27話 新しい登場人物?
「えっと、、ショウさん?この人は一体?」アリス、混乱しているのは分かるけど、杖を構えるな。それだと俺も巻き込まれて死ぬ。「いや、さっき俺を殺そうとした人だよ。」「人、ではなさそうね。」アイシャも部屋に来た。「どうすればいい?警察は、、、」そこまで言って俺はハッとした。「ケイサツ?何それ。」アイシャに見られる。まずい、この世界には警察なんてものはいらないな。冒険者がいればいいのだから。「この人、首輪してますね。」アリスがしゃがんで首輪を見ている。「え、この首輪って、、、」アイシャも見る。「、これは隷属の首輪ね。」隷属?そんな物騒な。「隷属ってことは命令でもされていたのか?」「命令にしたがって行動していた可能性は高い。、、でもこの型式はだいぶ前のものだから、私でも解呪できそう。」アイシャさんマジっすか?「でも、解呪したとして、また襲ってくる可能性もある。」あー、たしかに。でも、、「正直襲われてもこの人には勝てるからいいや。アイシャ、頼む。」「、、、わかった。ブレイブション。」首輪が錆びていく。そしてボロボロになり、二つに分かれて落ちた。「最近のものにはこの魔法は通じないけど、この首輪ならこれで外すことができる。」へぇ、って、「アリス、何してんの?」アリスはどこからか縄を持ってきた。「一応手を縛っておきます。」なるほど、拘束するわけな。ってことで一応縛った。「さて、と。」俺は壁から剣を抜いた。はぁ、これって俺が弁償しないといけないのか?「う、、、。」「ショウ、目が覚めそう。」俺が振り向くと、そいつは目を開いた。「うぅ、、。!?」跳び起きて俺たちに攻撃姿勢をとる。しかし手を縛られていることに気づいた。「なにをするつもりだ?」うーん、やっぱりどっちかわからないな。まぁ、顔つきと体つきでもう女子ってわかってるんですけどね。「いや、お前が先に殺そうとしてきたんだろ?」俺はつい口から素直な気持ちが出た。「う、、。なぜ手を縛っている!?」「それはお前が起きたときに攻撃してこないようにだろ。」「、、なるほど。」諦めたのかそいつはその場に座った。「たしかにお前を殺そうとしたことは謝る。」素直なやつだな。「まぁ、お前の首輪は外してやったし、好きに動け。ただし、次俺を殺そうとしたらさすがに容赦せずに斬るからな。」「わ、わかった。」アリスが縄をほどいた。はぁ、せっかくゆっくりゴブリン狩りしようと思ってたのに。俺は準備を再開した。「、、、」そいつは全く動かない。「どうしたんだ?いっていいぞ?」俺はもう一度声を掛ける。「、、私には帰る場所がない。さっきまで奴隷として生きてきた。普通の生活なんて知らない。」なるほど。「故郷はどこか覚えていますか?」アリスが聞く。「わからない。」うーむ。どうしようか。「あなた、何ができる?」アイシャが聞いた。「短剣なら使える。けどさっき分かったように速度は遅い。」まぁ、短剣はリーチが短い分、すぐに距離を詰める速さがいる。でもどうやら裏ステータスがあるようで、レベルが上がれば速度も上がるようだ。クリスを見ているとそう感じた。「、、、今のレベルは分かるか?」「見てみる。ステータスオープン」こちらに向かって表をはじいた。ふむふむ、、獣人族、レベル7、全ステータス40、MP40か。でも、名前のところは黒くなっていて分からないな。まぁ、今はいいか。普通の人よりはたしかに全てが劣っているな。だが、装備している短剣にはスキルはついていないようだ。この世界の武器には必ずと言っていいほど一つはソードスキルがついている。ということはこいつが持っているのはノーリティの武器か。そんなもので俺はさすがに倒せないけどな。そういえば、「誰に命令されたか覚えているか?」これを聞くのを忘れていた。「、、、思い出せない。、、、あ。」「なんだ?」「私に命令していた人、、ロイルって呼ばれてた。」「、、それだけで十分だ。」あいつか。俺の奥底に眠っている消えることのない怒りが再び盛んに燃え始めた。「ショウ、落ち着いて。」アイシャに肩をたたかれる。「ショウ、今はその感情を表に出してもこの子が怖がるだけ。」アイシャの言う通り、俺の放った殺気で少女は震えていた。「、、ごめん。」「い、、いえ。大丈夫、です。」絶対大丈夫じゃない。申し訳ないな。「ショウさん、帰る場所がないのなら、私たちのパーティーの前衛として入ってもらいませんか?最近はショウさんも前衛として安定してきましたし、1人より2人前衛がいるほうが私たち後衛の安心感にも繋がりますから。それに、ロイルたちの情報を何か思い出せるかもしれません。」アリスが言った。たしかに一理あるな。うーむ、正直言えば、獣人族って初めて見たから超興味がある。でも前衛としてパーティーに加わるなら、守りながら戦う、って言うことになると思うんだよな。それは今の俺にはまだできない。どうするか、、、。「お願い、パーティーに入れて。」うーむ、、、「アリスたちはいいのか?」「だめっていう理由はないけど。」「ショウさんがいいのならいいと思いますよ。」ふむ、「名前は?」「ニルティア。」ニルティアか。「わかった。パーティーに入れる。だが、自分で強くなれよ。」突き放すようなことを言っているのは俺もわかってるけど、前衛としてニルティアを守りながら戦うことは難しい。「わかった。強くなる。」
俺たちはそれから冒険者協会へ行ってパーティーメンバーとしてニルティアを登録してもらった。クリスはめちゃくちゃ驚いていた。まぁ、獣人族なんて初めて見るのだろう。確かにこの町ではなかなか他の種族を見ないな。なんでかはわからないが、本当に見ない。まぁ、ニルティアがしっかり強くなれば前衛が相当楽になるな。俺はいつになるのかわからない将来を勝手に想像していた。
書き終わりましたね。まぁ、新しい登場人物が出てきちゃいましたけど、ちゃんと区別はついていますでしょうか。私はドキュメントでなんとかメモをしてなんとか話がバグらないようにしています(笑)。さて、次の話はどのようなものになるのでしょうか。少しずつ謎のアベント集団に近づいてきましたね。