表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/108

103話 久しぶりのウドルフ

 「ショウー!」


ニルティアの声で目が覚めた。


[早く起きないと朝ごはんなしだよ。]


ファニアの声がいつもより頭に響いて完全に目が覚めた。


「今起きた。」


部屋の中で独り言のように小さな声で言い、俺はベッドから降りた。


久しぶりのこの部屋。


ラファエルさんが気を利かしてくれて、以前と同じ部屋にしてくれた。


「おはよう、ショウ。」


階段を降りるとラファエルさんが待っていた。


「今日はラファエルさんが朝食を作ってくれたんだよ!」


ニルティアがはしゃぎながら言う。


「久しぶりに帰ってきてくれたからね。おかえりの歓迎だよ。」


ラファエルさんはそう言った。


「ありがとうございます。」


そうお礼を言うテイリアスの手元の皿は、もう空になっていた。


「テイリアスもう食べたのか?」


俺が言うとテイリアスは自分の空になった皿を見て頬を赤くし、


「まぁ、おなかすいてたから。」


とだけ言った。


[ラファエルさんがご飯を用意してくれてからもう30分も経ってるんだし、食べ終わっててもそんな不思議じゃないでしょ。]


「そんなに経ってたのか?」


[何回も念話で呼びかけたのにガン無視だったからもう食べよ、って。]


ラファエルさんが苦笑している。


「そういうことだったのか。」


「まぁ、ゆっくり起きてきてもらって大丈夫だよ。また温めればいいんだし。そんなに魔力が少ないわけではないからね。」


「ありがとうございます。」


「それはそうとして、」


ニルティアがちょうど朝食のラミタンを食べ終わってスプーンを置きながら言った。


そして今度はテイリアスが口を開いて言葉をつないだ。


「今日の予定は?」


久しぶりのテイリアスからの問いかけだった。



 「クリス。なにかクエストはあるか?」


とりあえずしたいことが思いつかなかった俺たちは、冒険者協会に行ってみることにした。


「そうね。緊急のものはないわね。薬草集めとか、軽くゴブリンの討伐とか。ウドルフは今日も平和だからね。」


クリスはいくつかの書類を見ながら言った。


そして、その書類をめくる手が止まった。


「これなんかどう?最近上がって来たんだけど、今の冒険者の数じゃ対処しきれなくて。」


クリスが手渡してきた紙の内容は、見ただけでなんとなくどんなクエストなのか分かるものだった。


「これは、」


テイリアスが俺の横から言う。


「討伐、というよりは観察?ですか?」


クリスは頷いて反応した。


「えぇ、そうよ。最近、ある農家の畑が荒らされていてね。でも、痕跡が全くないの。魔物の足跡も、野生動物の足跡も。」


それはまた難解だな。


「それで、それの犯人を突き止めたいから、誰かに見張っててほしい、と?」


「そのとおりね。」


「そんなの自分でやれば…」


言いかけたニルティアのわき腹にファニアが軽く肘鉄をいれた。


[でも、それくらいなら私たちじゃなくてもいいと思いますが。]


クリスはファニアの方を見ると、


”その反応を待ってました”


とでも言いたそうに指を鳴らした。


「そこよ。もうすでにいくつかのパーティーに依頼してるの。でも、すべてのパーティーが突き止められなかった。それも、寝てしまって。」 


「はぁ?」


ニルティアが高い声を出す。


少しだけ耳鳴りがした。


「そんなのただの間抜けじゃ…ぅ、」


再びファニアの肘鉄が入った。


「少しの間寝てしまったパーティーの目の前にあったのは、荒された畑だったの。寝る前までは綺麗だったのに。」


ただの心霊じゃねぇか。


「でも、そんなことのために魔族が動くとは思えないけど。」


テイリアスの意見に賛成だな。


「そうだな。そのことのために魔法を使うか、っていう疑問はある。」


「そうよねー。だから、突き止めてほしいの。」


あ、まんまと嵌められた。


「なるほど、完璧な誘導だな。」


「でしょ?」


クリスは得意そうに言った。


うん、なんかムカつくけど、仕方ない。


「やるか。」


「ショウ本気?」


ニルティアが驚いている。


「そんなに驚くことか?」


「いやだってそりゃ、そんなの近所の人の仕業じゃないの?」


「それにしては、わざわざ眠らせるのが気になります。冒険者を眠らせる、それも何回も。複数回後のパーティーは、そういった警告は受けていたはず、そう考えれば、わりと相手は手ごわいかも?」


[私もそう思う。]


「ニルティア、反論は?」


「いや、もう出来ないでしょ。ここまで言われて反論できるわけなくない?」


ニルティアが頬を膨らませながらいうのを、


俺たち4人は微笑みながら、


半ば小さい子をからかうときの表情で、ニルティアを見ていた。


「あーもうそんな顔で見ないでよ。」



コメント欄荒らされて(誰が荒らしたのかは把握し、削除しました。)やめようか悩んでるのでしばらく書きません。ではまたいつか

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ