表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/69

22話 ウドルフ防衛戦(前編)

 「まるで軍隊のよう。」アイシャが言った。いつもは草で緑色に染まっている草原が俺の目には映るのだが、今うつっているのはきれいに5体1列で縦に並んでいるゴブリンたちの行進だ。それは一定のリズムで動いているから本当に軍隊のようだ。もっと驚いたのは、その列の終わりが森の奥へ続いていて最後尾が見えないこと。まぁ、情報が正しいのなら、600体いるはずだから、120列か、それ以上は軽くいそうだな。まぁ、多いだろうとは思ってたけど。「ゴブリンが止まりましたね。」アリスが魔方陣を展開しながら言った。確かに止まったというか、ある一定の場所で先頭のゴブリンが止まってそこでどうやら陣形を組んでいるようだ。、、俺たちに降りて来いと挑発しているような、、。「行ってやろうじゃないか。」クリスが門から飛び降りた。はぁ、完全に挑発に乗っちゃってるよ。大丈夫かなこのゴールドランク冒険者。まぁ、門とはいっても5,6mの高さだから低いほうではあるけどでも6mだな。「ショウも来い!」行きたくない!!俺は門の上でクリスを見下ろす。心の声が顔に出ていたのかクリスが少しにやける。「あ、まさか怖いのか?まさか、、ゴブリンごときでビビってるの?ほら、ほかの人たちもどんどん降りてきてるよー?」あからさまな挑発だな。でも、、、めっちゃムカつく。「行けばいいんでしょ!」俺は門から飛び降りた。受け身をうまく取れなかったせいで右半身を打った。結構いたい。「よしよし、アリスちゃんたち魔法使いは門の上から援護して、私たち前衛があいつらを大体沈めたら降りてきて追い打ちねー。」クリスは腰の両側に差している短剣を抜く。やはり、片方は逆手に持っている。「それじゃあ、、行こうか。」、、消えた、と思うとだいぶ先のほうに草が踏まれた跡が見える。姿は見えないけどあそこを通って行ったのだろう。やるか、、。俺も全力でゴブリンの陣営に突っ込む。単騎で突っ込むとか自殺行為だろ。まったく、指導者は何を考えているんだ?俺は前のほうを見る。複数のゴブリンが宙に飛ばされている。クリスが陣営に突撃していた。つられて他の冒険者たちも突っ込んで行く。まぁ、ただのゴブリンに苦戦するような冒険者はいないようで、ゴブリンはどんどん減っていく。「ギ!ギギギ。」あー、聞きなれた声だな。俺は剣を抜いて後ろへ振り向きながら剣を振る。ゴブリンを切る感触があった。少し遠く、10mほど向こうから声がする。「おらぁ!だいぶ減ったな!森の奥まで一気に行こうぜ!」複数の冒険者が森のほうへ向かう。俺も行くか。足を動かそうとしたが、なぜ動かない、、待て、なにか森から来ている。「待て!まだ行くな!!」クリスが叫んでいるが、聞こえていないらしく森の入り口にその冒険者たちが立った。俺は瞬きをした。次に目を開けたときにはその冒険者たちの体にたくさんの穴が開いていた。文字通り穴だ。何かが貫通した。でも見えなかった。時差でもあったのか今冒険者たちの体から血が噴き出す。「全員下がれ!」クリスの号令でみんな走って門を目指して走り出す。森の入り口から異様な魔力を感じる。レシオレのときのような威圧感はない。ただとてつもなく気持ち悪くなる。頭が痛い。俺は走りながら振り向いた。木々の隙間からなにか飛んできたのが見えた。俺の体はそれに反応できなかった。ギィィィン、と音がした。クリスが短剣を振った後の構えになっている。「さっきの貫通はこれか。」クリスにつられて足元に目線を落とす。小さな、とは言っても5cmはあるような石が落ちていた。投石、、。でもこんな石で体に穴が開くって、、。どれほどの力だ?「シードブレス。」門の上から声がした。アイシャだ。異変に気づいて地面から岩の壁を出してくれた。俺たちはその後ろに隠れる。森の奥から少しずつ何かが出てきている。「来る。」クリスが岩の壁から頭を出して見ている。次の瞬間、森の奥を見ていたはずのクリスの目線が真上に向いた。次の瞬間、かすかに何かが風を切る音が一瞬だけした。と思うと目の前のクリスの目線が真上に向いていた。クリスの足元の草を赤い液体が赤く染めていく。

はい、22話の完成ですね。森の奥にいるのは何か。クリスはなぜ真上を向いているのか。なぜ草は赤い液体で染まっているのか。次の話で書こうと思ってます。勝負はつかないかな、、。次の話もお楽しみに!なるべく投稿頻度を上げられるように頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんかめちゃめちゃ強い敵来てませんか、、、? 冒険者たちが一瞬でやられてしまうなんて。 クリスさんもなんでこんな状況になっているのか見当もつきません。真上に何かいるのでしょうか。どんな展開になるのか、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ