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41話 打ち合わせ

 あぁ、久しぶりに自分で起きた。昨日はすぐに寝てしまったからな。まぁ、帰ってくるときの記憶がないのだが、。いや、酒は飲んでないけど、記憶が少し、というかそれなりに曖昧だ。あ、早いうちに冒険者協会に行かないといけないのか。ティアがテイリアスの素顔を忘れていたらいいけれど。正直忘れていることを願っているな。もし顔を合わせたときに覚えていたらまずいよな。んー、、。あ、そうか。俺だけ最初に会ってそれとなくテイリアスの顔を覚えているか聞けばいいんだ。ちょっとクリスに相談しよう。そうと決まれば早く動こう。俺はベッドから出て剣を差す。まぁ、いつもの装備だな。音をたてないようにドアを開けて部屋から出て階段を降りる。「あれ?1人かい?」ラファエルさんに声を掛けられる。「お早いですね。」まだ4時ですよ。「ここの主人だからな。こんな風にお客さんが外出するときは見送らないとな。」まぁ、それはそうだが。「お疲れ様です。」「いいんだよ。好きでやってるから。どこに行くんだい?」「ちょっと協会に行こうかなと。」「はいよ。アリスちゃんたちには協会に行ったとは、、」ラファエルさんは俺の顔を見て言葉を止めた。どうやら完全に表情に出ていたようだ。「言わないでおくよ。行ってらっしゃい。」「助かります。」俺は宿のドアを開けて外に出た。明朝だから人通りは少ない。というよりほぼない。短い時間とはいえ、1人で動き回るのは久しぶりだな。

 冒険者協会の前に来た。いつもならドアは開いていない時間だが、今日は開いている。俺は少し開いたドアのドアノブに手を伸ばして自分が通れるほどに開けた。「お、来た。」カウンターからクリスの声がする。「おはようございます。」「その顔、何かひらめいた顔だね。何かあった?」なぜここまで顔に出るんだ?「えっと、今日ティアに会うのは俺だけじゃだめですかね?」「えーと?」クリスは突然俺が言葉のボールを投げたから混乱したようだ。「いや、今日俺だけでティアに会ってテイリアスの顔を覚えているか聞いた方がこの町にとって安全かなって。」「なるほどね。あー、確かに。そうした方がいい気がする。」クリスは腕につけている時計を見た。「ティアはそろそろ来るかな。」クリスが言うのとほぼ同時にクリスの髪が揺れた。ドアから風が入って来たのかと思ったが、さっき俺が入るときに閉めたことを思い出した。俺がさっき閉めた冒険者協会の扉に魔方陣が出現した。「久しぶりだねー。」そこから聞こえてきた声は、ティアだった。「ちょうど時間通りね。」クリスがカウンターから出てくる。「それで?話って?」「あぁ、ショウたちをエルフの村に連れて行ってほしいんだ。ほら、前にアリスに言ったんでしょ?連れて行ってあげるって。」「あー、確かに言ったね。」ティアは斜め上を見ながら言った。いや、覚えてなかったんじゃ、。「別にいいけど。いつでも案内できるはず。」「んじゃ決まりだね。」クリスが手を叩いてカウンターに戻っていく。今しかない。「なぁ、ティア。」俺が声を出したことが意外だったのか、ティアの反応が少し遅れた。「どうかした?」「いや、」いうしかないんだよなー。「テイスハイサーの顔を覚えているか?」一瞬ティアの魔力が鋭くなったのを感じた。ティアの青い目からいつも優しさというか温厚さが消えうせた。「それを聞いてどうするわけ?」いや、そんなに怒られることしたか?「いや、特に意味はないんだけど。気になったからさ。あいついつもフード被ってるし。顔見えないからどんな顔なのかなって。」「あー、ね。」ティアの魔力が元に戻った。あぁ、よかった。「んー、覚えている、と言えばうそになるね。正直覚えてない。顔は分からないね。」おー、これはあるな。「なぁ、ティア。」「んー?」「エルフの村に1人俺の友達のエルフを連れて行ってもいいか?」もちろんテイリアスのことですが。「まぁ、エルフならいいけど。はぐれちゃったのかな。」「さぁ、よく話してくれなかったから。まぁ、向こうに着いたらなんとなくどこかに落ち着くだろうって言ってた。」もちろん全て口から出た出まかせでーす。「いつ行くの?」「できれば早い方がいいかな。」テイリアスがばれる前に話をつけられるように。「うーん、じゃあ今日の夕方に行こうか。」「分かった。何日かかる?」俺が聞くとティアは驚いた顔をした。「え?10秒。」10秒?意味が分からない。、、あ。「ショウ、私ホルペル使えるけど。」ティアが俺の顔を覗き込む。いや、気づかなかったわ。「それじゃあ今日の夕方ねー。」ティアはささっと魔方陣を足元に展開してまた消えてしまった。「まぁ、大賢者だからね。一応。さすがに忙しいんじゃない?」クリスはカウンターで頬杖をつきながら言った。大賢者ってそんなに舐められてるというか、軽い立場では無いと思うけど、ティアのあの性格がそうさせているのかもしれない。「じゃあ夕方にまた来て。」クリスは手を振りながら言った。はぁ、宿に戻るか。テイリアスが多分来てるし、早めに戻ろう。

 俺が協会のドアを開けると、フードを被った冒険者が待っていた。「おはようございます。」顔は見えないけどそう言われたから「おはようございます。」と返してすれ違った。

久々に更新できますね。週末更新はなるべくやめて投稿頻度を多くしたいですね。では次の話で!

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