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36話 道中

 いよいよ出発の日。俺は早朝に目が覚めた。さすがに寝られなかった。ベッドから出て剣を腰に差す。昨日の夜、冒険者協会で最後の確認をした。王都騎士団とソフィリアとは、道中で合流するようだ。王都騎士団は現地集合のようだ。そして、ソフィリアたちにはやはりクリスが根回ししてくれていた。ソフィリアたちにはしっかり説明したようだ。王都騎士団長には伝えたとのことだった。まぁ、テイリアスは許してくれるだろう。コンコン、と音がした。「ショウさん、起きてます?入っていいですか?」アリスか。、、起きてなかったとしても今のノック音で起きると思うよ。「あぁ、起きてる。いいよ。入って。」「失礼します。」アリスはローブを身にまとい、すぐに出られる用意を終わらせていた。おそらく俺より早く起きていたな。「そろそろ日の出ですね。たしか日の出とほぼ同時に冒険者協会の前に出発するんでしたよね?」「あぁ、そうだな。そろそろ行くか。」思ったより早くなかったようだ。もうでなければならない。「宿の外でニルティアたちは待っていますよ。」え?マジ?「早いな。」「みんな寝られなかったそうです。」まぁ、魔族の支配地に行くからな。そしてこれは侵入だから、魔族に見つかれば向こうは殺しに来るだろう。そのときは戦闘だな。「よし、行こう。」俺はドアを開ける。そして宿の外で待っていたニルティアたちと合流して、ウドルフから出た。

 「何日歩くの?」アイシャに聞かれた。今はゴブリン草原を出て、その外側に広がる消失の森を進んでいる。ここは道を見失うとおしまいだ。「まぁ、王都へは寄らないから大体8日とかかな。」自分で言いながら驚いた。一週間以上かかるのか。はぁ、こーゆーとき空間魔法が使えたらめちゃくちゃ楽なんだけどな。5mほど先の地面に魔方陣が展開された。「ショウ、この魔方陣はたしか、、」アイシャが構える。もちろん見覚えはあるとも。これまでそれなりに見てきたからな、この魔方陣は。「アイシャ、、攻撃はするなよ?今回のクエストの助っ人だ。」魔方陣からはテイリアスが現れた。「、、歓迎はされていないようだね。」アイシャは魔方陣は解除したが依然警戒態勢だし、ニルティアは短剣を抜いているし、アリスも杖を構えている。はぁ、、。また説明しないといけないのか。まぁ、クリスみたいに切りかかって、とゆうか殺されそうにならなくてよかった。

 「、、まぁ、理由は分かった。いろいろ言いたいことはあるけど、今はやめておく。」アイシャにはこんな感じで渋々了解してくれた。アリスは話の途中で感情移入しすぎて泣いてしまっていた。それはそれで大変なんだが、、。「まぁ、テイリアスがいた方が今回のクエストには有利かなって思って。」「まぁ、本当に味方になってくれるのなら、どれほど心強いかは分からないけど、。」アイシャはまだ納得していないようだな。「それじゃあ、行きましょうか。」アイシャの歓迎していない雰囲気を察したのかアリスが歩き出した。それについていくようにアイシャ、ニルティア、俺とテイリアスの順で続く。「やはり歓迎はされていないな。」テイリアスに言われた。「まぁ、ハーフとはいえ魔族だからだろうな。」「あぁ、それは自分でもわかっているが、、」「どうかしたか?」「いや、なんでもない。」絶対何かあるな。まぁ、今はいいか。「分かった。」俺たちは1日目の目標地点まで歩いた。

 「あぁー!疲れたー!」ニルティアが草原に寝転がる。消失の森から抜けると、草原が広がっている。この草原には特に名前はないようだ。「今日はこの辺で夜を過ごすか。」森が近いから木もあるし、アイシャとアリスがいれば魔法で火は起こせるだろう。食料はテイリアスの空間魔法で異空間に保存しているし、生活は困らないだろう。もし食料や何かが足りなくなったらテイリアスに空間魔法で買いに行ってもらおうし。夜、なんだかんだでご飯を食べるときにアイシャはテイリアスに魔法のことを聞いていた。テイリアスは嬉しそうだった。「えっと、じゃあ魔法の向き不向きは人によるから、見つけるためにいろんな魔法に挑戦した方がいい、ってことですか?」「うん。そうだね。私は全属性が得意だったけど、ティアは風と炎だと思う。小さなころからちょっとした魔法の打ち合いしてたから。」小さなころから魔法の打ち合いってどういうことだよ。「ちょっと勝負してもらってもいいですか?」アイシャが真剣な表情で言った。「うん。いいよ。本気でおいで。正直死んでもお互いに生き返れるから。」「え?まさか蘇生魔法?」アイシャのテンションが上がっているのがわかる。「もちろん。エルフにしかできない固有魔法、生物の蘇生。」エルフっていろいろチートなんだな。それだけは分かった。「じゃあ、お願いします。」アイシャが夜の草原に立って魔方陣を展開した。暗闇でもアイシャの魔方陣は輝いている。「へぇ、白く輝いてる。光属性の魔法かな。、、なら。」テイリアスも魔方陣を展開したようだが、よく見えない。「闇魔法だよ。」「アロブド!」アイシャが唱えた。「えい。」テイリアスは無詠唱でアロブドを砕いた。どうやって砕いたのか見えなかった。くそ、、夜じゃなければもっと楽しく観戦できてたはずなのに。なんで夜に勝負をするかな。「ショウ、私も稽古したい。」後ろからニルティアに声をかけられた。マジで言ってます?もう寝ましょうよ。ね?「マジで?」「うん。マジで。」まじかぁ、。「少しだけだぞ。」まぁ、さすがにまだ負けないからいいけど、負けるのならただのいじめだ。「見えにくい。」かすかに奥にニルティアが見える。この世界には街灯なんて便利なものがない、、いや、あるにはあるけどこんな草原の真ん中にはない。まぁ、街灯といっても魔力で火を灯すのだが。「ニルティア、お互いに魔力を放ちまくって気配を感じよう。」我ながら名案だな。「わかった。」ニルティアの魔力を感じる。その気配はだんだん近づいてくる。一瞬、シャッという音が聞こえた。抜刀か。俺は剣を抜いて気配のする方へ振る。ギィィィン、「お、ビンゴ。」「やっぱ感じられるものなんだ。」そのあとも俺とニルティアは打ち合い、お互いに疲れ果てた。テイリアスたちもMPが尽きてきたらしく、寝ようということになった。毎日こんなことしてたらウォシティに着くころにはへとへとになっている自信がある。

書きました!続編!テイリアスがパーティーに加わったことでより後衛が充実してしまいましたが、前線は2人に頑張ってもらいましょうかね(笑)。これからも読んでいただけると幸いです。

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