14話 あなた受付嬢じゃないの?
「さて、説明してもらいましょうか。」俺たちは一度冒険者協会に戻って2階に上がってクリスさんを問い詰めようとしていた。「いや、隠すつもりはなかったんだけどね?」隠すつもりはなかった、ほう。「私実はさ、」そう言ってクリスさんは胸ポケットから何か取り出した、って、金きら金の冒険者カード!?「ゴールドランク?」あ、またアイシャにセリフを取られた。「えぇ、そうよ。私の所属はウドルフ冒険者協会じゃなくて”王都冒険者協会”なの。」ふぇー。よー分からんな。「よくわからないって顔をしているわね。」あ、ばれました?「簡単にわかりやすく説明するわ。」ありがてぇ。「お願いします。」アリスが言った。「まず、冒険者カードを発行したところが私は王都なの。まぁ、これは深く考えなくていいわ。それで、王都で一定のランク、大体ゴールドランク以上になると地方の冒険者協会の管理・運営に配属されるようになるわ。」そんな仕組みが、、、めんどくさそ。「えぇ、めんどくさいわよ。」だからなんでわかるんですか?俺声出してないんですけど。「まぁ、それで私はゴールドランクになったときにここに配属されて、管理・運営とウドルフの警備が仕事になったの。」あー、そういうこと。なんとなーく理解。「じゃあ安心ですね。」あー、ほっとした。「、そうでもないのよ。」なんですと?「最近、やけにゴブリン草原のゴブリンの数が増えているの。一昨年を基準にして考えるなら去年は1.5倍、今年は3.5倍よ。」いや、増えすぎでしょ。「増えすぎですね。」「そうなの。そのせいでウドルフに来た商人が襲われるっていうことも倍以上に増えてしまった。でも多分、」「まだ増える。」アイシャが口をはさむ。アイシャって誰かが言おうとしたことを先に言うのが好きなのかな?俺とかよく先に言われるし。アイシャの言葉にクリスさんが頷く。「えぇ、そうよ。私たちはこれはただの小手調べと思っているわ。魔族は私たちの力を見定めて一番弱っているところから攻めようとしているはずよ。」戦闘のシュミレーションゲームか何かの話されてます?「一番弱いところ、、。」アリスがぼそっと言う。「申し訳ないけど一番弱いところはウドルフね。冒険者の数が圧倒的に他より少ないし下級の冒険者が多い。」ふむ。「それに、今回の戦闘でも多くの冒険者がゴブリンにやられたわね。少なかった冒険者がさらに減ってしまった。魔族からすれば絶好の機会でしょうね。」たしかにそれはだいぶまずい気がする。「一応王都への知らせは出してみたけど、どうでしょうね。」「どうでしょうね?」「えぇ、王都は基本的に強力な冒険者がいる街しか守らないから。ほんとにクズな王のせいで。」おう、ズバズバ言ってますけど誰かに聞かれたらまずいんじゃ?「はぁー。」クリスさんはふんぞり返った。「というか、アイシャちゃん”あのクエスト”にそろそろ行かないといけないんじゃない?」「そう、ですね。」あのクエスト、ガデル奪還作戦か。まぁ、そろそろだろうなとは思っていたけれど。「皆さんの都合があったときに行きたいとは思っています。」「じゃあ行こうよ。」アリスが素早く反応する。「いいですよね?ショウさん。」いいとしか言える空気じゃねぇ。アリスの圧。「あ、あぁ、行こうか。」「決めるのが早いわね。まぁ、じゃあ明日出発でいいかしら?」「はい。ですが、」「安心して。もう複数パーティーでは行かせないから。」は!?そっちのほうが安心できないわ!って言おうとしたけどハイゴブリンよりも今は人間のほうが脅威だな。「ありがとうございます。」「それじゃあクエストの手続きがあるから私はこれで。」クリスさんは立ち上がって部屋から出て行った。「帰りますか。」アリスの言葉で俺たちも帰路についた。帰り道に剣の手入れにマドリフさんのところによると、めちゃくちゃ歓迎された。剣の刃こぼれが少ないから怒られはしなかった。ついでにアイシャが小さな杖を買っていた。
はい、2日連続だと?信じられないですね。さぼり魔の自分が2日連続で更新なんて。2週間くらい休むんでしょうかね。(あ、休まないですよ?ちゃんと3日に1回は更新しますから)さて、次回からはクエストのリベンジですね。書くのも楽しみですね。