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連れてき街道  作者: 膝の上の翁
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おわり

その日から祖父はおかしくなってしまいました。

突然怯え出し小鹿のように震えたり、夜中に出歩き泥だらけになって帰ってきたりしていました。

意思の疎通も取れなくなり、家族が半ば諦め出していた時期でした。その日も祖父は夜中に家を出て行きました。

たまたま起きていた私はなぜかその日だけ祖父の行き先が気になりました。一緒に外へでて祖父に「何処に行くの?」と

尋ねても虚ろな目をした祖父は答えてくれません。

しばらくすると例の一本道につきました。その道に入る一歩前で立ち止まった祖父が「時間だ。」といつかに聞いた低い声でつぶやきました。

すると急に祖父の腕が爛れ出しだと思えば、鼻腔を突き刺すような刺激臭が流れてきました。

祖父の腕を見ると祖母が亡くなる数ヶ月前に見た腕の火傷と同じ跡が祖父に浮かんでいました。

そして突風が吹き咄嗟に目を閉じると鐘を鳴らすような轟音がし、目を開けた時には誰もいませんでした。

不思議に思った瞬間私は急に眠くなり、さっき見たものの興奮など忘れて足早に家へ帰りました。

布団に潜り込み、横を見たら祖母がいて先程の恐怖が込み上げてきました。

怖気付きながら祖母に「じいちゃんを何処へ?」と聞くと

祖母はにこりと笑いおやすみと言いました。

それからの記憶はありません。

おそらく気絶するように寝たんだと思います。


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