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死神と私、時々うさぎ  作者: しろうさぎ
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プロローグ『出逢い』

皆さんこんばんわ、初投稿となります。

私の名前なんですが、『しろうさぎ』でいい気がしてきました。(今更)

お楽しみ頂けたら幸いです。

更新は不定期にします。

よろしくお願いします。

嗚呼、また世界が少し緑に見える……。


道を歩く人々を眺めながら、少女―――私はぼんやりと考える。


そのように見えるのは、生まれつき目が緑のせいなのか、光の屈折なのか、はたまた周りの木々の色なのか……。


私にはさっぱり分からない。


実のところ、私が分かっていることも、これと言って無い。



前の雇い主が亡くなってしまい、私は捨てられてしまった。


そんな私には、名前がなく、家族もいない、まともな服もなく、住む場所もない。



そんな私がまだ持っていたものが2つある、案外それは……


『前世の知識』と『ココロ』だったりする。


しかし『前世の知識』と言っても私が私でなくなる前の名前や家族以外の記憶ということになるけれども。


確か、私が以前住んでいたところは地球の日本という場所だったっけ?


まぁ、あまり思い出せないけど……。


この記憶も、たまにしか思い出せないしね。



私のこの世界での存在というのは、前世の時の地球で言うと『捨て子』と呼ばれるものだろうか?


いや、そもそも私はいつからあそこで働いていたのかも覚えていない。


それに家族という人にも、まだ会ってすらいない。




道端に置かれ、箱に入れられ、足枷までしてある。


見る人が見れば私は『奴隷』と言われてもおかしくないと思う。


意識も朦朧としている。


屋敷を追い出されてしばらく、私は食料を口にしていないため栄養失調に陥っていた。




(もう………私死んじゃうのかな?)


そう思いながらゆっくりと目を閉じようとした時だった。





コツ……コツ……と靴の音。


私に近付いてくる影が1つ……


私がちらと目線だけを上げるとそこには若い男の人がいた。


1人の身なりの良さそうな青年だ。


彼は私のいる所までやって来た。


すると、彼は私にだけ聞こえるように顔を近づけながら囁いてきた。


「キミ、なかなかいい()を持っているね。どうだい?私の元で暮らしてみないか?」




私には彼の発している言葉の意味が分からなかった。


何語かも分からなかった。この青年の言葉が全く理解出来なかった。


意識がほとんど無いため、脳が理解しようとしてくれない。




けれど、その顔と声の調子からして『拾ってあげよう』とでも言ったのだろうか?


いや、そんなことはどうでもいい。私にはもとより選ぶ必要も権利も無いんだから。


私は小さく頷き、朦朧とした意識を手放した。



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