第2話『驚きと温もりと』
皆さんこんばんは。
少し遅刻しました、しろうさぎです。
最近この時間帯ぐらいに更新できるようにしようとしてます。
更新されるのは大体22:00、23:00、0:00のいずれかとなる予定です。
よろしくお願いします。
ギィ……
ドアが開く。
私は全神経をドアからやってくるであろう人物に注いでいた。
……どれほどの時間が経っただろうか?
大体1分ほど、半開きとなったドア見つめていたと思う。
……全く姿が見当たらない。
それに気配も消えていた。
足音もやんでいて、既に私の心臓の音と呼吸しか聞こえないほど静まり返っていた。
私は警戒をしつつも、ドアはしっかりと見ていた。
その時だった
「どうしたんだい、そんなにドアを見つめて?珍しい虫でもいたのかい?」
突然、私の隣で気配が生じた。
私は、まるで心臓を貫かれたのかのように感じた。
思わずそちらへと振り向く。
少し早く動いてしまったせいか、全身が苦痛に悲鳴を上げた。
しかし、そんなのは気にしていられない。
振り向くとそこには1人の青年が椅子に座っていた。
(確か、私を拾ってくれた人……?)
私は意識を失う前の光景を思い出した。
それよりも、私の脳内にはひとつの疑問が浮かび上がっていた。
(……いま、この人はどこから入ってきたの?)
私は青年の顔をじっと見ながらそんなことを考えていた。
すると青年はクスリと笑った。
「キミ、私が今どこから入ってきた、みたいな顔しているね?」
「!!」
私は驚いてしまった。
そんなに顔に出ていたのだろうか、青年に今思っていたことをズバリと言い当てられて、少し狼狽えてしまう。
しかし青年はそんな私の様子を見てまた笑みを浮かべる。
まるでイタズラが成功した時みたいな顔だった。
「大丈夫さ、私はキミの敵ではない、むしろ味方さ。キミ、長い間眠っていたんだよ?だから、お腹すいていると思って料理を作ってきた。はい、これ。少し熱いから気を付けてね。」
そう言って木の器にお粥のようなものを大きめの匙でよそって私に手渡してくる。
それを見た時、私のお腹が『キュルキュル……』と音をたてた。
思わず俯いてしまう。若干顔が熱くなる。
恥ずかしさで手を付けづらかったのだが、それを見た青年は少し考えて先に「念の為だよ」と言って私の器に入っているお粥を1口食べた。
本人は毒味をして私を安心させたかったのだろう。
飲み込んだあとも彼は元気だった。
私もそれを見てから1口食べる。
「お……いしい……。」小さく呟いていた。
2口、3口……と食べていく、次第に私の目から涙が溢れ出てきた。
涙でベットのシーツを濡らしてしまうが、青年は咎めず、私が食べ終わるまで微笑みながら隣に座っていた。