19話 ソフィリアさんがチート使ってまーす
俺は剣を構える。「ほう、二刀流ですか。珍しいものですね。しかし、、」フッとレシオレが消えたと思ったら背後にいた。「その程度の反応速度では私の足元にも及びませんよ?」背中を蹴られ、盛大に前方へ吹っ飛ぶ。なんとか受け身を取って立ち上がる。なんだ、今の速さ。尋常じゃない。まったく反応できなかったし見えなかった。これがグロメントなのか?まずい、、握力がなくなってきた。俺はソフィリアの剣をいつの間にか落としていた。蹴られたときにあそこに落としてるな。まずい。「さて、あなたのような弱者を従えたところで面白くありませんからね。すぐに殺します。」気づくと俺は宙に浮いていた。レシオレに首をつかまれ、持ち上げられていた。い、、息が、、。「が、、あぁ、、が、、。」だんだんと視界が暗く、、、。「全く、情けないね。」声がしたと思ったら俺は地面に叩き付けられた。「がはっ!、、ヒュー、、、、ヒュー、。」俺の前には、さっき落とした剣を持ったソフィリアが立っていた。「助けられちまったね。感謝するよ。ほら、立ちな。こいつを追っ払ってからちゃんと礼をしようじゃないか。」俺は立ち上がってソフィリアの隣に立つ。ソフィリアは右目に布を当てていた。「おやおや、まだ生きていたんですか。とっくに死んだかと思いましたよ。」「失礼だな。まだ健在だし、28で死んでたまるかよ。」いやわっか!あ、でも俺より年上だわ。「炎獄・蒼炎の檻。」ソフィリアとレシオレが見えなくなった。打ち合う金属音だけが聞こえてくる。ソフィリアが元の位置に戻ってきた。ソフィリアは傷一つなく、レシオレは全身に小さな切り傷が多数あった。「パチンっ!」ソフィリアが指を鳴らした瞬間、レシオレの体が燃え始めた。「貴様!何をした!?」レシオレの体が燃え、腕が落ち、足もずれていく。「言っていなかったな。この炎獄は文字通り炎の剣。私の意志で切り傷から発火させることができるんだよ。」うわぁ、チートだ。強すぎるだろ。「なんだ、と!?そんなことは、、ない!」レシオレが灰になって消えていく。「ふぅ、終わったな。」ソフィリアは剣をしまう。「まずは礼を言わないといけないな。ありがとう。」「いえ、こちらこそ助けていただいたので。」まじで、最後とか俺なにもしてないんだよなぁ。「まぁ、立話しもよくないからこっちへ。」俺たちは倉庫のような建物に入った。
ソフィリアは扉の前でリズムよくノックをした。すると扉が開いて、中から多くの人類が出てきた。「生きていたんですね。」アリスが嬉しそうに言う。「あぁ、侵攻され始めたときに私が避難させておいた。」めっちゃ優秀じゃん。「さて、ショウ。なんと礼を言えばいいものか。」「いえ、礼は俺ではなくアイシャに。彼女が一番最初にここへ行こうと言い出したので。」なんなら俺は来たくなかったし。
街の人たちはしばらく自分たちの街の変わり果てた姿を呆然と眺めていたが、少しずつ瓦礫の整理を始める人が出てきたり、まだ残っているハイゴブリンの処理に向かったりしていた。ガデルの復興が始まった。
だいぶ短いですが許してください。3話連続投稿とか初めてですな。次はしっかりウドルフに帰ってると思います。さて、ソフィリアさんが最強でしたね。次のお話でお会いできるのを楽しみにしております!では!