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101話 おかえり

 「ショウさん。腰の具合はどうですか?」


ノクリスが近づいてきた。


「あぁ、おかげさまでもう治ったよ。

それに、あまり深く斬られていなかったのも助かった要因だな。」


「そうですか。さて、」


ノクリスは俺から視線をずらしてあたりを見渡した。


それに倣って俺も辺りを見る。


ちょうどマリガルドが最後のコルセオ1体の首から双剣を抜いた瞬間だった。


「これでとりあえずは終わりだな。

まぁ、新手が来るだろうからテイリアスには早く居場所の隠匿をお願いしたいが。」


マリガルドは双剣を鞘に納めながら言った。


 「では、ショウさんのブレスレットに込められていたテイリアスの魔力の中の記憶を、

現在のテイリアスの体内に流れている魔力に落とし込みます。」


正直、マーレの言っていることがあまり分からなかった。


上書をするのか?


「それと、テイリアスがどうして死んだのに生きているのか、

誰に蘇生されたのかがテイリアスの記憶をたどっている間に分かりました。」


おー、逆探知的なことか?


「誰だったんだ?」


マリガルドが言った。


いや、あなたはさっき記憶ののぞき見で知ってるはずでしょ。


「私も初めて知った魔族でしたが、

どうやらグロメントをまとめ上げている存在のようですね。

テイリアスの記憶の中でその魔族は

”ソイシャン”

と呼ばれていました。」


「初めて聞きますね。」


ノクリスが言った。


シュリードやファニアたちも同じような反応だった。


「魔族には、私たちがまだ知らない組織があるのでしょう。」


一般人が知らない組織。


王都近衛兵団でいえば、


特殊師団か。


まぁ、俺もまだその存在は知らされていない。


知らされるまでの立場にいないということだろうか。


肩書的にはトップクラスなんだけど。


「リライズ。」


マーレが手に持っているブレスレットからテイリアスの頭に向かって5つの魔法陣が出現した。


「移します。

移した後、しばらくテイリアスは気絶すると思いますが、ご心配なく。」


そして、ブレスレットからテイリアスの魔力が感じられなくなると同時に、

テイリアスはその場に倒れた。


「しかし、最後の方はテイリアス何も言ってこなかったな。」


俺が言うとニルティアが反応した。


「たしかに。私だったら最後までかみつこうとするけど。」


[たしかに、大人しくしていましたね。敵の幹部たちが目の前にいるというのに。]


「戦闘しても負けることを確信して諦めていたか、それか、」


「なんとなく昔の記憶が戻ってきていた。」


ノクリスの言葉をシュリードが繋いだ。


「それが一番こちらにとっては好都合ですね。」


マーレが言った。


「さて、と。」


マリガルドがテイリアスの方を見た。


「そうだね。」


ニルティアが頷く。


「なんて王都に報告するかなぁー。」


ニルティアの言葉で、俺とノクリス、シュリードとファニアは、少しだけ焦った。




 「~、って報告すればいいんじゃない?」


「それだと完全に偽装になりますね、、。」


[ノクリスはまじめすぎ。]


「とはいっても、そうしたらバレたときにテイリアスどころかみんな処刑されるよ?」


シュリードが注意した。


「たぶん、馬鹿正直に話した方がいい気がするな。」


「ショウそれ本気?」


ニルティアが少しだけ声を大きくした。


「本気だ。

だって、テイリアスに過去の記憶があればそんなこと絶対にしなかったはずだ。

しかし魔族によって記憶の改ざんを行われており、人類を殺すように指示されていた。

ってことは、テイリアスの意思はそこにない。」


「なるほど。」


ノクリスが頷いた。


[まぁ、それなら行けそうだね。

あの国王、ショウを信じてるみたいだし。]


「周りの側近たちは、というか、

一部の側近はそれを燃料にショウを貶めようとするかもしれないけど。」


シュリードが顎に手を当てて言う。


「だがそんなことは出来ないんじゃないか?」


マリガルドが会話に入って来た。


「どういうことだ?」


俺が聞くとマリガルドはまるで


”どうしてわからないの?”


とでも言いたげな顔をしてから、口を開いた。


「だって、ショウが死んだらエルフ族はもちろん、獣人族、竜人族との友好関係が崩れることになるんだよ?」


あー、と、その場の全員が納得した。


「そんなことウィドルツが見過ごすわけがない。」


さすが、昔から知っている仲だな。




 「~~~。~」


声が、、聞こえる、。


、誰だろう、この人。


「ソイシャン、蘇生に成功したのか?」


奥から高い声が聞こえてくる。


なんだ?


背中が冷たい。


ベッドの上?


なんでここにいる?


、、思い出せない。


「あぁ、もちろんとも、誰を犠牲にしたか知りたいか?フラッディ。」


「あぁ是非とも。」


「王都のはずれで捕まえた人間だよ。」


「へぇ、そんなに魔力が多い人間がいたのかい?」


「いーや、”塵も積もれば山となる”だろ?

ざっと”200人”くらいだよ。」


「ほー、そりゃまた大変なことをしたねぇー。」


「仕方ないだろう?

魔王様からの命令なんだから。」


「にしても、裏切ったやつをよく生き返らせようと思ったよねー。」


「そうだな。俺ならそのまま殺しておく。」


私が、裏切った、?


誰を?どうして?


「おや、目が覚めたのかい?

テイリアス。君は”人類”に殺された。

私たちは君を人類側にスパイとして送っていた、、

けれど人類にそれがばれて君は殺された。

それを私たちが蘇生したんだ。

憎い人類を生贄としてね。」


、、。


「まぁ、そのうち理解できるさ。

とりあえず、生き返ってから最初の任務だ。

ファリスイという町の北側に行って、魔物を召喚し続けてほしい。

そしてファリスイを攻撃して。」


、、。


「わかった。」


「幸運を祈るよ。」


足元に魔法陣。


空間魔法か。



 ファリスイを攻撃、、とは言われても、

どれくらいの期間?


もう1か月くらい経ってる。


何が目的?、、目的は分かってるか。


人類を殺すため。


でもなんでだろう、、、。


あまり人類を殺す気になれない。


体の奥底で、なにか、今の私とは違う魔力を感じる。


まるで私自身が


”今の私は私じゃない”


とでも言っているよう。


でも、これが魔王からの命令。


さてと、ヴァレンスを召喚して。


いつもの見送り。


「行っておいで。」


はぁ、毎日同じことの繰り返し。


そろそろ飽きるし。、、。


背後から魔力?


「っ、、?!」


殺気がないせいで気づけなかった。


誰?


いや、どこかで、、。


なんとかかわせた。


また背後。


2人いる。


地面に向けて剣を出現。


「奇襲、か。」


「あぁそうだっ!」


足払い。


見え見え。


アロブド。


「死んで。」


ズゥゥゥゥン。


、避けられた。


こんどは空、。


アロブド連射。


当たらない。


、、いや、意図的に当てていない?


「鬱陶しい。」


、、っ。


上を向いた瞬間にダッシュで距離を、、。


この顔、、どこかで、、。


「テイリアス。」


心臓が脈打ったのがわかった。


「なぜ名前を知っている?」


「戻ってこい。」


、、、。


「意味が分からない。」


こいつがしゃべりかけてくる度に頭が痛む。


「頭が痛いんだろう?だから動けない。」


「なっ。」


まずい。


言い当てられて動揺した。


まずい。


頭痛が、、、。


ここで膝まづくことはすなわち死を意味、、する。


、、殺気がない。


私の探知がおかしいのか?



 なぜ、この人たちは私を守るようにして戦う?


魔族なんて人類にとっては敵であり憎いだろうに。


それに、さっきからなぜ全員私の名前を知っている?


私も彼らの名前を知っている。


初対面なはずなのに。


それに、強い。


さっき、


”ショウ”


と呼ばれている男がブレスレットをエルフに渡した。


何の意味が?


まぁ、、いいや。


もう、、どうでも。


、、しかし、、こいつらに囲まれていると、、なぜか安心する。


敵なはずなのに。




 「~~~~~。~~~~ス。~~リアス。」


なんだ、ろう。


呼ばれてるような。


「テイリアス。」


眩しい。


あ、、。


「ショウ、ニルティア、、、マリガルド様、、マーレ、、ティア、、ノクリスにシュリード、。それと、、?」


[ファニアです。]


竜人族、か。


ファニア。


なんだろう。


長い夢を見ていた気分。


「ここは?」


「エルフの村だ。」


ショウの声。


帰って、来たんだ。


「ただいま。」




 「ショウ!テイリアスの瞼が動いた!」


マリガルドが叫んだ。


俺は一瞬で階段を駆け上り、テイリアスの眠っている部屋の扉を開け、ベッドサイドにいった。


「テイリアス。テイリアス。テイリアス。テイリアス。」


さすがにうっとうしいかなと思いながら、

呼ぶことをやめない。


そして、テイリアスと目が合った。


「ショウ、ニルティア、、、マリガルド様、、マーレ、、ティア、、ノクリスにシュリード、。それと、、?」


、、、テイリアスだ。


あ、ファニアのことは知らないか。


[ファニアです。]


「、、ここは?」


「エルフの村だ。」


「そっか。ただいま。」




 みんなで騒ぎまくった。


マリガルドとニルティアとティアは号泣しながらテイリアスに抱き着き、

マーレも泣いて、ノクリスは微笑み、

シュリードは笑い、なんかもうカオスだった。


けれど、、とても嬉しかった。

はい、ということでテイリアス復活しちゃいましたね。まぁ、これから少しだけ次の話の中で補足等々していくつもりですので、次回の話もお楽しみに!では次の話で!

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