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33話 この世界の過去

 「何から聞きたい?」椅子に腰かけるとティアが聞いてきた。「えっと、だいぶ気になっているのはテイスハイサーとティアさんの関係、ですかね。」アリスが少し声を小さくしながら聞いた。「あぁ、それか。まぁ、簡単に言うと、私とテイスハイサーは昔友人だった。向こうがまだ魔族の仲間になる前、この表現はおかしいね。テイスハイサーは元から魔族サイドだし。魔族と人類が本格的に敵対する前まで、が正しい表現かな。」なるほど、ここで分かっていく新事実。あ、これで新聞の記事が書けてしまうな。まずいまずい。俺の天才っぷりがにじみ出てしまう。、、今はそんなことはどうでもいいんだよな。、急に冷静になって冷めてしまう自分が少し嫌になる。が、まぁ、仕方ないよなー。昔からそうだったしもうこれは癖だからな。「それで、お二人は戦ったりはしたんですか?」「まぁね。いつだったかな。50年位前かな。」おい、待て。「え?ティアさん生まれてます?」さっき階段を上っているときにティアは26歳と言っていた。うん、おかしいよな。『生まれる前から友達でライバルでした』みたいな面白そうな感じに発展させなくていいから。いろいろめんどくさくなりそうだからな。「あぁ、そう言えばそんなことも言ったっけ。ちゃんと説明しないとね。君たちの年齢って多分1年で1つだろう?」そりゃそうだな。「はい。」「エルフ族は違うんだよ。3年で1つ年を取る。」なんだそのチートは。ん?じゃあティアは今は78歳か。アリスもそのことに気づいたようで、俺と目が合ったアリスの顔には気まずさがにじみ出ていた。可哀想に。「、、50年位前って言ったら退魔伝説が生まれたといわれているころですね。」いや、そんな最近の伝説って、大体本当にあった話なんじゃ?「たしか、ある1人の人類がグロメントのうち6人を倒したことから始まった魔族と人類の戦争のことだな。」ティアは何の話をしているのか理解できたようだ。俺はさっぱりだ。「はい、その話の内容から、()退()けた人類の()()ということですね。そしてグロメントを討った人は英雄として語り継がれています。」アリスが反応した。「まぁ、その伝説の人類のせいであの戦争は始まったけどね。」ティアがさらっとものすごいことを言った。なんだって?戦争の原因が1人の英雄?「え?どういうことですか?」アイシャが珍しく食い気味だ。、、、さっきからニルティアの声がしないと思って振り向いてみると、ニルティアは個室にあるベッドでいつの間にか寝ていた。、、寝てる。いいなぁ、俺も寝たい。「詳しく説明しようか。」ティアが言った。「お願いします。」アイシャは即答する。めちゃ速いな。「50年前、とゆうか戦争が始まるまでは、魔族と人類は仲が良かったんだ。だが、ある日。ある人間が魔族と人類一緒に宴会を開こうと言い始めた。もちろんその頃から大賢者だった私もその場に呼ばれて行っていた。そして一通り終わり、皆酒で酔って寝るものが出てきた。その時だった。」アイシャが息をのんだのがわかった。「1人の人間が、集まっていたグロメントを次々に刺していった。もちろん酒で酔って泥酔しているから誰も起きれない。私も寝てしまっていた。そして起きると、グロメントが6人死んでいた。グロメントは補充式だから、10人が欠けることないが、あの頃のグロメントは歴代最強と言われていたね。まぁ、少し脱線したけど、6人のグロメントが殺されたという事柄はすぐに魔王の耳に入った。」「そして起こった魔王が人類に戦争を仕掛けた、と。」アリスが引き継いだ。「あぁ、その通りだ。」なるほどな。結局今の状況になっているのは人類のせいだったわけか。「なんでその人はグロメントを殺したんですか?」アリスが質問する。確かに気になるな。「実はそいつはすぐに王都の騎士団が拘束し、尋問・拷問をしたが口を割らなかったそうだ。そしてある日獄中で舌を嚙み切って死んでいるのが見つかった。だからなぜかは分からない。そしてなぜあの退魔伝説が広まってしまったかも分からない。気づいた時にはもう広まっていた。テイスハイサーは魔族だからな。人類と協定を結んでいるエルフ族と対立するのは当たり前なんだが、なぜこうなってしまったのか、私があの場で寝ていなければ防げたのではないか、と思ってしまう日もあったよ。」まぁ、そうなるよな。もしティアが起きていて、それを防げたら、こんな世界にはなっていなかっただろうし、ティアはテイスハイサーと一緒に仲良くできていたのかもしれない。「だいぶ難しいですね。」アリスが言った。「でも、君たちはよく獣人族と仲良くなれたね。獣人族って人類を嫌っているって前に聞いたことがあるからさ。」ティアはベッドで寝ているニルティアのほうを見た。ぐっすり寝ているな。「あぁ、ニルティアは俺を殺そうとアベント集団が送り込んできた刺客だったんです。でも隷属の首輪をしていたからアイシャに解呪してもらいました。」「なるほどな。まぁ、説明はこのくらいだ。そしてアリス、さっき帰り道で何か言おうとしただろう?」え?あぁ、「ティアさんにさえぎられたやつですね。」「あぁ、さえぎったのは後ろに魔族がいたからだ。あそこで言ってはいけないだろう?」「そうですね。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()をしているなんて、言っちゃダメですね。」なんだって?マジで?とゆうか俺がさっき振り向いた感覚はあっていたのか。まぁ、なんとなく今の状況になった経緯は理解できたな。、、、ニルティアはまだ気持ちよさそうに寝ている。

書ききりましたね。さて、大賢者ティアが語ったこの世界の過去はいかがだったでしょうか。どう感じたかを感想で教えてもらえると参考になりますし嬉しいです!では次の話で!!

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― 新着の感想 ―
話が少しずつ複雑化してきましたね。でも楽しいです! ティアさんの過去・この世界の過去を知って、ティアさんの辛さが少し分かった気がします。めちゃめちゃ深そうなので、これからまた分かりやすく掘り下げていく…
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