12月24日
「気遣いと女心には敏感に。」
「なんでここに僕を連れてきたの?」
サンタ、問う。対するハルマキ、答える。
「ヒマだったから。」
12月24日。クリスマスイブ。喫茶店である。
ハルマキはクールに
「あたし一人じゃクリスマスは暇なんだよね。」
サンタ、釈然とせず
「モモとかナツとかと遊べばよかったんじゃ...」
無視してハルマキはコーヒーを飲む。
サンタは女の子と二人で喫茶店に来るのは初めてなので少し不慣れな空気に緊張している。
ハルマキを見るとクールにコーヒーを飲んでいる。
コーヒーが熱いのか少し頬が赤い。
「考えてみれば2年間一緒にいたけどハルマキと遊ぶのって初めてじゃない?」
一向にハルマキが喋ってくれないのでサンタ自ら話のタネを作った。これは結構頑張った。
「えっ、........ああ、うん。 確かに初めて。」
何を考えていたんだハルマキ。あまりの突然な話にびっくりしたようだ。ここでサンタは違和感を感じる。
(あれ......。ハルマキってこんなにコミュニケーション苦手だったっけ.......。)と。
「そういえばさ、この前貸したCD聴いた?」
サンタはふと思い出してハルマキに聞く。
ハルマキは少し音楽に興味があるようで、音楽好きの僕からいろいろCDを借りていく。
「.....ああ、 Date for the first times、あのバンドすごいよかった。サンタみたいな頑固なやつがあんな軽いポップな感じの聴くなんて意外だね。あたしああいうの好きだな。」
ハルマキは少し小声で話す。
「気に入ってくれてよかった。なんかハルマキはああいう馬鹿みたいなの嫌いなんじゃないかと思ってた。」
「あたしってそんなに厳しいイメージあったの?」
「いや、そういうわけじゃなくてさ、なんか真面目なイメージあったから。」
「ふうん。」
安心したようにハルマキは少し微笑む。
いつもだったら見せない笑顔にサンタはまたなんとなく違和感を感じた。
ハルマキとは高校1年からの友人である。
彼女は陸上部に入っててスポーツできる、勉強そこそこ、顔も悪くないので男子から少し人気あり。しかしどうも今日見る顔は今まで見たことがない顔である。
「あたしさ、今日サンタはてっきり別な女の子といるかなーとか思ってダメもとで誘ったんだよね。彼女とかいないの?もしかしてホ
「ないね。リア充とゲイしかいないのかこの世の男子高校生には。」
「最後まで言わせてくれてもいいじゃん.......。」
「駄目でーす。人のことすぐにホモとかいうやつには喋る権利はありませーん。」
ぐぬぬと唸るハルマキ。しかし
「でも実際サンタは男にモテそうな可愛い顔してるよね。」
「それはいったいどうゆう反応をすれば正解なんですかハルマキさん。」
無視してハルマキはコーヒーを飲む。
「ってかさっきの続きだけどなんで彼女つくんないの?」
「いたよ、2人くらい。」
胸を張って答えた。
「本当は?」
「0人」
「駄目じゃん。」
ハルマキはクスッと笑う。
「好みの女子とかいないの?」
うーんとサンタは考えて、
「割とスポーティーな子が好きかなぁ。」
「え、意外。サンタはキュートって感じの子が好きなんだと思ってた。」
どうやら本当にそう思ってたらしくびっくりした顔をしている。
「いやー、なんか可愛い子より意外とスポーティーで大人しい人と一緒にいた方が落ち着く気がするんだよね。」
「スポーティーな子って大人しいの?」
「なんていうかさ、スポーツ一筋の子ってうるさい子もいるけど本当にそれに向き合ってる真面目な子とかいるじゃん。イメージだけど。現にハルマキとかさ。」
「...............。」
あれ、しゃべらん、どうしたハルマキ。と思ってハルマキの顔を見ると
なんかすごく赤い。
なるほど、ハルマキは褒められるのが苦手なのか。これは覚えとかないとな。使えそうだ。
とり繕ってハルマキが言う。
「そ、そういえばクリスマスプレゼントにこれあげる。今日付き合ってもらっちゃったし。」
ハルマキはやはりいつもより小声でサンタに何かを差し出す。
マフラーだ。茶色のマフラー。綺麗に編まれている暖かみを感じる茶色のマフラー。
「え、なんか、ありがとう。初めてだし嬉しい。」
サンタは初めての女子からのプレゼントにしどろもどろになる。
「僕もなんかあげなくちゃね、仮にもサンタだし。」
といろいろ話そうとすると
「いいよ、一緒に遊んでくれたし。楽しかった。じゃあね。」
とハルマキはささっと帰ってしまった。
「ええ.......。まだ1時間もいないじゃん....。」
サンタ、わけも分からず呆然とするだけであった。
まあいいか。このままお返しを買って帰ろう。無難だし僕もマフラーでいいかな。あいつ何色が好きだったっけ。緑って言ってた気がするな。緑のマフラーでいこう。大人っぽくてハルマキには似合いそうだ。