37話 嵐の前の静けさ
「~、~さん、ショウさん、起きてください。」「ふぇ?」俺は目を開ける。体はまだ寝ているから起き上がりはしない。「ショウ、寝起き悪すぎ。早く起きて。」ニルティアにも怒られる。「もう朝?」まだ暗いけど。「テイリアスとアイシャが気になる魔力を感じたらしいのでなるべく開けた場所に移動したいそうです。」なるほどな。「ショウ、いい?」テイリアスが俺の横に来る。「、、いいよ。」俺は起き上がる。正直まだ寝ていたかったけど、しょーがないか。
「それで?何の魔力を感じたんだ?」移動しながら俺は前を歩くテイリアスに聞いた。「あぁ、それは、、言わなくてもわかると思うよ。」なんだそれ。分からないんですけど。「ギャァァァァァ!!」森のほうから人間のものとは思えない叫び声が聞こえてきた。「な、なんだ?」「あれが魔力の正体だよ。」森の方で、一斉に鳥が飛び立つ。その後に大きな影が空に飛び立った。「あれは、、」アイシャの声が少し震える。「あぁ、黒龍だ。」テイリアスが答え合わせをした。「ドラゴンの中では最強クラスだな。」「ドラゴンは魔族じゃないのか?」これはだいぶ気になっていた。「魔族ではないな。ドラゴンは竜人族だ。」「人じゃないけど。」「レベルが上がると人の形に変わるんだ。それから竜人族と呼ばれるようになる。それに魔物なら私がほぼ操作できるから逃げる必要はなかった。」「獣もそうだよ。」ニルティアが横に来た。「獣人族も元は獣。レベルが上がると人の姿になれるんだ。まぁ、獣だったときの記憶はないけど。」へー。まぁ、納得しておこう。「渋々納得しておくみたいな顔するな。」テイリアスに言われた。あ、ばれた。「それはそうと、動き出してしまいましたからもう先に進みましょうか。」アリスの提案で、俺たちは先に進んだ。
「ほら、あそこがウォシティ。」テイリアスが指をさす。「いや。あそこまでどうやって行くんだよ。」「本来なら地上から橋が架かっているが、魔族が落としたからな。泳いでいくか。」「、私泳げませんよ?」アリス、泳げる泳げないのレベルじゃないぞ。湖の真ん中に城がある。ぱっと見でも泳いでいけるとは思えない。トライアスロンの選手ならいけるかもしれないけど。俺には無理。「ほかに道はないのか?」「いや、さすがにあるよ。でもここが合流場所でしょ?」あ、そうだった。ソフィリアと王都騎士団と合流するんだった。完全に忘れていた。「待ちましょうか。」アリスがその場に座った。まぁ、少し休憩かな。俺も座った。
しばらくして、「アリスー。アイシャー。」後ろの方から声が聞こえた。振り向くと、甲冑を着た複数の人、まぁ、大体10人ってとこかな。多すぎても隠密にならないし。そしていつもの姿のソフィリアがいた。ソフィリアは手を振りながらこちらに来る。28歳とは思えないな。さて、またテイリアスについて説明がいるのかな。ソフィリアと王都騎士団はテイリアスの前に立った。ソフィリアは剣の柄に手をかけている。はぁ、これはまずいな。「ソフィ、、」俺が説明をしようとしたとき、ザッ、と音を立ててソフィリアは自身の剣、炎獄を地面に刺した。いや、どんな力してんだよ。ここの地面、結構固いぞ?ソフィリアの行動とほぼ同時に騎士団の人たちも同じように地面に剣を突き刺した。「私はガデル冒険者協会管理者のソフィリアだ。テイスハイサー、いえ、テイリアス。私たちもそう呼ばせてもらって構わないか?」「あぁ、もちろん。粋な計らい感謝する。」テイリアスとソフィリアが見つめ合う。「ショウさん、騎士は剣を地面に刺すことで最高級の尊敬の意を示します。」アリスに耳打ちされる。うん、知らなかったからありがとう。まぁ、ソフィリアたちからは最初から殺気が感じられなかったし、戦うつもりはなかったんだろう。「事情はウドルフ冒険者協会管理者のクリスから聞いている。私たちはあなたに背中を預ける。この中にはそれについて反対している者はいない。もしいれば私が斬る。私は王都騎士団長イリオウだ。」騎士団の先頭に立っていた人が1歩前に出て言った。「本来、話をするときは鎧は降ろすべきだが、」「敵の陣営のすぐ近くだ。何があるかわからないから着けたままでいい。」「感謝する。」顔を見たかったけど無理だな。まぁ、声的に男性か。騎士団長は名前しか知らないからな。、、名前聞いた時から男かなぁ、とは思ってたけど。「行くか。地下道からウォシティに入ると聞いている。」「そのつもりだ。まだ明るい。少し時間を空けてくれ。」「承知した。」イリオウは騎士団の方へ振り向いた。「少しの間時間がある。周囲への警戒を続けろ。」「はい!」騎士団が散らばっていく。「クリスから話を聞いたときは驚いたし冗談だと思ったけど、まさか本当だったとはね。」ソフィリアが苦笑する。いや、俺も最初聞いたときはビビったよ。部屋でテイリアスと戦うなんて自殺行為だからな。「、夜まで待とう。」テイリアスはその場に座った。日没まで大体3時間ってところか。
サボってたわけではありませんよ?ちょっと最近忙しかったので書けなかっただけですよ?そこだけは弁明させてください。これからも作品を続けていくので読んでいただければ幸いです!では次の話で!