開幕の狼煙
登場人物
戌井 蒼空
破壊と想像の神シヴァ
熊中 余宮
「だがただの争いをするだけだとつまらん…そこで!今からお前たち人類に固有の武器と能力を授ける!!」
皆何を言っているのか分からないような顔をしていた
「デスゲームのルールは簡単だ全人類で殺し合いをして最後に生き残った者には『この星を自由に使って良い』という権利付きだ。存分に楽しませてくれよ、ルールは特にないからなぁ」
そう言うと黒い渦と共に破壊と創造の神シヴァが消えていった
(はぁ?!デスゲームだぁ?そんな非現実的なことなんて起こるのかよ…)
そう思っていたら、突然謎の暗闇に辺り一帯は包まれた
「なんだこれ…何も見えないし、気持ち悪い、何かに縛られているみたいだ」
そんなことを考えていると
「うわっ!」
突然目の前に白い光が現れた、それはなんの形もなくただひたすらに動き続けている
「なんだよ…これ」
だがその光は段々と形が形成されていく
気づいたらその光は紐のような形をしていた
「?」
不思議に思っていると次に世界は暗転して当たりは白くなった
「うわっ!今度はなんだよ」
すると白い光の次は黒いモヤが現れた
それも形はなくただずっとさまよい続けている
その黒いモヤは形を形成することの無く蒼空の元へ近づいてきた、そのモヤが近づくだけで様々な感覚が訪れる、そのうち蒼空の心の中の欲望が浮き出てきた
(負けたくない…1人で全てを終わらせたい…楽をしたい……自分は何もしたくない…………人間なんて嫌いだ…)
そんな欲望が頭の中にあった
すると、先程の黒いモヤは色が黒から灰色…黄色そして紫へと色が変わった
「一体何が…」
するとその紫のモヤは頭にめがけて取り込まれていった
「うっ…」
そこから蒼空の意識は無くなった
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「うぅ…痛たい……っは!!ここは?」
目を開けた蒼空は世界の変わり果てたその光景に驚いた
建物はほとんど半壊状態で苔が生えていて、草木が生い茂っていた
「は?どうなってんだよ」
そんなことを言っていると
ドザッ
裏の草むらから音がした
「あれれ〜、こんな所にカモはっけーんw」
振り返るとそこには、金髪でピアスを開けているいかにもチャラそうな男性がいた
「なんだお前誰だよ」
蒼空がそういうと
「自己紹介して欲しいの〜?だったらさぁwまずは君から名乗りなよぉw常識だよぉw」
男は煽り口調で話してくる
「分かりました…戌井 蒼空、15歳です。今目覚めました」
っと蒼空が言うと…
「そっかぁ君今目覚めたばかりの『ガキ』なんだねぇwお兄さんがぁ、新しいこの世界のルール教えてあ.げ.る.よぉw」
(実にうざい話し方だ殺意が湧いてきた)
「この世界はねぇ、殺しがダメだなんてそんな古臭いルールは無いんだよぉ、だ.か.らw今から君を殺しまぁすw」
とてもうざい口調の男性はそういうと、何かを思い出したかのような顔をした
「そうだぁ、自己紹介がまだだったねぇ、」
そういうと男はコホンと1回咳をして表情が急変し、声が低くなり
「俺は熊中 余宮 18歳、武器はスニーカーで技はロケット…内容は触れたものをロケットみたいに飛ばす事だ…よし!自己紹介終わり!!殺すねぇw」
男は蒼空に急接近してきた
(速い…技?なんだよそれ意味わかんねぇよ、僕武器持ってないし…)
「ほぉらほらほらwあれれぇw逃げてばっかりだねぇwあっそっかぁまだ目覚めたばかりなんだったねぇw武器の出し方分からないのかぁw教えてあげるよぉw」
すると熊中は立ち止まってコホンと咳をして表情を変え、低い声で
「眠ってた時に出てきた光を思い出せ、あと技の出し方、わかんねぇだろ自分の真の欲望を頭で考えろ、したら技が使える」
蒼空は毎回声と表情を変えるのめんどそうと思っていると
熊中は戦闘時の声と顔に戻り襲ってきた
(っ!光を思い出す…か、光は…確か、紐のような形か……紐…紐…あれはほんとに紐だったのか?)
ジャリ…
蒼空が違和感を感じ手を見てみると
蒼空の手には長さ50cm程の鎖があった
「鎖…これが僕の武器」
熊中は焦るような表情を浮かべた
「そ…その武器で俺を倒せるかなぁw」
熊中は予想外のことで明らかに動揺していた
「殺していいんですよね?熊中さん」
そういうと蒼空は鎖を思いっきり振り上げた。
だが熊中はその素早さで攻撃を全て避けた
「wやっぱ技も使えないようなやつじゃ俺は倒せねぇよ」
なんでも煽ってくる
(欲望…欲望か……なんだっけ、欲望って……僕は…………何もしたくない…誰かに任せたい…でも人間は嫌い……………あぁ頭が痛い)
そう考えていると
ブォンブォンブォンブォン
急に機械のような音がした
「は?」
そこに現れたの刃のようなプロペラの付いた一機のドローンだった
「これが君の技かぁ…へぇ面白いねぇドローンかぁ」
(分からない…あれは僕の技なのか?分からないだけど、なんか)
「今なら戦える気がする」
蒼空はそういうと鎖を振り回した
それと同時にドローンが熊中に接近して刃のようなプロペラで攻撃する
ブォン!ザッ!
少しは攻撃が当たるようになるもやはりあの俊敏さには勝てそうになかった
「やっぱり追いつけないねぇw悔しい?w今追い詰められててw」
追い打ちをかけてくる
(何かあの素早さには理由があるはずだ…足が速いんだ。足、何か関係あるもの…思い出せ何か…はっ!!)
何かを思いついたかのように蒼空は思った作戦を実行する
(足か熊中の技はロケット…触れたものをロケットみたいにする……つまり奴の足には)
そう、熊中は自分のスニーカーにバレないようなとても小さい小石のロケットを付けていた
蒼空は小石にめがけて思いっきり鎖を振り続けた
シュ!ジャリ!!
(ダメだ…速すぎて当たらない)
「もしかしてぇトリックに気付いちゃったぁ?そっかぁなら殺さないとねぇ!」
そう言うと熊中は1度距離を取りもの凄い勢いで手に持っていた小石を弾いた
ボォン
その飛ばされた小石はロケットのように素早く接近し蒼空の手を少しかすった
「あ〜あ当たんないかぁじゃあ接近戦だね」
熊中は約16m離れた所からものすごいスピードで近づいてくる
(やばいこのままじゃ殺られるどうにかしなければ……まだ時間はある、あのスピード、逃げてもすぐ追いつかれて……逃げる?そうかこれだ!確か周りには…あった奴の現れた草むらだ!その奥には…ビルか……よし!)
そう思った瞬間蒼空は草むらに逃げに行った
「もしかして逃げようとしてるぅ?頭おかしくなったぁ?無理だよぉ俺から逃げるのは」
(あと少しで草むらだ草むらの中にトラップを張れば……)
ザザッ
蒼空は間一髪で草むらに入り鎖でトラップを作った。
(急げ!!早く作らないと……)
「はぁwなんで草むらに隠れたのぉ?意味ないよねぇwあはははh…うわぁぁぁ!!」
熊中は見事に蒼空の作ったトラップに引っかかった
「よし!あの速さのまま転べば当然…」
「ちょっ、ちょっと待て待て待てこれじゃ…建物にぶつかるぅぅぅ!!誰k…」
ボガァァンと大きな音が鳴り響くそこには全身血だらけの熊中 余宮が倒れていた
「痛ってぇぇぇぇ!誰かた、助けてくれぇ」
熊中の悲願も虚しく…
「おっと、ここには僕たちしか居ないよ?だってこんなに大きなドローンの音出しても誰も来なかったじゃん、さぁ煽った罰しっかりと受け止めなよ」
そういうとブォンブォンと大きな音を立てながらドローンがやってきた
「まずは万が一逃げないように縛らなきゃ」
蒼空は熊中を鎖で縛り上げた
「あぁ、あぁぁぁぁ!やめてくれお願いだ!煽ってしまったのはそのちょっとした好奇心で…」
熊中は必死に弁解したが意味はなかった
「じゃあ縛ったからあとはドローンくん、よろしくね」
そう言い放し蒼空は去っていった
ブォンブォンとドローンが熊中の首めがけてゆっくりと近づくと、
ザシュ!ジャギギギギ
と鈍い音をたてながら熊中を真っ二つにした
蒼空の心の中には少しの罪悪感が残った…