18/28
お手伝い
「え、じゃあエリカは家の手伝いしてないの?」藤本美穂ちゃんが言った。
私は頷く。
放課後、私たちは私の家で、一緒に宿題をしていた。
「ダメだよ、手伝いくらいしないと」美穂ちゃんは少し考えて、教科書を閉じた。「よし、もう宿題は終わりにして、掃除しよ」
美穂ちゃんは立ち上がった。
それから、私は美穂ちゃんに教えてもらいながら、お風呂掃除や食器洗い、部屋の掃除機かけをした。
終わった頃には、もう夕方になっていた。
美穂ちゃんが帰った後、少ししてから尚人さんが帰ってきた。
「ただいま」
「おかえり」私は尚人さんがいつ気づくか、どきどきした。
「…エリカ」台所を見た尚人さんが私を呼んだ。「食器洗い…お前がやったのか?」
「美穂ちゃんが教えてくれたの」
「そっか…ありがとな」尚人さんは笑って、私の頭を撫でた。
私は嬉しくて、してよかったと思った。
読んでくださりありがとうございます。
次回から、尚人さんの過去編に入ります。
需要があるかわかりませんが…よかったら読んでください。