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ソフィ相談を受けるパート2(ウセと出会ってから12日後)

ワンパターン展開を避けたかった。

 16:21 カフェ“ペトーネ”


 ソフィは、今日も勇者トレンの相談を受けていた。その際、今日もバニラアイスクリームをカップに入れ、熱いエスプレッソコーヒーを入れて溶かしたものを飲みながら……。


 だが、ここ最近……トレンばかりに相手をするばかりにはいかない。なので、彼女は使えるものを最大限に生かすことをする。


 その手段とは、別の勇者に相談を乗ってもらうという手段である。


 しかも、解決手段はお金である。一応、ソフィは自分で事業を行って自由に使えるお金がある。しかし、父に相談した結果。ソフィの父親は娘に超絶甘いのでぽんと父がお金を出してくれた。


 なので、今日のソフィはトレンの話を外から聞く形であった。


「……」


 一方、トレンを聞く勇者は落ち着いた雰囲気のある30代の女性だった。だが、どこか幼さが感じられこの国では30代には見えない女性であった。


 そう異なる世界の勇者である。ウセと同じ世界から来た者である。名はレンゲ・ヒダカ。黒い髪に黒い目をした女性だ。服装は現地に合わせているが、ソフィとは違った意味でおしゃれな服を着ていた。


 ぱっとすると、ベージュのワンピースに、茶色のカーディガンに茶色の靴という地味な色合いだ。しかし、身だしなみを整え地味な服装が似合うように着こなしていた。さらに、小さな赤色の宝石が付いたアクセサリーを付けて、女性らしさを表現していた。


 戦いになれば、防具を付けるが今日はそういう日でないので凛々しい姿をみることはなかった。だが、この世界で戦いを経験したことにより人間的に1歩成長していた。


 また、2次の母であり……母強しを体現するかのようにトレンの話を聞いていた。


「……」


 ソフィは、これで問題は解決する方向になるだろうと思った。

 

 もちろん、自分が超絶スーパーハイパーウルトラアルティメットにパーフェクトに思っているソフィは、トレンの悩みなどは問題なく解決できる自信があった。


 だが、トレンの相談に対して話を聞くことに飽きたソフィ。お金パワーに頼ることにした。


 ソフィは、自分が使えるお金を最大限に使って適材適所の人を雇ったのである。


 この時、頭を使わずにお金を使って問題をお金で殴るというお金アタックにソフィは高揚感を覚えていた。


 また、彼女は勇者と勇者どうしで話させるのは成功だとほくそ笑み、今日飲むバニラアイスクリームをカップに入れ、熱いエスプレッソコーヒーを入れて溶かしたものがとてもおいしく感じていた。


 それに対して、勇者であるヒダカは勇者であるトレンの話を聞いていて1つの考えに至っていた。


 これは、お互いの気持ちをこっそり探る必要がある。これに関しては、何とかなるだろうと思った。幸いにも前金に加えて渡された経費は破格であり、行動を起こすには十分な資金があった。


 もともとは、遠征費に加えて、個人的な調べものでお金が必要なヒダカ。今回の依頼はまさに助け舟と言っても過言ではなかった。


「そうね……大変だったわね」


 ヒダカは落ち着いて、トレンの話を聞きながらプランを練っていく。


 一方で、まじめに話を聞いてくれるトレンは安心を覚えていた。最初は、ヒダカに話すことに対して悩んでいたが……今は彼女と話していくうちに、大きな安心をしていた。


「大丈夫ですかね……」


 トレンは不安を口にする。


「そうね……まだ、彼の気持ちを確認したわけでないから何とも言えないわ。だから、確認するのよ。大丈夫、あなたことは軽蔑も笑うこともしないから」


「……ありがとうございます」


 トレンは、そう言って涙を流しつつ返事をする。


 それに対して、

「辛かったわね」

と言う。


 なかなか相談できなかったトレン。それをまじめに聞いてくれて、受け入れたことによって涙が出てしまったのである。


 ソフィも、実は最初にトレンの悩みを聞いたとき驚いたのである。だが、顔を出さずに聞いていた。


 それは、ヒダカが書いた恋愛作品を読んでいたというのもある。彼女の書く刺激的な物語。その物語を読んでいたことですんなりと受け入れられたというのもある。


 今回の件は、わりとデリケートな問題である。こういうのは理解ある人にお願いするのが最適解だと思った。また、自分はアレンに顔がばれている。


 何気なく、彼の気持ちを聞くのにはヒダカは適任と言えた。


 つまり、この数日はただトレンの話を聞いているわけでなくて行動を起こしていたのである。


 だが、ヒダカは勇者であり作家なのだ。多忙な彼女の自由を作るのは容易でない。彼女は、最大限のお金と権力を使って彼女に自由を作ったのである。


 そして、ソフィの行動は波紋としてアレンとトレンの止まった関係を大きく動かすことを誰も知らなかったのであった。


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