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8話 魔女(8)王様は暴君

6話~10話同時投稿してます。



「おお!ミカ、久しいな。どうにか生きとるぞ。お主も元気にしておったか?なんじゃ、アムラン殿はミカと組んでおったのか」

「快調快便!バリバリ元気よー!ありゃアムラン、ここに来てたの?なになにー、ジジイと密談?」

丁度良い。後はミカに任せよう。知り合いみたいだし。



「ふーん、縞虎の巨大な魔獣の痕跡ね。まあ十中八九タイラントでしょう。昨日遭ったわ」


あっさり!俺の迷いは何だったのか。

「なんと!まさか辺境の主がおるとは……至急、侯爵に伝え軍に派兵要請を」

「待った待った。もう帰ったわよ。ちょっと話してきたから説明するわ」

「タイラントと会話しただぁ?……お主は相変わらずの破天荒じゃな」



「まず、彼がこちらへ出向いたのは情報収集のためね。

知ってる?北部辺境の縞虎ってこの辺りの山地で繁殖してるのよ。辺境は幼体には寒すぎるらしいわね。そんである程度育ったら山伝いに辺境に向かうんだって。

その繁殖組がなかなか帰って来ないから、心配になってこちらの様子を見に来たんだってさー。そしたら酷い旱魃でしょ?北部でも雨は少なかったらしいんだけど、ここまでの状況とは知らなかったみたい」


タイラント、働き者なんだな。縞虎の王様的な存在なんだろうか。魔獣を選り好みするのも何だが、奴は殺さずに済んで良かった気がする。いや、殺そうとしても俺には到底無理だけど。


「で、北の森――分かる?北に向かう細い街道沿いの小山の向こう。そこで飢え死に寸前の群れを見つけて、しばらく面倒見てたんだってさ。何とか持ち直したから北部辺境に向かうよう誘導して、帰り際に私たちに遭ったみたい」


小山の向こうの森って……貧弱クソ雑魚俺達団の拠点裏じゃない?え、あそこにいたのかタイラント。その森で毎朝鳥狩ってたんだけど。雑魚だから見逃されてたんだろうな、多分。貧弱で助かった。


「実はね、あたしの本来任務はタイラント捜索だったのよ。ああ、タイラントって分かってた訳じゃないけど、北部辺境から東部近辺へ大型魔獣個体が移動した可能性って報告が上がっててね。アムランに会ったのもあの森を探そうとしてたからなんだ。そこで一回タイラントらしき魔獣とも接触してる。その時はまだ姿も見て無いけどね。昨日彼があそこにいたのは私に会うため」


え、話ついてたの?つまり俺は無駄死にするところだったわけ?……ひどくない?


「ごめんごめん、ちゃんと助けたから許して。ちょっと弟子の成長が見たくってさ」

それ鳥食べたいって時にも言ってたよな。成長も何もあんな相手どうしろと。

「あたしなら雷撃一発で障壁抜いて麻痺までいける!」

魔女の解法なんて何の参考にもならん。


「なんじゃ。破廉恥ミカは隠密にでもなったのかの?」

「まあ、似たようなものね。表向きは先生だけど」

こんな戦力にただの教官をさせておく理由は無いよな、普通に考えて。


「ってことで、はい、依頼料ちょーだい!」

「がめついのう。ほい、大銀貨5枚じゃな。ついでに大鬼の情報収集もしていかんか?」

「そっちも情報局が動いてるわ、進捗は言えないけど。ただ、結構重要案件になりそうね」

「ちょっとは教えてくれてもいいじゃろ。昔のよしみというやつじゃ」

「想像通りよ、多分」


「……南部絡みじゃな。人工的な鬼の育成と使役、バルセム国の亡霊」

「……オラン爺、鼻毛出てるわよ」


「おっとっと、こりゃ失礼。何せ人が来ないもんでのう」

「……食料調達は早めに。川にも気を付けて」

「いざとなれば『魚』もおる。こちらは任せて仕事に励むのじゃな。……ミカ、ワシより先に死ぬでないぞ」

「当たり前でしょ。葬式にお祝いたくさん送りつけてやるわ。またね、リーダー」


何となく粋なやり取りが行われていた気がするが、全く話についていけない。後でミカ先生に解説してもらおう。




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