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43話 よし、少し準備して行こうかな。

 俺はマドリフさんの店から宿に戻って来た。「あ、おかえりショウくん。」ラファエルさんが出迎えてくれる。いつでもこの人はカウンターにいるけどちゃんと休憩取ってるのかな。「みんなは?」ラファエルさんは階段の方を見ながら言った。「朝ショウくんが出かけたって聞いてから、『じゃあ待っとこうか。』ってアイシャちゃんが仕切ってお利口さんに待っているよ。」さすがアイシャ。17歳なだけある。いや、17歳にしてはおかしいけど。なんかこの世界では今のような価値観は通用しないようだな。少し前に話をしたとき分かったけれど、アイシャとアリス、そしてニルティアの親は全員死んでいた。理由はそれぞれだったが、アリスの親の死因は、魔族による殺害だった。ある日、アリスが両親と住む家に来客が来たという。そして母親が反応して玄関に向かってから、中々帰ってこなかった。そしてトラブルでもあったのかと心配した父親が行くと、玄関の方から「逃げろ!!アリス!」と父の叫ぶ声がしたそうだ。アリスが戸惑っていると、玄関からヴァレンスがリビングに入って来た。ヴァレンスがアリスに腕を伸ばした瞬間、当時まだブロンズランクでパーティーを組んでいたソフィリアとクリスが助けに来たという。17歳でブロンズランクってどういうことだよとは思うけど、それを気にし始めたらおしまいだ。俺は階段を上がってアイシャの部屋に来た。コンコン、と軽くノックする。「はい。」「あ、俺。いい?」「あぁ、ショウか。」しばらくして扉が開いた。「おかえり。どこ行ってたの?」「あぁ、それなんだが、少し話があるからみんなを俺の部屋に集めてくれないか?」アイシャは驚いた顔をした。「え?まぁ、いいけど。ちょっと待ってて。」アイシャはそう言って部屋を出ていった。なんかパシってしまったような気がする。罪悪感かな。

 しばらくして俺の部屋に3人がそろった。「それで?どうしたの?」アイシャが聞いてくる。「あぁ、3人はテイリアスがティアの姉って話してたよな?」「うん、聞いた。」「それで、テイリアスが人類側に寝返ったからティアの記憶を正しいものにしようと思うんだ。」3人ともそんな顔しないでくれ。意味が分からないのはしかたないからさ。俺の説明は下手だから。「それで、いろいろあったんだが記憶を戻すためにエルフの村に行くことになった。あとちょっとしたらティアが迎えに来るんだが、いいか?」「いや、急だね。」アイシャが言った。腕を組んでいる、。あぁ、怖い。「まぁ、エルフの村には前から行こうと思ってたからいいですけど、そういう事情なら、ティアさんにはテイリアスの本当のことは言わない方がいいですよね?」「あぁ、ティアにははぐれたエルフを同行させるといっているからな。初対面の感じで接してくれ。おそらくテイリアスもそうしてくれるから。」「はーい。」ニルティアが手を挙げながら反応してくれた。ありがとう。君のおかげでなんとか説明しきれた。「それじゃあ、行こうか。」アイシャが杖を持った。「え?もう行けるのか?」さすがに準備とかあるんじゃ?「ショウ、分かりやすいから。」アイシャはそれだけ言って部屋から出ていった。「バレバレですよ。」アリスも微笑みながら出ていった。「ショウ。」ニルティアは少し考えてから、俺のベッドの方を指さして部屋から出て行った。指さされた方には、俺が昨日の夜まとめていた荷物があった。あー、そういうことか。俺のまとめた荷物を見てどこかに遠出することを予測したんだな。いやぁ、賢いパーティーで助かるわ。俺は剣の位置を調整して部屋から出た。

 「お、来た。」協会のドアの前でクリスとティアが待っていた。俺は協会に来る道中でテイリアスと合流し、口裏合わせをしておいた。「ティア、この人がはぐれちゃったイリス(テイリアス)さん。」「初めまして。」「あ、よろしくね。ふーん。ほんとにエルフだ。」いや、怪しがってもちゃんとエルフだよ。つーか、あなたの姉ですよ。「ハーフだけどね。」ティアに話をするテイリアスはどこか楽しそうだ。それに表情が穏やかだ。「じゃあ、いこうか。」ティアが魔方陣を展開した。いや、これまでで一番でかい。「ショウ!」クリスに目配せされた。『しっかりね。』と言われているような気がした。目で伝わるかはわからないが、『頑張ります。』と念じた。視界がぼやけていく。

まさかの1日2話更新です。まぁ、2話目は少し短いですが、許してください。ここが一番句切れとしていいんです。さて、次からはがっつりエルフの村編を書きますよー!では次の話で!

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