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3話 初スキル!でもこれ回数制限あるの?

 アリスと別れた後、俺は再びゴブリン草原に来ていた。なぜゴブリンにも勝てないくせにゴブリンが湧く草原に来たか、理由は簡単、そして単純だ。金がないから!宿に泊まれる金がないから!よく知らない、なんなら今日知った街で夜を過ごすのと一応逃げ回ればなんとかなりそうなやつらしかいない草原、どっちがいいかって話だよな。大体の異世界で夜はモンスターがおとなしくなるはずだし、大丈夫だろう。そろそろ日没か。「ギギギギギ」背後から聞き覚えのある嫌な声が聞こえる。「またお前かよ。」案の定ゴブリンだった。でも1体だけだな。さて、どうしよう。さっきは『逃げ回ればなんとかなるだろう』とか言ったけどほんとはどうにもできない。ただかっこつけのためのでまかせだ。うーん、アリスはいないし、武器もない。そして今更だが俺はたぶん20歳前半くらいの身体能力だろう。体の動きや目線の高さに違和感がない。「ギギギギギ」さて、どうしようかな。戦隊物の変身時間みたいにゴブリンが待ってくれているけど、そろそろ襲ってくるだろう。それか、日没で動きが鈍ってんのか?『スキル:風刃(ふうじん)斬り を獲得しました。消費MP5』おー、ここに来て使えるスキルが来たぁぁぁ!え、でも待てよ?俺は今武器を持っていないぞ?なんかこのスキル、武器(多分剣)持ってないと発動できないんじゃ?「ギギー!!」ゴブリンの堪忍袋の緒が切れたのか、とびかかってきた。「あー!もう!どうにでもなれ!」俺は目を閉じる。「風刃斬り!」ん?なんかかかった?変な感触がする。うっっっすら目を開けると、地面に頭と胴がさようならしているゴブリン君がいた。「あ、勝てた?」ちょっと、スキルの説明書き読みたいな。「ブンッ」あ、表が出てきた。『風刃斬り:風の(やいば)を出現させる魔法。発射可能。 MP消費5(残り回数1回)』あ、魔法なんだ。残り回数1回?あぁ、俺のMPが尽きるのか。とりあえず、戦えるようにはなったな。あと1回で戦えなくなるけど。MPは寝たら回復するのか?アリスに聞いておけばよかった。『レベルが上がりました。1→2。ステータスが変わります。物理攻撃1→1、魔法攻撃1→1、物理耐性1→1、魔法耐性1→1、MP10→15(MPは寝ると回復します)』あ、寝たらMP回復なんだ。教えてくれてどうも。だが、、全ステータス変わってねぇじゃねぇかよ!MPが5増えただけ?それだけ?マジで?正気か?は?1くらい増えたっていいじゃねぇかよ。そんな酷な仕打ちしなくてもよぉ。俺だって前世では「勉強しない」「努力もしない」「自分のしたいことだけする」っていう最悪な大学生だったけどよ!異世界では頑張れるかもしれねぇじゃん?なのに、、ひどすぎるだろ!「ギギギギギ!」また来た。もう鬱陶(うっとう)しいが、今は風刃斬りが2回打てる。消費したMPは戻ってこないが、増えるからな。「風刃斬り!」ゴブリンの頭と体がお別れする。あぁ、すまないな。これも俺が生きるためのことだ。なんて言ってられるか!こちとら必死なんだよ!『レベルが上がりました。2→3。ステータスが変わります。物理攻撃1→1、魔法攻撃1→1、物理耐性1→1、魔法耐性1→1、MP15→20』また、か。MP以外変わってないじゃねぇか!「くそぅ。」あ、そうだ。ゴブリンの耳を取っておいて、クエスト受ければ、金が稼げる?思いついたら即行動だな。いや、どうやって耳を切るんだ?風刃斬りか?いや待て、あと2回しか使えないんだぞ?それをここで消費するのか?考えろ、現役大学生、偏差値はなんだかんだ68くらいはあっただろうが。そんなことは今どうでもいいが。んー、、あ!そうだ。朝まで寝ずにいて、朝一で耳を切って冒険者協会に持っていって、クエスト受けた瞬間に提出しよう。よし、そうと決まればここを死守しよう。俺はドスン、と音を立ててその場に座り込む。だがしかし、しばらくたって俺は睡魔に襲われ、、、あっけなく敗北した。、、、、う、なんだかまぶしいな。「っは!」あ、夜明けか。、、夜明け?あ、すぐに行かないと!「風刃斬り」刃で耳を切って、袋なんてものは持っていないから手で持っていく。ウドルフの門をくぐって冒険者協会へダッシュ!「クリスさん!」俺は扉を開けてカウンターへ走る。「あれ?ショウさん?どうしたんですかそんなに急いで。」クリスさんが驚いたような口調で言う。まだ早朝すぎて協会の中に人はいない。「ゴブリンの討伐クエストない?」開口一番そう聞く。「へ?あ、あぁ、ありますけど、、倒せるんですか?」「いや倒してきたから!」「・・・は?え?昨日はゴブリンすら倒せないって」「倒せるようになったんです!」「はぁ、まぁ、ゴブリンの討伐はいつでもありますけど。1体100ゼニーですよ?」昨日俺は二体のゴブリンを倒した。二本の耳をカウンターに置く。「あら、ほんとに倒してる。ちゃんと別の個体の耳ねー。はい、ご苦労様でした。」カウンターに二枚のコインが置かれる。(ゼニー)だ!「あざーす!」俺は喜んでそれを受け取る。「まぁ、頑張って頂戴ね。あと98体ゴブリンを倒すとストーンランクに昇格できるわよ。」「きゅ、98体?」「えぇ、頑張ってね。」クリスさん、微笑まれましても、俺、一日頑張っても4体が限界なんですけど。あ、やべ、アリスが来てるはず。「まぁ、がんばります。」俺はカウンターから離れて外へ出る。初収入はゴブリンの報酬だった。

いやぁ、趣味で書き始めたのが思ったより続いて3話ですね。まだ書くので読んでいただけると幸いです。

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