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奴隷剣闘士からの解放  作者: 午後のミズ
第1章 解放と旅立ち
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第2話 旅立ち

 コロシアムから出て街に入る。閑散としている貧民街だ。手近にある飯屋に入って男はいくつか注文をした。


「で、おっさんは何者なんだ? なんで俺を買った? 弟子ってどういうことだ?」


「そんないっぺんに聞くなよ、順番に話していくよ」


 男はへらへら笑いながら言った。


「まず、俺が何者かという質問だが俺は旅人だ。色々な国を回ってる。次に、なぜお前を買ったのかという質問だが、お前の戦いを見ていて身のこなしと武器の扱いに慣れていると思ってな弟子にでもしようと思ったんだ。だから、お前を持ち主の貴族から言い値で買ったってわけ、わかったか?」


 男はいっぺんに言い切ると、丁度運ばれてきた料理を見て美味そうに食いだした。

 肉を焼いた物や、野菜のたくさん入ったスープなどが出てきた。ちゃんとした食事を見たのは久しぶりだ。俺も出てきた料理を食べだす。


「なんとなくはわかった。でも、俺は奴隷剣闘士としか生きてこなかったから何もわからないぞ」


「いいさ、俺が旅をしながら全てを教えていく。よし、飯食ったら出国だ! 準備しろ」


「準備も何も俺は奴隷だったんだぞ、身ひとつだ。何も持ち物なんてない。強いて言えばこのナイフぐらいだな」


 そう言って腰のナイフに軽く手を当てる。


「そうだったな、じゃあ、そのボロ切れみたいな服とちゃんとした剣を買って行くか」


「そりゃどうも、こんな汚い格好もこの馬鹿みたいな独裁政権の国もウンザリだ」


 辟易とした顔で溜息を吐く。

 自分の生まれ育ったこの国には何の愛着もない。俺は生活の苦しくなった両親が借金のカタに売られた。

そして、奴隷剣闘士をやっていた。

 服屋でボロ切れよりはマシな動きやすい服を買ってもらい、武器屋で片手剣を買う。

 国の門へ行くと師匠は門番と何かしら話をして俺の方を何度か話しながら見た。

 この国には未練なんてかけらもない。



 国の外に出ると遠くまで見渡せるぐらい一面真緑の平原が現れた。国の門から道がずっと先まで伸びている。先は見えない。地平線に消えている。

 師匠は国の外に繋いであった馬小屋で馬を1匹連れてきた。大きな馬だった。

 国の中で飼われていた農耕馬とは違う。走るためのような馬だ。師匠はそれにまたがるとゆっくりと歩き出した。


「すまんな、馬は一匹しかいないから2人は乗れないんだ。次の国で馬をもう一匹買おう」


「え!じゃあ、俺は歩きかよ……」


「そういうことだ。諦めろ。これも修行だ!」


 師匠はそういうが俺は国の外の景色に感動していた。一面の緑の平原。どこまでも広がる世界に。

 国の中は城壁で囲まれていてどこにいても両端の壁が見えていたからだ。とても国の中が狭く国の半分は森と農地、もう半分は貧民街、コロシアム。そして、貴族の居住区があるだけだった。

 その狭い国の中で貴族は自分たちの欲望のままに生活するだけだった。外の広い世界を見てしまえば、その国は滑稽そのものだった。


「ちぇ、しょうがねえな。次の国まではどれぐらいかかるんだ?」


「うーんと、4日ぐらいかな。さっき門番に聞いたところだとこの道を真っ直ぐ行くと着くそうだ」


 目の前に真っ直ぐどこまでも続いている道を指差して言った。


「わかった。奴隷から解放されたんだ。俺はもっと力が欲しい。師匠が強いかはわからないが、技術や強さがあるなら俺はそれを吸収して強くなる!」


「やる気じゃねぇか、まぁ、そう焦らずゆっくり教えていくよ」




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