣がロイルの首へと入っていく。俺は剣を振り、鞘に戻した。一気に体に疲れが出た。そして全身に激痛が走った。「呪い。」マドリフさんの声が脳内に蘇った。まずい、意識が、、。「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!」頭が痛い、喉が痛い、胸が痛い。地面に手をつく。「はぁ、はぁ、。」パリン、とどこかで音がした。と思うとさっきまで体を蝕んでいた痛みが消えていた。ポケットに違和感を感じて探ると、マーレにもらった石が砕けていた。でも、まだ終わってない。捕まった人たちを助けないと。俺は立ち上がる。「ショウ、もう大丈夫。」ティアの声がした。前を見ると確かにティアがいた。後ろには大勢のエルフがいる。「ショウたちのおかげでみんな無事だったよ。」ティア、「ティア、記憶は?」俺が聞くとティアは笑って見せた。「ばっちり戻ったよ。」そしてティアは俺の横を通って行った。そして、テイリアスの横で止まり、腰を下ろした。「ただいま、おかえりお姉ちゃん。」その言葉を聞いた瞬間、俺は体から力が抜けるのを感じた。何とかなったな。安心しながら俺は目を閉じる。

いやぁ、ちょっと重たい話になってしまった気はしますけど、あとがきを読んでいるということは、すべて読んでくださっているのでしょう。ありがとうございます。ティアの記憶が戻ったところを書いた瞬間私も体の力が抜けました(笑)。次の話も読んでいただければ幸いです!では!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
この1話に色々な要素が詰まっていて、とても濃かったです。読み応えありまくりでした。 まさかのロイル再登場だし、ショウかっこよすぎるし。個人的にテイリアスが危険にさらされてる時に、相手をさえぎってまで「…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ