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拾われました

目を覚ますと俺がいたと思われる森の面影は欠片も残っていなかった。

見渡す限りの荒野である。


あれ~確か俺ゴブリンに八つ裂きにされなかったっけ? でも体は痛くないし血も流れてない。もしかして夢ですか?


俺は夢ですあったと確信づけるために森でやったように体を見回した。


果たしてそこには小さい手と腕があった。


「はぁー。ですよね」


俺はため息を吐いた。


これで夢オチは無くなったわけですね。えぇ。分かっておりましたよ。そんな都合よく行くわけないですもんね。


「はぁ。これからどうしよ」


俺は開けた空を仰ぎ見ながら考えに耽った。


しばらく考えていると急にあることを思い出した。


あれなんで俺喋れんの?体は赤ん坊のままだよ。最初喋れなかったくね?


てか夢じゃないなら体中の傷が無いのおかしくね?


じゃあ夢か? いやしかし体の傷は?


やばい何処からが夢で何処からが現実なのかわかんなくなってきたよ。


だが大丈夫だ。俺はこんなことがあろうかと対処法はちゃんと心得ている。

そう、その方法とは――­­


全てを投げ出して寝るげんじつとうひ だ!


それではお休みなさい。

グタリ......。

こうして俺の意識は三度暗転した。




耳に微かに足音と声が染み込むように入り込んでくる。

どうやら何かがこちらに向かって来ているようだ。

それも何かを叫びながら。


またモンスターとかかもしれない。早く起きなければ。


俺は重い瞼を必死で開いた。


薄く開いた瞼の隙間から容赦なく陽の光が網膜を焼かんと差し込む。


「うっ......」


眩しさのあまり俺の口からうめき声が漏れる。


眩しい。目、開けられん。なのでお休みなさい。


Zzz......。


「なんだとぉおおおお!」


「〜〜〜〜ッッ」


うわっ! びっくりしたぁ。


全身に溜まっていた眠気が一瞬にして吹きとんだ。


どうやら先ほどからこちらに向かって来ている人と思われるものが俺の元にたどり着いたようだ。


恐る恐る目を開ける。


そこには初老のおっさんが俺を見下げ立ちすくんでいた。


するとおっさんは身をかがめて俺の耳に顔を近づけて――


「おぉぉぉい! だいじょぶかぁ! 生きてるかぁぁ!」


叫んできやがった。


うっさい! うっさい! うっさい!

生きてるから!叫ぶな鼓膜破れんだろ!


なんとかして生きてることを伝えなければ。でも赤ん坊が喋ったら気持ち悪いし......。


あっそっか。赤ん坊なら泣けばいいんだ。

よしそうしよう。


「おぎゃーおぎゃー」


「フォォォォォ!」


おっさんは俺から離れてくれた。


だが奇声をあげながら両腕を上に挙げ腰を振りながら横移動を反復するという謎のダンスを踊り始めた。


なんで俺が会うのって変な奴ばっかなんだろう。


そんなことを思っていたらおっさんが近づいてきて俺を抱きあげて何かを呟いた。


「ふーむ。こんな所に放っておくわけにもいかないしなぁ。仕方ない家に連れて帰るか」


やった。家確保。


「なら名前もわしが決めちゃっていいかな」


そう言うとおっさんは手を頭にあてたりしながらうんうんと唸ったあと


「よし。今日からお前の名前は」


いい名前を付けてくれよ。


俺は心の中で懇願した。


「世界の覇者だ!」


「やめてください。俺の名前は悠舞ユーマです」


やっば、あまりにも痛い名前で思わず声出しちゃった。

おっさん大丈夫かな?

俺は首をギギギっと音が鳴りそうなくらいゆっくりおっさんの方を見た。


「ウヒャアァァァ!」


さっきとは別の悲鳴をあげて固まってたよ。


その後俺はなんとかおっさんを説得して家まで連れていってもらえることになった。


「それでユーマはなんで喋れたりすんの?」


今はおっさんの家の中である。

おっさんの家はどっかの山の中にある木造建築の一軒家だった。


俺は金髪の神によってこの世界に転移させられたことを話した。


「なにぃぃ!? 金髪の神だと!?」


何故かおっさんが叫び出した。

本当うっさい。勘弁してほしいわ。


「え? なに知ってんの?」


俺はおっさんの反応が少し大袈裟すぎると思ったので質問した。


「知ってるも何もそれ創造神様でわしの産みの親だよ」


「はあぁぁ!?」


今度は俺が叫ぶ番だった。


「いやあいつ男だぞ!? それにそいつから産まれたってことは――」


「あっ、うん。わし神だよ」


ほほぅ。ただのおっさんのだと思ってたら神だったよ。もう何でもありだな。


「わしは神ザリスだ」


こうして俺は神ザリスのもとで生活することになった。

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