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死神と私、時々うさぎ  作者: しろうさぎ
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第1話『ここは……?』

こんばんは。

しろうさぎです。

今日は昨日に引き続き、第1話を投稿することが出来ました。

何とか更新できて作者はホッとしています。


本文は私の個人的な理由で1行毎に区切っています。

ご了承ください。

夢を見ていた。




幸せそうな家族のごくありふれた光景……


そこでは少女が1人、大人の男女2人が散歩道を一緒に歩いていた。


恐らく少女は2人の娘なのだろう、と私は考えた。


すると案の定、少女は振り返り女性の方に駆け寄っていく。


女性が少女を抱きかかえると、少女はとても嬉しそうに女性に頬ずりする。


また、男性もその大きな手で少女の小さな頭をしっかりと、けれども優しく撫でる。


ここまでは普通の夢だ。




ところが……


私には3人の顔がハッキリと見えなかった。


まるで靄がかかったかのような顔になる。


見よう、見ようとすればするほど、どんどんと靄がかかっていく。


まるで私に思い出させるのを拒絶しているかのように……。




そこまで考えたところで、私はふと、『何か大切なことを忘れているのではないのか?』と思い始めた。


-思い出せない、思い出そうとすると今度は、頭をハンマーで殴られたかのようにガンガンと痛みだした。


そして、その痛みと共に目の前に広がっていた家族の光景もガラスのように砕け散っていった……。


真っ暗な世界、1人頭を抑えながらうずくまる私。


もう、さっきまで何を思い出そうとしていたのかは覚えていない。


何を考えていたのか、さっぱり分からなくなってしまった。


この世界で唯一分かるのは……『孤独』



そんな暗い世界の孤独な私に、一筋の光が差し込んでくる。


私はぼんやりと、さっきまで頭が割れるように痛かったことも忘れて、その光に導かれるように歩いていった。






















私が目を開け最初に見たもの、それは木でできた立派な天井だった。


やはり視界は少し緑がかって見える。


木は規則正しく並んでいて、わずかだが木の匂いがする。


ここはどこだろう?私はそう思い、今いる場所から起き上がろうとした。


しかし、力を入れた途端に全身に激痛が走る。


そのせいで、まともに起き上がることが出来なかった。


思わず『うっ……』と唸ってしまう程の痛みだった。


それでも痛みに耐えながら何とか上体を起こすことが出来た。




……私が寝ていたのは、少し広い部屋にあるベットだった。


家具も見たところ必要最低限は揃っていた。


窓は空いており、そこから心地よい風が吹いていた。




……私は自分の姿を確認した。


綺麗なシーツや綺麗な毛布、綺麗な枕のあるベットに座っている。


私の来ている服もまた、綺麗な寝巻きのような服になっていた。


ふと横にあった棚を見てみる。


そこには、前世の記憶にあった医療道具のようなものが置いてある。


その隣にはタオルも置いてあった。




……しかし、改めて部屋をぐるりと見回したところでこの部屋に繋がる唯一の扉の向こう側に気配が現れた。


1人が私の元に近づいてきている。


なぜ気配を察知できたのか、その理由は私には分からなかった。


しかし扉の向こうに何かがいるのかだけは確かだった。


気配は私が睨みつけている扉の前で止まると、こちらに向きを変える。


ゆっくりとその扉が開いていった……。



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